Hidizs MD4という現在169ドルで販売される予定の4BA構成イヤホンのレビューです。
今回は本国メーカーから直接の依頼で少し先行で届けてもらった感じです。(当然日本のあそこは通していません)
販売サイトはこちら

注目ポイント
・HidizsによってカスタムデザインされたBAドライバを4基採用
→メーカーに特注したとか、そういうタイプなのかな?とにかくただの既製品ではなくカスタムされたドライバを使っていることがアピールされています。
・3wayクロスオーバーを採用
高音域1BA、中音域1BA、低音域2BAの構成みたいです。一時期「イヤホンはクロスオーバーなしで、全部フルレンジでもいいんだ!」って主張するメーカーもありましたが、個人的にはクロスオーバー(ネットワーク)の無い多BAドライバイヤホンは論外ですw
・スイッチで音を変更することができ、4種類の音を楽しめる。
→こういう音を変更できるスイッチが付いたイヤホン、最近むしろ減っている印象なので逆に珍しいかも。
良い点
・音は落ち着いた聴きやすい音で悪くない。
・中、低域に適度な厚みがあるおかげで、音場が広く自然で深みのある音が出る。
・200ドル以下のイヤホンでBAがカスタマイズ品を使っているのは嬉しい。
・筐体が非常にしっかりた金属筐体で出来ていて高級感がある(個人的にレジン固めたシェルは苦手)
悪い点
・あくまで個人的な印象だがトレブルモード、バランスモードが不自然な音で、ウォームモードが出音を聴いても、書いてある周波数特性を見ても一番自然に見えて何だか煮え切らなさがある
音質評価は一番印象が良かった「ウォームモード」を基本として書きます。個人的にはウォームモードなんて基本絶対使わないような設定なのですが、このイヤホンはこれが一番印象が良いので仕方ない、、、w


音質評価 80点
1、非常に落ち着いた聴きやすい音で、中、低域のゆったりとした厚みのある音が聴いていて楽しいイヤホン。個人的にはもう少し分離のハッキリした音のほうが好きではあるが、こういう落ち着いた音も悪くない。
音は非常に落ち着いたゆったりとした音でなかなか悪くありません。全体的にゆったりとした深みのある中低音域が印象的なイヤホンで、高音域の主張は控えめなもののそのおかげで聴き疲れしにくく聴きやすい音になっていますし、何より中低域の厚みがありつつ、音場が広く広がりのある音のおかげで、ボーカルやウッドベースのような膨らむ音の表現力がとても高く、聴いていてウットリするような魅力があります。
ただ、このイヤホンは「トレブル」「バランス」「ウォーム」「バス」の4種類の音がスイッチで変更できるようになっているのですが、トレブルと、バランスモードが、中、低域と高音域の間が変に分かれてしまって一体感の無い違和感のある音になってしまう印象があり、一番ウォームモードの音が良く感じたので、その音を基本として書きます。このイヤホンを試聴するときはバランスモード等で音が悪く感じても、是非ウォームモードも試してほしいところ、、、w


音のバランス (ウォームモード)
高音域 □□□
中音域 □□□■
低音域 □□□□■
2、高音域は曇りこそしないが主張はかなり控えめの刺さりの無いノビのある音を鳴らす。中音域は厚みのある音で余韻の美しさまで再現するリアリティのある音を鳴らす。低音域はゆったりと広がりのある深みのある音で、スピード感こそ無いがウッドベース等の深みがある広がる音の表現力が高い。
音のバランスは低音域寄り。音場は少し広め。
高音域はかなり控えめで刺さりの無い音を抜けが良いのびやかな音で鳴らします。曇りこそしないものの、正直個人的にはもっと明瞭で煌びやかな音が鳴るイヤホンのほうが好みではあるのですが、こういう刺激が少なく聴きやすい音も悪くないのかなと。主張こそ少ないものの高音域の質感自体は抜けが良く綺麗な音を出しているので、音の控えめさの割には聴ける高音域になっています。
中音域は厚みのある音で、良い意味で少し広がりが付加された聴きごたえのある、少し味付けのある音を鳴らします。中音域は少し音像が大き目で、厚みのある音を鳴ってくれるので、ボーカルが主体となるミドルテンポの音源等では、ボーカルラインの質の高さが聴いていて楽しいと思います。少し音の聴きどころを強調気味に再生される印象があるものの、これはこれで楽しく聴けるかなと思います。
低音域はゆったりとした厚みのある音で、ウッドベース等の広がりのある深みのある音を非常に質感の高い音で鳴らしてくれます。ハッキリ言ってあまりスピード感のある音ではないのでメタル音源にはあまり相性が良くないです。ですが、低音域の質感自体は高く音の分離も悪くないので、ゆったりとしたジャズ音源や、ミドルテンポのPOPS等で聴きやすく味のある低音域の響かせ方をしてくれるので、非常に聴いていて楽しさがあります。


おススメ度 79点
3、ゆったりとした中低域が味のある音を鳴らす、非常に聴きやすいバランスでチューニングされたスルメホン。正直ロック、メタル等の音源とは相性が悪いため低めの点数になっているが、音源にによっては非常に楽しく聴けるイヤホンだと思う。
かなり煮え切らない表現が多くなってしまった印象があるのですが、音は別に悪くないです。ただ、私がいつも好んで使っているイヤホンとは基本的に真逆の方向性で質の良い音を鳴らしてくるので、私としても評価の難しいイヤホンでした。正直、メタルやハードロックを聴くのであればこのイヤホンはおススメしません。ですが、中、低域の深みのある音はなかなか魅力的なので、ゆったりと聴き疲れのしないイヤホンを探している人。それでいて音が曇るのはイヤという人にはおススメできるイヤホンではないかなと思います。
コメント
コメント一覧 (6)
DAPでもあることはあるかなと思います。比較的音を硬質にハッキリと鳴らすイヤホンは広がりのある音も少し硬質に鳴らす影響から音場が狭めに感じられたりしやすくなりがちです。
ただ、音場に関しては基本的にはイヤホン依存でイヤホンの本来の音場が広くないとDAP側で無理やり音場を広くとかはし難く「広めの音場表現をできるイヤホンで、それを十分に発揮するためのDAP」っていう解釈でいいのかなーと思っています。
とても勉強になりました。
こちらの商品も音場広めとの評価でありますが、予算5万円代までで、音場広いカナル型イヤホンでオススメあるでしょうか?ちょっと無理な注文になってしまいますが、ポップ~ハードロックまでそつなく聴けるもの(十分なもの)で探しています。個人的にはヤンネさんの評価をみた限り、ダルマさんのEtherealかな~と思ってます。
お忙しいところ大変申し訳ないです。
手の空いた時で構いませんので、ご回答頂ければと思ってます。(*^^*ゞ
セレスティアルの発売を待ってみようかと思います!
ブログの方大変ですが頑張ってください。
更新を楽しみにしています。