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Symphonium audio Tritonという現在899ドルで販売されている2BA1D構成のハイブリッドイヤホンのレビューです。

メーカーサイトはこちら 
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注目ポイント
・TRITONには、Altalune Audio 社製の「26AWG 銀メッキOCC銅 ケーブ ル」が付属しています。最高のリスニング 体験をモットーに、このケーブルは製作 に使用する半田にまで拘って設計されて います。
→恐らく同じ物と思われるケーブルが119ドルで販売されていましたし、かなり良いケーブルを使っていることは間違いないようです。ちなみに2pinプラグ部が長すぎるので、今後プラグ部が短く変更されるかもとのこと。
・ダイナミックドライバは既製品ではなく、Symphonium audioのオリジナルドライバを採用している。
→後から教えてもらったのですが、ダイナミックドライバはオリジナルのものを使用しているそうです。正直ハイブリッドのダイナミックドライバは既製品の他社製を使う製品が多いので、なかなかの気合の入り具合ですね。
・ネットワーク回路にPanasonic社とVishay社の高品質な電子部品を採用しています。更に優れたチャンネルマッチングを達成するために、各部品は手作業で選別されています。
→ネットワーク回路の部品について記載があるものは珍しいですね。謎のメーカーの部品じゃなく信頼のおけるメーカー製の部品を使っているのは安心感があります。

良い点
・音質は非常に優秀。とてもスッキリとしてクセの少ない音で、どんな音源でも自然な味付けの少ない音で鳴らしてくれるのが好印象。
・非常にバランスの良いイヤホンで、帯域レンジが広く、それでいて一部帯域の主張が変に強いということも無い、とても自然で聴きやすいバランス。
・筐体デザインが非常にカッコいい。飾りっけの無い無骨なデザインが最近のゴテゴテしがちなイヤホンのデザインとは真逆を行っていて個人的にかなり好み。
悪い点
・筐体が少し大きくステム部が長いので耳に合わない人も居るかも(個人的には全く問題なし)
unnamed (12)Symphonium Tritom
音質評価 95点
1、非常に良い意味でリスニングライクな楽しい音を、自然な帯域バランスを崩さずに聴かせてくれるイヤホン。

同社のHeliosが「高い情報量を、高い分離性能で鳴らしてくれる純粋な高精細音」でモニターライクな印象のある鳴り方でしたが、こちらのTritonはHeliosより少しだけ低音域が強めになるものの音の帯域バランスの自然さは大きく損ねず「適度に楽しく、ノリが良く聴ける音のバランス」になっているリスニングライクなチューニングかなと思います。
Heliosのような情報量が多い、非常に高精細な音っていう感じではなく、情報量は少しHeliosより少なくなっているものの、そのおかげでHeliosよりスッキリとした音の抜け感は高くなっており、スピード感のあるスラッシュメタル等はこちらのTritonのほうがスピード感があり、ノリの良い音で鳴らしてくれます。基本筋の「帯域バランスの自然な音」という根本のところは共通でありながら、よりノリよく聴ける音になっていて、良い意味でHeliosとは上位、下位といった関係ではなく、別の方向の魅力を持ったイヤホンという印象です。
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音のバランス
高音域 □□□□
中音域 □□□■
低音域 □□□□□
2、高音域はハッキリとした音でありながらノビのある聴きやすい音。中音域は癖の少なく抜けの良い音。低音域は分離の良い音引き締まった音を淡々と鳴らしてくれる。
音のバランスは少し低音域が強め。音場は少し広めか。
高音域は非常に明るく伸びやかな音を鳴らします。Heliosより主張は少な目でありながら、抜けの良さはこちらのほうが上な印象があり、明るい音でありながら少し落ち着いた聴きやすい音になっている印象です。
中音域は癖の少ないスッキリとした音を鳴らします。Heliosは少し密度感のある情報量の多い音でしたが、こちらはもう少しスッキリとした音で、正直Heliosほど深みのある音はあまり鳴らないものの、良い意味で淡々と聴きやすい音を鳴らしてくれる印象です。イメージとしてバラードやPOPSを聴くならHeliosの少し密度感のある聴きごたえがあるボーカルラインが欲しくなるものの、スラッシュメタル等のスピード感のある音源はTritonのようにクセの少ない音を淡々と鳴らしてくれるほうが相性が良い印象です。
低音域は力感がありつつ過剰にならない、分離が良い音を鳴らします。低音域の質感はHeliosより多めに設定されている印象で、EDM等の重低音の重みのある音源では、ダイナミックらしいガツンと重みのある音が非常に楽しく鳴ってくれます。それでいて、低音域が変に分かれて鳴っているような目立ち方をせず、違和感のない自然な帯域バランスで鳴ってくれることが好印象ですね。
相性の良い音源は、スラッシュメタル、ハードロック、ゲームミュージック等。Heliosより低音域の重みが強めに設定されていることから、電子音系やスピード感のある音源と相性が良い気がします。
相性の悪い音源は、EDM、ドゥームメタル等。十分楽しく聴けるものの、こういう音源はもっと低音域が少し強調されるくらいのバランスのイヤホンのほうが合うと思います。
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おススメ度 95点
3、Heliosよりリスニングライクに振りつつも、自然な音という基本筋は崩さない非常に上手いチューニングがされたイヤホン。上位、下位という選び方ではなく「よりノリ良く聴きたいならTriton、より高精細な音が聴きたいならHelios」みたいな選び方をすると良いかもしれない。

音は非常に良いです。正直Heliosも非常に良いのですが、こちらのほうがリスニングライクで楽しく聴けるバランスになっているので、こちらほうが好きという人も少なくない印象があります。Heliosと同じく自然で聴きやすい帯域バランスという基本筋は崩さず、少しリスニングライクで楽しく聴きやすい音に振ってあるところが本当に絶妙だと思いますね。正直こういう試聴がしにくいタイプの製品は「どちらも良いから悩んでね!」みたいな言い方より「どちらも良いけど、私はよりこちらをおススメするよ!」みたいな勧め方をしたほうが食指の伸びる人が多いと思うのですが、困ったことに個人的には本当にどちらも絶妙に方向が違って甲乙つけ難い印象です。個人的には上位、下位という選び方ではなく「よりノリ良く聴きたいならTriton、より高精細な音が聴きたいならHelios」みたいな選び方をすると良いんじゃないかなと思います。
自然な帯域バランスのリスニングライクなイヤホンが欲しい人、1,000ドル以下で可能な限り良い音のイヤホンが欲しい人におススメしたい名機です。