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Fiio FD7というピュアベリリウムドライバを使ったダイナミック1発構成のイヤホンのレビューです。こちらの製品は国内価格では現在88,000円(EイヤホンWEB)ですが、輸入価格は599ドル~629ドルくらいと大分安く買えます。今回は629ドルと最安では無いのですが、実績が多く安心ということと単純にアフィリエイトで小遣いが欲しいという理由でのHIFIGOのリンクを貼っておきますw
今回は「Trebleノズル」「付属SpinFitイヤーピース」を装着した状態での音を基本としてレビューを書いていきます。

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注目ポイント
・629ドルでありながらピュアベリリウムドライバを採用
→Materion社製のピュアベリリウムドライバを採用しているそうです。kbear believeとかの「出どころはどこ?」っていう謎のピュアベリリウムよりは信頼性は大分あると思いますw Materion社は確かA8000等もここのドライバだったと思います(同じメーカー製というだけで共通の物という話ではないです)
・2.5、3.5、4.4mmのプラグが付属しており交換できる。
→しっかりとプラグカバーを回して固定できるので、こういうプラグ交換式機構の中でも安心感のある造りかなと。
・ノズルが交換式になっており、音の明るさの調整だけでなく細軸のステムも選べる。
→Bass、Treble、Balancedの3種類のノズルから選択が可能で、Balancedは3段フランジを付けるための細軸になっているので、細軸のイヤーピースも一般的なイヤーピースも両方使える仕様になっていています。結構斬新かも。

良い点
・音が抜群に良い。ハッキリ言ってこの音が約600ドルで手に入るのは価格破壊と言っていい。
・とてもタイトでクセがなく、純粋に解像度の高いカッチリとした音。変な硬質さの強調感も無く締まった音が鳴る。
・筐体の造りが良く高級感がある。
・Final A8000ほど「ザ・高解像度!」という極端に音の分離の良さが際立つ音ではないが、そのかわりFD7のほうが窮屈感が無く伸びやかさでは1歩上手。
悪い点
・遮音性はイマイチ
・筐体が大きく装着感はイマイチ

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DSC01172Fiio FD7
音質評価 100点 
1、音質はちょっと笑っちゃうくらい良い。とてもクセの少ないタイトな音でありながら、変に硬質さを強調しない自然な締まった音を鳴らすのが非常に好印象。

音はメチャクチャ良いです。正直「え?これ約600ドルのイヤホン?本当に??」と少し混乱してしまうくらいの音を鳴らしてくれます。音のバランスはほんの少し低音が強めですが、基本はフラットです。一聴してまずわかるのが、音が非常にクリアでありながら、音の輪郭を強調しない非常に自然でタイトな音を鳴らしてくれることです。Final A8000は良い意味でもかなり解像度の高さが際立ち、音の硬質さがそれなりにわかりやすく音に出ていたと思うのですが、こちらのFD7はそもそも「音が硬質」と感じさせない自然さを持った音になっていると思います。正直一長一短であり、個人的にはA8000の圧倒的な分離性能の高さ、少し硬質な音はとても好きだったのですが、こちらのFD7の基礎性能は高くありつつも硬質さを感じさせない自然な音もかなり好感を持てます。
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音のバランス
高音域 □□□□
中音域 □□□□
低音域 □□□□■
2、高音域は非常に明瞭かつ密度のある情報量の多い鮮やかな音。中音域は強調感が無いとても伸びやかで自然な音。低音域はとてもタイトで締まった音でありながら硬質さを感じさせず音の輪郭に強調感が無い正確に感じる音。

音のバランスは若干低音が強めな気がしますが、基本はフラットと考えていいと思います。音場は比較的広めで、伸びやかで窮屈感の無い音場を表現してくれます。
高音域はとても鮮やかな音を鳴らすのですが、音に強調感やキツさの無い、とても伸びやかな音を鳴らします。ピュアベリリウム振動板のイヤホンというのは、この高音域に特徴のある製品が多い印象で、明瞭ではあるものの少し派手で煌びやかさが強調されるタイプの音が多いと思います。しかし、このイヤホンは高音域が非常に明瞭で鮮やかという特徴は同じなのですが、非常に伸びやかな抜けの良い音のおかげで、音にキツさが無く出音の割には聴き疲れはあまりしない音になっています。個人的にはA8000くらい多少キツめになっても鮮やかさを強く出すような音も大好物なのですが、FD7の音のほうが万人ウケする音だろうなと思います。
中音域はクセの少ない、とても伸びやかで自然な音を鳴らします。適度に広がりのある音場のおかげか、全体的に解像度の高い非常に締まったタイトな音を鳴らしているにもかかわらず、ボーカルの表現は窮屈感がなく、適度に広がりと伸びやかさのある、とても聴きやすい音になっています。タイトな音のイヤホンって、ちょっとボーカルが人間味が無いというか、少し機械的な音に感じるようなことも結構あるのですが、このイヤホンのボーカルラインは非常に自然で生々しさがあると思います。
低音域はかなりタイトな締まった音を鳴らします。低音域は結構しっかりとした量感と重みのある音を鳴らすのですが、超速のテクニカルデスメタルでも余裕をもって分離してくれる解像度の高さがあります。音はかなりタイトで締まった音を鳴らしているにも関わらず、音の硬質な味付けを感じさせない、純粋に締まった音に感じるのが結構驚異的かなと思います。この純粋にタイトでありながら、しっかりと重低音の重みまで感じられる低音を鳴らすイヤホンは、価格を抜きにしても他にあまり思いつかないくらいの実力だと思います。
相性の良い音源は、基本的に何でも合うのですが、全体的に締まった音でありながら低音域の力感を感じられる音の方向から、テクニカルデスメタル、デスラッシュ、アップテンポなゲームミュージック等、少しテンポの速い音源を聴くと、このイヤホンの魅力は感じやすいのではないかなと思います。
相性の悪い音源は、正直別に思いつかないのですが、強いていうならゆったりとしたバラード等は少し音がハッキリとし過ぎて音源の雰囲気に合わないかもしれません。
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3、Final A8000に不満が全く無かった人より、むしろ「基本は好きなんだけど、ここはもう少し」と思うポイントがあった人のほうが合うイヤホンに感じる。
このイヤホンはピュアベリリウムということでA8000との比較を気にしている人が多いと思いますので、比較しての音の感想も簡単に書いていきます。まず大前提として私はA8000をトップクラスに素晴らしいイヤホンと思っていますので、その前提で見てください。
まず、全体的な解像度の高さはA8000のほうが上です。A8000は本当にどんな音源でも音の粒が見えるかのような、とんでもない分離が良く音離れの良い音を鳴らします。ただし、A8000はあまり音場は広くないですし、この圧倒的な音の離れの良い音が「ちょっと窮屈」に感じたり「ちょっと硬質過ぎる」と感じる人も結構多く居る印象でした。その点でFD7はA8000ほどの圧倒的な解像感はありませんが、A8000より少しゆったりとした余裕のある音に聞こえます。またA8000は少し金属的な音の響きによる音のキツさがある印象がありましたが、FD7も金属的な音は多少乗るもののA8000ほどでは無く聴きやすい音になっています。
簡単に言うと「分離の良さ、解像度の高さの圧倒的さを求めるならA8000」「基礎性能の高さは欲しいものの、A8000よりもう少し聴きやすい余裕のある音が欲しいならFD7」という形になるのかなと思います。個人的には単純にどちらがより好きな音かと言われたらA8000を選びますが、正直FD7のほうが好きという人も少なくないだろうなと聴いていて思うくらいの実力があります。というか600ドルのイヤホンと約20万のイヤホンを単純比較して語れる時点で、FD7の異常さは十分伝わるんじゃないかなと思いますね。
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おススメ度 99点
4、音質はもう価格破壊と言っていいくらいの魅力が詰まった素晴らしいイヤホンである。筐体の大きさによる装着感のゴツさや、遮音性の少し悪いところから少し減点したが、それ以外は本当に文句のつけようのない素晴らしいイヤホン。
本当はノズルの交換機構だったり、ケーブルのプラグ交換機構のところも細かく書いたほうが良いのでしょうが、音質の部分だけで大分長くなってしまったので省きました。遮音性はA8000よりは低めですが電車で使っていてそんなに問題になるレベルとは思いませんし、音に関しては本当に「よくこんなもん600ドルくらいで出したな」と、ただただ驚くしか無いレベルの実力がある製品です。最近レビューで褒めてばっかりだけど、良いイヤホンが立て続けに手元に来るのだから仕方ない、、、w
高解像度でタイトでありながら、伸びやかでクセの少ない音を求めている人におススメしたい名機です。これが600ドルくらいで買えるなら、正直個人的には勧めない理由は1つも無いです。