
Fiio BTR7という現在219ドル、日本では34,100円にて販売されているBluetoothレシーバー兼USB DACのレビューです。今回は私が付き合いがあるHIFIGOで直輸入して購入したため、そちらのリンクを貼っています。現状は輸入だと4~5千円安く買えるのかな?ただBluetoothも積んでいる製品ですので、直輸入は自己責任でお願いします。色々理解があって少し安く買いたい人にはHIFIGOからの輸入をおススメしますが、それ以外は国内版をどうぞ。
HIFIGO販売サイトはこちら

注目ポイント
・DACチップにES9219Cをデュアルで採用
→DACチップの構成はBTR5と同じです。
・アンプ部にTHX AAA-28をデュアルで採用
→FiiO Q3で採用されているものですね。ちなみに同社のFiio Q5S AM3DはTHX AAAのTHX AAA-78を採用しています。
良い点
・音は非常に良い。少し派手な明るめの音で少し曇り気味なイヤホンでさえも綺麗な鮮明な音で鳴らす。
・全体的に非常に解像度が高くスッキリとした音。高音域の鮮明さは同価格帯のBluetoothレシーバーの中で1つ頭抜けている。
・駆動力はなかなかに高い。中サイズのヘッドホンくらいまでは結構イケル
・USB DACとしての音は勿論良いが、BluetoothのLDAC接続でも十分すぎるほど良い音
悪い点
・音はそれなりに演出感があり自然な音とは思わない。(傾向はFiio Q5S AM3Dに似てる)


1、音は素晴らしい。Fiio Q5S AM3Dに少し似た派手な傾向で自然な音だとは思わないが、とても明瞭でスッキリとした明るい音を鳴らしてくれる。駆動力が高いのも相まって、少し曇り気味な音のイヤホンですら曇りがかなり解消させれて鳴る。
音は非常に良いですが結構クセのある鳴り方だと思います。簡単に言うとFiio Q5S AM3Dでも感じたのですが、全体的に良くも悪くも解像度の高さが少し人工的な感じがありBeyerdynamicのXlento Remoteみたいな少し暗めの音が鳴るイヤホンも明るめに再生する傾向があります。良くも悪くもChordのmojoが「良い音なんだけどmojoの音だよね」と言われガチなのと同じで、結構BTR7の味は結構強く乗る印象があり、ここが好みがわかれそうです。
音の傾向としては明るくハッキリとした音で非常に高音域が鮮明で、かつ全体的にノイズ感の無いSN比の高い背景の黒い静寂さを感じられる音になっています。傾向としてはQ5S AM3Dのように明るい少し荒っぽさのある音ではあるのですが、AM3Dよりは音の荒っぽさが抑えられて良い意味で「元気な鳴り方」くらいの良い塩梅で抑えられている印象です。中音域は特に誇張の無い自然な音を鳴らしますし、低音域も駆動力のが高く分離の良い音で、そこそこの大きさのヘッドホンでも十分駆動できるくらいのパワーがあるのが非常に魅力的です。


2、USB接続でより良い音を体験できるがBluetooth接続でも十分すぎるほど良い音で楽しめる。小型ながらにヘッドホンも極端に鳴らしにくいものでなければ十分良い音で再生できる。
私は基本的にBluetoothにて使用しているのですが、USBの接続だと1ランク上の音を楽しめます。と言っても正直よーく聴かないとわからないレベルなのですが、USB接続だとBluetoothのLDAC接続の比べ少し情報量が増す印象があり、特に高音域が寄り伸びやかでヌケの良い音になる印象があります。
これだけ小型の製品ではありますが、駆動力は非常に高い印象で、平面駆動等の極端に鳴らしにくいヘッドホン以外はそこそこのサイズのヘッドホンでも楽しく聴けるレベルまで駆動してくれる印象です。試しに手持ちのUltrasone Signature proを繋げてみたところ、このヘッドホンは駆動力の低い環境で聴くと結構露骨に高音域の煌びやかさが落ちるのでわかりやすいのですが、全く問題なく煌びやかな綺麗な高音域を鳴らしますし、低音域もしっかりと制動の取れた分離の良い音を鳴らしてくれるのが非常にポイントが高いです。

3、Shanling UP5との音質比較。
単体の音だけ語っても何が何やらと思いますので、同価格帯で人気のあるShanling UP5と音の比較をしたいと思います。試聴環境はどちらもBLuetooth LDAC接続で、symphonium audio heliosにEstron Super baxを繋いだもので聴いて比較します。
Fiio BTR7 参考価格 34,100円
Shanling UP5と比べると明らかに高音域の鮮明さが上で、キラキラとしたドラムのシンバル音等がとても鮮やかにハッキリと鳴るが、正直音の自然さはUP5のほうが上な印象。全体的にUP5より音が引き締まっており、音の解像度は明らかに高く全体的にハキハキとした音になっている。特に低音域のスピード感は明らかにBTR7のほうが高く、情報量の多い音を高い分離性能の高さで、非常にハッキリとした音で再生してくれる。
Shanling UP5 参考価格 21,560円
BTR7と比べると明らかに高音域の鮮明さが落ちるが、その代わり高音域の耳につく印象も全然なくなる。正直音の自然さはこちらのほうが上に感じられる。全体的に音の分離の良さは劣る印象でBTR7と比べると少し音の焦点がハッキリしない印象があるが、BTR7が少しハッキリしすぎな点も正直ある。ハキハキとした力感のある音源はBTR7のほうが正直2枚くらい上手な印象があるが、ゆったりとした音源を自然な音で聴きたいのであればUP5のほうが良い場面も多くありそう。


おススメ度 90点
4、そこそこクセのある鳴り方ではあるものの非常にレベルの高い元気な明るい音が好印象。メタルやハードロック等をメインで聴くなら間違いなく買いな製品。
総評としては、普段使いで楽しく使いたいのはFiio BTR7、音の基準の1つとしてレビューで使いたいのはShanling UP5という印象でした。Fiioはメチャクチャ良い音なんですが、正直暗めに鳴るイヤホンでも明るめに鳴らしてしまうくらい「機材の音」という味が強めに出る印象があるので、あんまり音の基準にはしにくいのが本音です。ですが、この明るく非常に解像度の高い音はメロディックデスメタル等の音源では非常に楽しく聴けますし、この大きさでヘッドホンでも十分すぎるほどの駆動力の高さで鳴らしてくれるのは非常にポイントが高く、何より219ドルで買えるBluetoothレシーバー、USB DACとしては間違いなくトップクラスの音を鳴らしてくれる製品だと思います。
正直今は下手に同価格帯のDAP買うより、こういうBluetoothレシーバー買ったほうが良いと思います、、、w
伺いたいことがあります。
FiiO Controlアプリで、フィルタや歪み最適化等々を変更/適用すると、btr7の音はどのように変化するのでしょうか?また、ブログ内容にある傾向に変化は生じますか?
アプリによる設定変更を試しておりましたら、参考までに、そのご感想をお聞きしたいです。