
HIFIMAN Svanar Wireless jrという現在21,560円で販売されているTWSイヤホンのレビューです。
販売サイトはこちら Svanar Wirelessのレビューはこちら
今回はHIFIMAN JAPANからの直接のレビュー依頼なのですが、過去にレビューしたSvanar Wirelessがあって、それとは別にLDAC機能が省かれたSvanar Wireless LEがあって、今回のSvanar Wireless jrという最廉価グレードがあって、このシリーズあまりに違いがわかりにくすぎるので、細かい違いは次の画像を見てください。

ようは今回のSvanar Wireless jrはR2RのDACアンプモジュールが非搭載になったけど、LDACには対応している最廉価グレードという感じです。
良い点
・音は価格を考慮したらかなり良い。Svanar Wirelessに迫る音とは言わないが、方向性は似ておりしっかりHIFIMANらしいアタック感の強めな楽しい音が鳴る。
・LDACにちゃんと対応している。正直前のLDACを省いたSvanar Wireless LEはLDAC非対応以外はSvanar Wirelessとほぼ同じ音なので、音は良かったが価格差も少なく何故出したのか意味がわからなかった。
・ノイキャンの効きはSvanar Wirelessとほぼ変わらないと思われる(ただ、そもそもSvanar Wirelessもノイキャンの効きは良くない)
悪い点
・Svanar Wirelessと比べると全体的に少しナローな音になり解像度の面では一聴してわかるほど劣る(定価の価格差3分の1以下の製品なので当然といえばそうだが)

音質評価 90点
・非常のアタック感の強い重みのある音で、良い意味で最近のTWSにはあまり無い音で聴いていて楽しい。
音はなかなか良いです。先に言っておきますが同社の価格が3倍ほどのSvanar Wirelessと比較したら普通に劣ります。全体的に解像度はSvanar Wirelessのほうが高く、音の方向性は似てはいるものの一聴し音質差を感じるくらいの違いがあります。恐らく殆ど大差ないみたいな大げさなレビューが沢山出てきそうな気がするので先に釘を刺しておきます(苦笑)
ですが、音自体は約2万円という価格を考えたらかなり個人的には印象が良く、特に低音域がかなりアタック感のある重みのある音を鳴らしてくれていて、それでいてTWSのハイブリッド系に多い露骨なドンシャリで高音域がシャリつくようなことが無く、ダイナミック1発らしい自然かつ非常に腰の据わった重心の低い重みのある音を鳴らしてくれます。個人的にはもう少し高音域は鮮やかな音のほうが好きなので、そこはSvanar Wirelessに軍配が上がるのですが、今回のjrは低音域寄りの音で音の分離は良く、良い意味で少し古臭い最近のHIFI調とは真逆のアナログライクな音が非常に楽しく、万人ウケする音とは思わないものの楽しく聴ける音だと思います。


2、HIFIMAN Svanar Wireless、Svanar Wireless LE、Svanar Wireless jrの比較
丁度手元に3機種があるので比較試聴をしてみようと思います。ただ先に言っておきますがSvanar WirelessとSvanar Wireless LEは音はほぼ同じで同じコーデック同士で聴いたときは個体差レベルの音しか感じなかったので、基本的にはSvanar WirelessとSvanar Wireless jrの比較となります。

Svanar Wireless 参考価格77,360円 販売サイト
今品切れが多かったので定価に近い金額を参考価格として載せていますが、6万円切るくらいで買えることが多いと思います。音としては流石に価格差があるだけあって、それなりの差は感じます。jrと比べて一番わかりやすい差は全体的な解像度の高さと、高音域の抜けや鮮やかさが上回っているところです。jrが少しナロー調な音なのに対し、こちらは良い意味で少しHIFI調の明るい音になっています。それでいてHIFIMANらしい低音域のアタック感の強い力感のある音を兼ね備えているので聴いていて非常に楽しい唯一無二な音を鳴らしてくれる製品です。価格は非常に高いけどそれだけの価値はありますね。

Svanar Wireless LE 参考価格 46,190円 販売サイト
この機種だけLDACに対応していないのでAACでの音になります。基本的にはSvanar Wirelessと音は同じです。Svanar WirelessをAACで鳴らして比較したところ個体差レベルの音の違いしか感じませんでした。なので今回はどちらかといえばLDACとAACの音の違いのところになるのですが、全体的に少し音の情報量が落ちる印象でSvanar Wirelessで感じられた高音域の透き通った感じが少し劣る感じですかね。ですが正直ブラインドテストで当てるのは自信無いレベルの違いです。LDACに対応していないiphoneで使われたい人にはSvanar Wirelessより良い選択肢になると思いますが、、、価格差が微妙すぎて何故出した?と思ったのも本音だったりします。

Svanar Wireless jr 参考価格 21,560円 販売サイト
3機種の中で一番低音域寄りの音を鳴らします。ドライバの出音自体はかなり似ていると思うのですが、上記2機種と比較すると少し高音域に曇りを感じ全体的な音の明瞭さという面では劣ります。ですが、この少しナローな音がこれはこれで楽しく、上記2機種より低音域の重みを感じやすいこともあり聴いていて楽しいです。少し古い音源を聴くとより味のある音が鳴ってくれ、オールドロックなんかを鳴らすと非常に聴いていて楽しいですね。価格差なりに音の差もありますが、これはこれで別の楽しみ方が出来る方向性の音だと思います。何より値段差がこれだけあって音質比較をして感想を書けるレベルというだけで十分このイヤホンの魅力は伝わるでしょう。


おススメ度 90点
3、非常の味のある力感のハッキリとした音でとても楽しく聴けるのが好印象。住み分けの非常にわかりにくい製品ではあるがHIFIMANの入門TWSとしては十分すぎるほどの魅力が感じられる製品。
音はかなり良いと思います。そりゃ単純比較すれば価格差が3倍以上あるSvanar Wirelessには劣りますが、全体的に少しナローな感じの鳴り方のおかげで良い意味で最近のイヤホンらしからぬ雰囲気を持った鳴り方をしてくれるので、オールドロックとかを鳴らすとHIFIMNANらしい低音域のアタック感のある音と、少し暗めな音調が相まって非常に楽しいです。正直万人ウケする音では無いと思うのですが、良い意味で最近のTWSにはあまり無い方向性の良い音ですので、非常に聴いていて楽しめる製品かなと思います。
2万円近辺でロックを楽しく聴けるイヤホンを探している人におススメしたいイヤホンです。ただ最後にHIFIMANに一言「どれがどれかわかりにくいから、もっとわかりやすい商品展開してくれ!」とは言わせてくださいw