

Vortex Cables Lavinia、Alida、Seraphinaという3種ケーブルのレビューです。今回はVortex Cablesからのレビュー依頼です。1機種ずつレビューを書こうかと思いましたけど、せっかく3つ手元にあるなら比較しながらのほうが分かりやすいかなと思いましたので3機種まとめてレビューをさせて頂きます。
価格はLaviniaが759ドル、Alidaが509ドル、Seraphinaが439ドルです。
販売サイトはこちら
ケーブルの詳細を簡単にまとめます。ケーブル関係は少し翻訳間違えると線材表記として異なってしまつたりするため、今回は原文そのままでまとめることをご容赦ください。
Lavinia 販売サイト
Cable material
Shielding: Silver plated 5N OFC Core: 4N Pure Silver,
Gold plated OCC Copper Gold plated 4N Silver Palladium plated 4N Silver
Origin of materials: Taiwan
Alida 販売サイト
Cable material
Gold plated 4N pure silver & Silver plated 5N LC-OFC
Seraphina 販売サイト
Cable material
Shielding : Silver plated OFC Copper
Core : Silver Plated 6N OCC Copper
となります。AlidaのLC-OFCはなかなか採用例が少ない線材かなと思います。
3機種全て取り回しが良く使いやすい。Conx採用によりMMCXや2pin、T2等幅広い端子に対応しているのも良い。
最初に3機種に共通した良い点をまとめたいと思います。まず、どれも非常にしなやかな柔らかい布巻タイプのケーブルで非常に取り回しが良いです。高級ケーブルというと、どうしても太くゴツかったり、細くても硬くタッチノイズが酷いみたいな製品が多くなってくるのですが、このメーカーのケーブルは全て柔らかくしなやかで使いやすいです。また見た目も良い意味で「いかにも高級ケーブル」というゴテゴテした感じではなく、見た目の主張が強くないため幅広いイヤホンに合わせやすいと思います。やっぱりゴツいケーブルつけて出社とかすると「何ですかそれ?」みたいに聞かれて面倒くさかったりしますから、こういう「普段使いに溶け込むデザイン」というのはなかなか良いと思います。いかにも高級ケーブルっぽい見た目は、それはそれで良さあるんだけどね。
Laviniaは3機種の中で一番明瞭でハッキリとした音を鳴らしてくれます。金メッキ銅線とパラジウムメッキ銀線のハイブリッドということで、言っちゃアレですが見た目は高級感はあまり無いのですが、中身は非常に拘った線材が使われています。非常にシャキッと明瞭な音で、少し音が曇りがちなイヤホンですら、その曇りが晴れるくらいに明るい音を鳴らしてくれるのが非常に魅力的ですが、A8000のような元々少し高音域がピーキーなイヤホンと合わせると、そのピーキーさを強調してしまう印象があるので、元々クセの少ない音造りのイヤホンと合わせると非常に良いですね。symphonium audio Heliosとの相性は3機種の中で一番良かったです。
個人的には3機種の中でこのケーブルが一番好きでした。全体的に全体的に落ち着いた音で、それでいて音の解像度はしっかりと高い非常に基礎性能の高い、クセの少ない音を鳴らしてくれます。Laviniaを聴いた後に聴くと少し音が落ち着きすぎる印象もあるのですが、暫く時間をかけて聴くと高音域のピーキーさの無い伸びやかな音がとても心地よく、Final A8000のような高音域にクセのあるイヤホンと合わせるとA8000の本来の基礎性能の高さをそのまま引き上げつつ、クセの部分を緩和してくれるのでとても良いです。また、元々音の抜け、伸びやかさが抜群なSimphonio VR1と合わせると、良い意味でカナルイヤホンを聴いているとは思えないような閉塞感の全くない、とても伸びやかな音で鳴ってくれるのがとても良いですね。LC-OFCなんて昔の最近はあまり使われなくなった規格の線材を敢えて使うあたり、非常に面白いメーカーだと思いますね。
音の傾向はAlidaに近く全体的に落ち着いたクセの少ない音ですが、Alidaより更に高音域がのピーキーさが減る印象で、個人的にはAlidaのハッキリと煌びやかな音を鳴らしつつも伸びやかで耳につかない音と比較すると、少し高音域の音を抑制している感じがあり、もう少し高音域の煌びやかさはあったほうが嬉しいなと思うのは本音。ただ、このあくまでAlidaと比較したらという話でありねこちらも余計なクセを付けない解像度の高い音という印象であり、ケーブルの青と黒の色使いも合いまってSimphonio VR1のような青色を使っているイヤホンと合わせると非常に色味のバランスが良いですね。また、3機種とも柔らかく取り回しは良いのですが、Seraphinaは3機種の中で一番柔らかいので取り回しの良さは最も良いです。
取り回しだけでなく、音的にも使い勝手の良いケーブルで、特にAlidaの伸びやかな抜けの良い高音域は非常に魅力的
ぶっちゃけて言ってしまえば非常に地味な見た目で、なかなか高級感も感じにくいケーブルなので手を出しにくい製品だとは思います。ですが、この主張の少ないデザインのおかけで通勤等のケースでも非常に使いやすいですし、取り回しも良く、数日使ってみると「あれ、このケーブルかなり良いな」とじわじわと良さが分かってくるタイプのケーブルだと思います。見た目は地味ではありますが、内部の線材構成はかなり拘っていますし、音も個人的にはAlidaの抜けの良い伸びやかな高音域の鳴り方が非常に印象的で、使えば使うほど愛着が湧いてくるタイプのケーブルだと思います。こういうゴテゴテしていない地味なデザインでありながら、音は一級品みたいなケーブルって意外と選択肢が少ないと思いますので、Vortex Cablesの製品もぜひ検討してみてほしいなと思います。
どれも良かったです。良かったですけど、何度も言いますが、私はLavinia推しです(笑)