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ダルマオーディオのT-5000という19,800円で販売されている1D構成イヤホンのレビューです。一応製品版と同じという話なのですが、一応試作機段階の製品でのレビューとなります(量産機と比較試聴をしても特に音の変化は無いのを確認済です)
まぁ、最初に言っときますけど、私はダルオーディオさんとはある程度懇意にさせてもらっているので、あまりフラットな目でのレビューでは無いと思ってもらっていいです。「社外アドバイザーとかいう奴、これ本気?」って苦情を送ったことから縁が出来ているので皮肉なものです(笑
まぁ、そういう背景はありますが「可能な限り」フラットな目でレビューをしていきたいと思います。

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注目ポイント
・フェースプレートには白をベースに、薄く上品な青みを帯びたオーロラ模様を採用し、そこに銀色のVCロゴを配置し、透明なUVレジンで仕上げております。
→フェイスプレートは非常に綺麗です。正直同社のイーサリアルとかセレスティアルとかよりもフェイスプレートのデザインは断然良いと思います。
・単刀直入に派手な「ドンシャリ音」となっております。
→メーカー側で「ドンシャリだよ!」って言ってるのはかなり珍しいですね。ドンシャリって悪いことのように言われがちですが、私はロックとか聴くにはある程度ドンシャリなほうが良いと思っているほうなので、こういうの書いちゃうのはアリだと思います(私の入れ知恵とかではないですw)

良い点
・音は非常に良い。ドンシャリ傾向の荒々しさのある音ではあるが、やりすぎていない上手くまとめられた音。
・良い意味で「一聴してすぐに良さがわかる、わかりやすく良い音」
・音の輪郭が少し強調気味に再生されるのが好みは分かれると思うが、スピード感のある音で個人的にはかなりアリ。
・低音域の質感が非常に良い。硬質でスピード感がありつつ深みのある重低音までしっかりゴリっと鳴らしてくれる。
・過去にレビューで褒めたKinera Celest PhoenixCallが「ドンシャリを開き直った音」だとしたら、このT-5000は「楽しく聴ける音を突き詰めた理性的なドンシャリ」みたいな感じ(圧倒的語彙力不足)
悪い点
・全体的に派手なドンシャリ傾向なので、落ち着いた音や自然な音を重視するなら向かない
・高音域にピーキーさがあり刺さりを気にする人には合わない
DSC_0000_BURST20230915230147396_COVERダルマオーディオ T-5000
音質評価 97点
1、荒々しいノリの良い音で、良い意味で一聴して良さがわかりやすいドンシャリ傾向の楽しい音。スピード感のあるゴリっと鳴る低音域と、明瞭で明るい高音域がとても好印象。

先に言っときます。今までのダルマオーディオのイヤホンの音造りとはかなり違った派手な音です。ダルマオーディオはどちらかといえば、セレスティアルのような落ち着いた伸びやかな音を鳴らす、良い意味で上品な音を鳴らすイヤホンが多い印象でしたが、今回はかなり遊び心のある音になっています。音の傾向は軽く低音域寄りのドンシャリの、かなり元気な派手音で音楽を聴きながら自然とリズムを体で取ってしまうようなノリの良い音です。こういうドンシャリ傾向のイヤホンは音の輪郭は強調しているものの、強調しているだけでドライバの性能は大したことが無いから「元気な音の割に実際スピード感のある音を鳴らすと音の分離が追い付かない」なんて製品も結構あるのですが、このイヤホンはしっかりとスピード感のあるキレッキレの低音域を鳴らしながらも、かなり分離性能がよくテクニカルデスメタル等の音源でもしっかり音数を追えるのが非常にポイントが高いですね。過去にレビューで褒めたKinera Celest PhoenixCallが「ドンシャリを開き直った音」だとしたら、このT-5000は「楽しく聴ける音を突き詰めた理性的なドンシャリ」みたいなのが、私の中でこのイヤホンをわかりやすく表現した言葉になるかなと思います。
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音のバランス
高音域 □□□□
中音域 □□□
低音域 □□□□■
2、ドンシャリの元気な音で、疾走感のある輪郭のクッキリとした音が非常に楽しい。低音域の量感がしっかりと多めにありつつも、全然ゴチャゴチャしない分離性能の良さがあるので、スピード感のある音源が本当に楽しい。

音の傾向は低音域寄りのドンシャリ傾向。音場は広くも狭くもなく。
高音域は非常に明瞭で煌びやかな音を鳴らしますが、少しピーキーさのある音で刺さりもそこそこあります。音の抜けが良く、かなり明瞭な煌びやかな音でドラムのハイハットの音を鳴らしてくれ、それも音の分離が良いのでこれだけ低音域が勢いのあるゴリゴリの音を出しながらも、煌びやかなな高音域の金属音に明瞭さ、彩度の高さが全然損なわれていないのがかなりポイントが高いです。ただし、ピーキーさはそこそこあり、それなりに刺さりのある音も強調されるので、そこは好みが分かれるかなと。
中音域は音像のクッキリとした分離が良く、それでいて誇張感が無い良い意味で普通の音を鳴らします。この帯域でも音の抜けの良さが生きており、音の量感は相対的に少な目ではあるもののしっかりと聴きごたえのあるボーカルのロングトーンの余韻等、聴きどころのところはちゃんと再現してくれるのが良いですね。まぁでも、正直ボーカルを中心に聞くなら他にもっと良い選択肢もあるとは思います(十分質感は良いですけど)
低音域は非常に楽しいスピード感のある元気な音を鳴らします。もう一聴してニヤッとしてしまいそうなキレの良いスピード感のある音です。ある程度音の輪郭に強調感はありますが、ゴリっと重たい低音域を出しながら、これだけスピードのある分離の良いキレキレな音を出してくれるのはメタル聴きとしては最高ですね。
相性の良い音源は、ロック、プログレ、ハードロック、パワーメタル、EDM、元気なアニソン等。基本的に元気な少し荒々しさのあるところが楽しい音なので、少しアップテンポなスピード感のある音源や、低音域の重みを求める音源と相性が良いです。
相性の悪い音源は、バラード、ジャズ、声楽系等、極端に違和感のある音で鳴るとかはなく十分楽しめるとは思いますが、このイヤホンはノリの良い元気な音の鳴る音源で聴いたほうが楽しいと思います。
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おススメ度 98点
3、楽しく聴ける音を突き詰めた感じの音造りで、良い意味で思い切りの良い音がとても好印象。

音は個人的にはかなり印象が良かったです。最近の2万以下クラスのイヤホンは、音のクセを減らしたナチュラルな音を求めているような製品が多く、勿論それはそれで良い音だとは思ういます。でも正直イヤホンで音楽を聴くのって外出先、通勤通学の電車内という人が多いので、落ち着いた音より少し派手なこういう「ノレる音」のイヤホンのほうが聴いていて楽しめるという人はかなり多いと思います。少なくとも最近の2万円近辺のイヤホンで、ノリが良く楽しく聴ける音としてはトップクラスに満足度の高い音だと思いますね。こういうロックをより楽しく聴けるイヤホンって、もっと各社が出していいと思うんですけどね。みんな「オーディオ好きなのにドンシャリなんて」みたいに、変にドンシャリを敬遠してません?私はオーディオマニア、イヤホンオタクだけど、こういう楽しく聴ける音を突き詰めた感じのドンシャリは大好きですし、ロック、メタルを聴くならこういう音が最高だからw