SIMGOT EM2Rという現在16,800円で販売されている1BA1D構成ハイブリッドイヤホンのレビューです。以前レビューした同社のEM2の後継機という扱いのようです。同社のEM2のレビューはこちらをご覧ください。
いくつからEM2とEM2Rの比較写真を挙げていますが、シェルの色が、緑色がEM2、紫色がEM2Rになります。
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注目ポイント
・ダイナミックドライバがチタンメッキからカーボンナノチューブ振動版に変更
→この変更により更に高い解像度を実現したとのこと。紫色シェルのEM2Rののほうが振動板の色が黒っぽいのがわかると思います。
・ハウジングの金型を作り直し、全体的に丸みを帯びた形状に変更し装着感向上。
→正直商品説明を見るまで気が付かなかったくらい微妙な差なのですが、EM2Rのほうが全体的に丸みを帯びたハウジングになっています。装着感の違いは、そもそもEM2自体も装着感はかなり良好だったので正直わからず。
・BAドライバにKnowles 33518を採用。
→EM2はKnowlesの通気口付きのフルレンジドライバとのことで型番は書いていなかったのですが今回は書いてあります。ikko OH1Sとかにも使われているドライバです。
良い点
・全体的に硬質で解像度が高いカッチリとした音でメタル音源との相性が良い。
・高音域の煌びやかさがかなり気持ちよく刺激的な音が鳴る。
・EM2と同様に淡い色合いのシェルが美しく他人に勧めやすいデザイン
悪い点
・EM2より派手な傾向になっているので少し聴き疲れはしやすい
音質評価 92点
1、非常にハッキリとした硬質で分離の良いスピード感のある音が楽しいイヤホン。とても解像度が高く鮮やかな音を鳴らしてくれる反面、派手めな音の傾向でEM2よりは聴き疲れはしやすい。
非常に硬質でスピード感のある楽しい音を鳴らすイヤホンという印象です。EM2より解像度の向上が見られますが、その反面EM2より少し派手めな音造りになっており、特に高音域の刺激はEM2より結構強めになっていますので、ここは好みが分かれそうです。個人的にはこのくらい明瞭で鮮やかな高音域は大好きですが、刺さりのある音が苦手な人はダメかもしれません。また、低音域の非常に硬質な輪郭のハッキリとした音でありながら、力感の強いドシンと響くような音を鳴らしてくれるのが好印象。結構こういう硬質な傾向のイヤホンって重低音の表現はいいかげんで「よく聞くと低音の量感あるクセに腰高じゃない?」って製品が多いのですが、EM2Rは硬質でありながらしっかり重低音の再現度まで高く、ベースやドラムのキック音も楽しく聴けます。
音のバランス
高音域 □□□□■
中音域 □□□■
低音域 □□□□□
2、高音域はかなり明瞭で鮮やか刺さりの音も強めに出るので好みが分かれる。中音域は適度な音像の音を淡々と鳴らす印象でクセは少なく鳴らすが音のバランスとしては控えめ。低音域はかなり硬質でタイトでありながら力感のある音を鳴らす。
音のバランスは少し低音域が強めなドンシャリ傾向。音場は広くも狭くもなくといった印象、音の硬質さの割には少し広めかな?
高音域は明瞭でキラキラとしたドラムシンバルの帯域を少し強調する音を鳴らします。音の伸びは悪くないため、特別嫌な刺さり方はしないのですが、間違いなく高音域の刺激は一般的なイヤホンより強めなため、ここがこのイヤホンの一番評価が分かれるところだと思います。個人的には「高音域、ドラムシンバルの音は少し刺さるくらいのほうが自然」と思っているので、私は鮮やかで煌びやかな音として好印象です。
中音域は適度な音像の大きさでクセの少ない音を鳴らしますが、ボーカルが半歩後ろに引いたような音を鳴らします。全体的に音の分離が非常に良いためボーカルが他の帯域に埋もれるということはまず無いのですが、正直音のバランスとしては控えめになっているのでボーカル帯域の艶やかさ等を重視するような音源では少し物足りなさがありそうです。
低音域は非常に硬質な輪郭のハッキリしたスピード感のある音を鳴らします。個人的にこのイヤホンで一番魅力を感じる帯域がこの低音域で、手数の多いドラムの音源でしっかりと音を追える分離の良さを持ちながら、しっかりと重低音の身体に響くような深い音まで再現してくれるので聴いていて非常に楽しいです。
相性の良い音源としてスラッシュメタル、パワーメタル、ハードロック、明るいアニソン、ゲームミュージック等、全体的に明るくテンポが速めな音源と特に相性の良いイヤホンという印象です。
3、EM2とEM2R、正直正統進化ではない方向の別物な音なので、EM2が好きだった人みんなにおススメできるかと言われると微妙。別の方向の派手な明るいイヤホンとして試したほうがいいかも。
EM2とEM2R、どちらのほうがおススメかと言われると正直悩みます。何故かというとEM2Rは全体的にかなり派手な傾向の音で、EM2はもう少し大人しめの音造りになっているからです。どちらも硬質でスッキリとした音という傾向ではあるのですが、EM2Rは音の分離を高めた結果、結構耳に刺激の強い音になっているので「EM2が丁度良いくらいの刺激」に感じていた人には派手過ぎると感じるような気がしています。個人的にはこういう高音域が煌びやかに鳴る、派手で鮮やかな傾向の音は大好きなのですが、正直EM2より人を選びやすいバランスの音にはなっているかなと思いますね。
おススメ度 90点
4、人を選ぶ音ではあるが、スピード感のある音源を楽しく鳴らすには素晴らしい実力のあるイヤホンだと思う。正直音のバランス自体はEM2のほうが万人ウケすると思うが、EM2Rの硬質でスピード感のある音は他には代えがたい魅力がある。
正直、EM2Rを始めて聴いたとき「え?EM2の後継機にしては結構派手な音だな」と思いました。EM2が結構万人ウケしそうなバランスの取れた音であったのに対し、正直EM2Rはかなり派手な音で好みは分かれると思います。ですが、一聴してわかるほど高音域の鮮やかさはEM2Rのほうが上回っていますし音のレンジも広くなっていて一長一短であり、どちらも優れてるイヤホンだからこそ「単純な後継機としてではなく、EM2とEM2Rを好みに合わせて好きなほうを選ぶ」という選び方をしたほうが満足のいく結果になる気がします。非常に硬質なスピード感と低音の力感を兼ね備えた、楽しく聴けるバランスの音のイヤホンです。
スピード感、疾走感のある音源と相性の良いイヤホンを探している人。明瞭でハッキリとした傾向のイヤホンが好きな人におススメしたいイヤホンです。好みは分かれる音だと思いますが、私はこういう音大好きです、、、w
半年ほど前からイヤホンに興味を持ち、finalのa4000を購入し音の綺麗さ等に驚いてずっと使用しています。
ところが私はLiSAや藍井エイルのアップテンポかつ高音の曲を聴くことが多く、綺麗さを残しつつも少しボーカルが近めかつ迫力が欲しいと思っていました。
二つ目のイヤホンは中華イヤホンに挑戦してみようとsummerかNM2+を購入しようか迷っていたのですが、こちらの記事を見てEM2Rに興味を持ちました。
田舎で視聴環境がないため、様々なレビューブログを見て自分に一番合いそうだと思ったのがこのEM2Rだったのですが、主さんが私に2万以下イヤホンでお勧めするとしたらEM2Rになりますでしょうか?
長文失礼しました。