Binary Acoustics Dynaquattroという現在259ドルで販売されている4DD構成のイヤホンのレビューです。ダイナミックドライバを4発も積んでいるのが特徴のイヤホンです。今回はHIFIGOからのレビュー依頼です。
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良い点
・4DD構成にしては比較的自然な音
・軽いドンシャリ傾向だが、バランスとして極端では無く楽しく聴けるチューニング
・刺激の少ない音で聴き疲れはしにくい
・筐体のデザインは独特で面白い
悪い点
・パッと聴きは悪くないのだが、全体的な音のレンジが狭く「ドンシャリ傾向なのにカマボコ」と表現したくなるような音。
・低音域の量感はあるのだが重低音の再現度が低いので量感はあるのに軽い
・音の分離はイマイチ
音質評価 77点
1、4DDの割に音のバランスが自然で違和感が少ないのが良いが、音のレンジが狭く重低音の再現度が低いのが気になる。
音はまぁまぁ悪くないです。音の傾向としては軽く低音域寄りのドンシャリ傾向です。4DD構成というのでどんな派手な音が鳴るのかと思ったら、音の傾向はむしろ真逆でかなり刺激の少ない聴きやすい音になっています。ドンシャリ気味の音で低音域がそこそこしっかりと量感のある音でノリ良く楽しく聴けるタイプの音ではあるのですが、正直全体的に音のレンジの狭さが気になる印象があり、特に低音域は量感はしっかりとあるのに重低音の再現度が低いことから「量感はあるのに軽い低音」になってしまっているのが残念ですね。全体的には別に悪い音とは思わないのですが、このイヤホンが4万円近い金額と言われると正直うーんと思うところはあります。
音のバランス
高音域 □□□
中音域 □□■
低音域 □□□■
2、少し音場が広めで聴きやすく刺激の少な目な音、音のバランスは4DDの割にかなり整っているものの、逆に言えば4DDを積んだ利点も特に感じない
音のバランスは軽い低音域寄りのドンシャリ。音場は少し広め。
高音域は曇りはしないものの少し寸詰まり感があり、超高音域の再現度はイマイチです。抜けの良い音で耳に刺さりやすい帯域はかなり後ろのほうで再生されるので耳への刺激は少なく聴きやすいのですが、いかんせんシンバルのような煌びやかな音では明瞭さが足りない印象があります。
中音域は4DDにしてはかなり自然な音を鳴らします。といっても同価格帯の1DDや1BAのイヤホンの中音域には全然及びませんが、4DD構成の割に音の被り感が無く、定位も自然で、適度に広がりのある音場表現と相まって割と質感は悪くないです。
低音域は量感はあるものの重低音の再現度が低く、量感のはあるのに軽い音になっていて正直イマイチです。音の分離もイマイチなのもあってミドルテンポのロックくらいなら問題無いのですが、スピード感のある音源だとドラムの音にキレを感じませんし、何より軽い音になっているので量感はしっかりとあるだけにモヤっとした気持ちになります。
おススメ度 75点
3、4DDを積んだ意欲作ではあるが、4DDを積んだことによる利点をイマイチ感じられず、何より音のレンジの狭さがかなり気になるのが個人的には「うーん」という感じ。
約4万円と結構いい値段するイヤホンであることから厳しめに採点をしましたが、別に極端に悪いイヤホンだとは思いません。4DD構成の割に音のバランスはとれていて、ノリが良く楽しく聴けるバランスになっていて、こういうダイナミックを3基以上積んだイヤホンはもっと変な音になっている製品が多い中、上手くまとめられた音だと思います。ですが、正直「4DDを積んだ」ことによる利点は特に感じられず、それならもっと極端な音にしてくれたほうが面白かったと思いますし、クセの少ない傾向の音としては同価格帯の1DDや1BA構成のイヤホンと勝負できるほどの実力は無いとも思うのが本音だったりします。何より音のレンジの狭さ、これがかなり致命的な印象で、低音域の聴けば聴くほど「量感はあるのに軽い」と感じる質感は個人的には無しでした。
Binary Acousticsは過去のイヤホンはかなり良かったので、個人的には次に期待!