
SeeAudio X Crinacle Yume Midnightという現在23,233円で販売されている、1D2BA構成のハイブリッドイヤホンのレビューです。SeeAudioとCrinacleという有名レビュアーさんがコラボした製品になります。予め言っておきますか、私は個人的にはCrinacle氏は正直考えが合わないというか、ポリシーとして色々合わないところが多くて正直あまり好きなレビュアーさんではありません(苦笑)でも、別にそんなに嫌っているわけでも無いので、なるべくフラットな気持ちでレビューできたらなと思っています。
Amazon販売サイトはこちら HIFIGO販売サイトはこちら
注目ポイント
・ハーマンターゲットカーブに基づいて、ドライブの特性をターゲットカーブと全体的な滑らかさに合わせて微調整します。
→Crinacle氏は大体このハーマンターゲットカーブを意識してチューニングされています。
・低周波は最新技術の9.2mm「リキッドシリコン」ダイヤフラムを使用
ダイナミックドライバにシリコンを使っているようで、結構珍しいんじゃないかなと思います。
良い点
・音はなかなか良い。スッキリとした見通しの良い音で、それでいて高音域の刺激が過剰でなく非常に聴きやすく、少し分析的な音になっている。
・ノーマルのYumeはもう少し中低域が強めの柔らかい音という印象だったが、こちらはかなり分離性能が良くカチっとした音を鳴らす。
・ハーマンターゲットカーブのクセの少ない音のバランスに堪えうるだけのドライバの質の高さを感じられる(KZのコラボイヤホンは音の粗ばっかり目立った)
悪い点
・ノーマルYumeと比較してかなりハッキリとした音で真逆に近い音の方向性なので、ノーマルが好きな人には多分合わない
・良くも悪くも分離性能を高めた影響で音の一体感は少し減った印象。この音はダイナミックから出てるなーとかある程度わかる、良くも悪くもハイブリッドらしい音。


音質評価 91点
1、非常にハッキリとした明瞭で見通しの良い音が好印象。少し派手な傾向の音ではあるが、高音域はそこまで強調されず自然な音のバランスを保っている。
音はかなり良いと思います。正直ノーマルのYumeより個人的には1ランク上の音に感じます。音の傾向は高音域の明瞭さが際立つものの比較的フラットな音という印象です。全体的に分離が良くカチッとハッキリとした引き締まった音を鳴らす印象で、音の細部まで非常に良く見通せる音という印象です。分離の良い音であるものの、全体的に少しハッキリとした音の輪郭が強調されるタイプの音なので、ロック等の音源ではバスドラムの音が非常に力感とスピード感のある音で再生されるため、フラットな傾向な音だからと言って、淡々とした音を鳴らす感じではなくノリの良い音を鳴らしてくれます。この塩梅が絶妙で、ノリの良いハッキリとした音でありつつ、やりすぎず自然な音を崩さない丁度いい塩梅のバランスになっていると思います。正直KZのコラボイヤホンを聴いたとき、この人のコラボ製品はダメなんじゃと思ったのですが、今回のコラボ製品は個人的にはかなりアタリな印象です。


音のバランス
高音域 □□□■
中音域 □□□■
低音域 □□□□
2、音のバランスは比較的フラット、厳密には若干低音が強め。
音のバランスは比較的フラットですが、厳密には少し低音が強めかなという印象です。音場は若干広めな印象。
高音域は非常に明瞭でハッキリとした見通しの良い音を鳴らします。それなりにドラムシンバルのような刺さりやすい帯域もハッキリと鳴らすので、ここは好みが分かれると思いますが、個人的には明るい音でありつつ刺さり過ぎない嫌味の無い音という印象で好感を持てます。音の伸びやかさも十分で生楽器の弦楽器等の高音域も綺麗に余韻の美しさまで再現してくれる基礎性能の高さを感じられます。
中音域は特に少し広がりがあり、ノーマルYumeで感じられた伸びやかで温かみのある音を鳴らします。全体的にサッパリとした音でありつつも、中音域が適度に広がりのある厚みのある音を鳴らしてくれるので、ボーカル帯域もしっかりと聴き応えのある音になっていると思いますが、低音が強めの音源だとダイナミックドライバが頑張りすぎるのか、その中音域の質の良さが少し感じにくい場面もある印象です。(厳密に言えばですが)
低音域はかなりハッキリとした分離の良いスピード感のある音を鳴らします。低音域は良くも悪くもハイブリッドらしい音で、正直他の帯域とあまり一体感は無く、単体で「あーダイナミックから低音が出てるな」と分かるタイプの音を鳴らします。個人的にこういうドライバごとに音が出ているのがわかってしまうタイプの音は嫌いでは無いのであまり減点対象にはならないのですが、音の一体感を重視する人には向かないかもしれません。その代わりといっては何ですが、非常に分離がよく、それでいて力感のある、低音域を鳴らしてくれるので、見通しの良いサッパリとした音でありながら楽しく聴ける音となっています。この低音域の力感がこのイヤホンのサッパリとした傾向の中で適度な良いスパイスとして機能している印象で、非常に聴いていて楽しい音です。


おススメ度 92点
3、スッキリとした明瞭でハッキリとした音のイヤホンが欲しい人におススメできる製品。ただこういうイヤホンは他に選択肢も多くあるので、これが特別優れているかと言われると首を傾げるとこも少しあり。
全体的にスッキリとしたハッキリとした音で、それでいて低音域の力感のある音がスパイスとして生きている非常に楽しく聴ける絶妙なバランスのイヤホンで個人的には結構気に入りました。ただ、非常に良くできたイヤホンだと思う反面、こういう音の傾向だとMoondropのKATO等他にも名機と言えるイヤホンが同価格帯で存在するので、それらと比べて特別優れているかと言われると微妙かなぁという印象もあるイヤホンだったりします。私の印象では、より自然な音を求めるのであればMoondrop KATO、より楽しい少し派手な音を求めるのであればSeeAudio X Crinacle Yume Midnightという印象でした。正直Crinacle氏コラボの製品には懐疑的な印象を持っていましたが、今回の製品で結構印象が変わりました。個人的にはノーマルのYumeよりワンランク上の音質になっている名機だと思います。
スッキリとした音でありながら、力感のある低音域がある、楽しい音を鳴らすイヤホンを探している人におススメしたい実力を持ったイヤホンです。
コメント
コメント一覧 (3)
今回のブログの中で、
「ハーマンターゲットカーブに基づいて、ドライブの特性をターゲットカーブと全体的な滑らかさに合わせて微調整します」
と記載されていますが、
そもそも、本イヤホンの特性をハーマンターゲットカーブに近づけるという作業は何かツールでもあるのでしょうか。
ハーマンターゲットカーブという言葉は知っていますが、イヤホン毎の特性をどのようにして入手するのか、またどのようにしてターゲットカーブに近づけるのか、なにか参考資料もしくはツールのようなものはありますでしょうか。
変な質問をして申し訳ありません。
FinalのMAKEシリーズなんか触っていると結構イメージ湧きやすいと思います。ドライバの背面の音が抜ける部分であったり、イヤホンの音抜け穴であったり、色々な場所を調整して音の傾向を変えていくのかなーと