NICEHCK NX8という現在199ドルで販売されている1D、6BA、1PZTというハイブリッド構成なイヤホンのレビューです。現在は販売開始のキャンペーンとして179ドルにて購入が可能です。今回はNICEHCKから直接のレビュー依頼です。
また、追加で割引コードを頂いていますので、こちらも併用してご利用ください。コードは「NX8NX8」です。販売開始の前日にこの記事を書いていますが、どのくらい割引されるのかは正直私は知りません(笑)
販売サイトは Aliexpressはこちら HCKオフィシャル通販はこちら
良い点
・非常にバランスの取れた音で良い意味で1D、6BA、1PZT構成とは思えない良い意味で普通な音
・情報量が多くありつつも分離が良く、それでいて低音の量感もしつこくない
・低音域の質感が良く、情報量が多くありながらも変な濃さは無く、弾むようなベースの質感も上手に表現してくれる。
・ハイブリッドにありがちな高音域の変な目立ち方が無い
・筐体が小さめで装着感も軽い
悪い点
・良くも悪くもオールマイティな普通の音で「こういう音源は鳥肌が立つ」みたいな感覚はあまり無い
音質評価 89点
1、低音域のしっかりと沈み込む質感の良さと、それでいて変な濃さが無い純粋な情報量の多さと解像度の高さがとても魅力的
このイヤホンの評価は1D、6BA、1PZTという構成でありながら、このクセの少ない音を「つまらない音」と評価するか「上手にチューニングされた音」と思うかでかなり評価が変わるかなと思います。個人的には後者の印象で、これだけドライバ数を積んだイヤホンでありながら、多ドラ系にありがちな中、低音域の変な音の濃さ、しつこさが無く、全体的にとてもスッキリと見通しの良い音が鳴っています。それでいて、低音域は多ドラらしい情報量の多い音が鳴っており、何より重低音域の沈み込むような音がしっかりと重みのある音で鳴ってくれるので、音源を聴いている中で「おお、欲しいところでベースのうねるような音がしっかり出るじゃん」と、バランスの自然さは担保しつつも要所要所で良いアクセントをくれる感じです。
音のバランス
高音域 □□□
中音域 □□■
低音域 □□□■
2、音のバランスは軽く低音域寄りのドンシャリ。情報量の多さがありつつも音場の自然な広さと解像度の高さのおかげでしつこい音になっていないのが非常にポイントが高い。
音の傾向としては軽く低音域寄りのドンシャリ。音場は少し広め。
高音域
明瞭ではありますがピーキーさは無く、低音が強めなバランスも相まってか少し丸みのある優しめな音に感じます。こういうハイブリッドイヤホンは高音域のドライバが変な目立ち方をしてしまっている製品が多く、20万を超えるような高級イヤホンでも物凄く違和感の強い音を鳴らす製品も多い中で、あまり目立たせずに、それでいてしっかりと明瞭感は担保するようなバランスは非常に上手いなと思います。個人的にはドラムのシンバル音とかはもう少しPZTらしいシャリシャリとした強調感があったほうが好みに近いのですが、十分明瞭な音は出ているので上手いことまとめられているなと思います。
中音域
中音域はハイブリッド構成らしからぬ自然な音を鳴らします。こういうドライバ構成のイヤホンはドライバごとに音が鳴っているのが露骨に分かるような音の不自然な分離をすることが多く、その代償としてボーカルラインは不自然さが際立ちやすいのですが、このイヤホンはそういった違和感が無くとても自然に鳴ってくれます。音場が広めで、全体的に少し響き感のある音であることも相まって、バラードのようなボーカルラインの余韻まで楽しむような音源でもしっかり聴きごたえのあるボーカルが聴けるのはポイントが高いです。
低音域
低音域は良い意味でこれだけドライバを沢山積んだイヤホンらしくない、とてもサッパリとした音を鳴らします。分離が良くスピード感のあるドラミングにもしっかり音を追える追従性があります。どうしても多ドラ系はこの低音域が濃い音と言えば聞こえはいいですが単純に「音が被っているしつこい音」になりがちですので、こういう分離のしっかりとした音なのはポイントが高いです。それでいて、しっかりと重低音の再現度が高く、欲しいところで重みのある重低音を再現してくれるので「お、ちゃんとドライバ数の恩恵あるな」と感じられます。
おススメ度 89点
3、とてもバランスの良い、じわじわと良さがわかってくるようなスルメホン。
正直同社のHIMALAYAのような一聴して「スゲェ!」ってなるタイプのイヤホンではありません。良い意味で全体的に普通な音で、正直一聴したら「ふつーの音だなぁ」と面白味を感じにくい製品でもあるとは思います。ただ、情報量が多くありつつも解像度が高くしつこさの無いところや、分離性能が高くサッパとした鳴り方でありながら、しっかりと重みのある重低音を要所で感じられるところ等、縁の下の力持ち的な細かいアクセントの部分の随所に良さを感じられるようなスルメタイプのイヤホンだと思います。こういう聴けば聴くほど良さがわかってくるみたいなタイプのイヤホンほど、飽きが来なくて楽しかったりするんですけどね。
バランスの良い、情報量が多く、それでいて変な音のしつこさが無いイヤホンを探している人におススメしたいイヤホンです。HIMALAYAを出して以降のHCKのオリジナルイヤホンは一皮剥けた感じがありますね。なかなか良いです。