Hidizs S3 Proという69ドルで販売予定の小型のUSB TypeC接続のDACアンプのレビューです。Kickstarterでの出資を募る予定でKickstarterでは55ドル~59ドルで出資できるそうです。現在Kickstarterで出資を募っている製品なので、私の手持ちのは一応「プロト」扱いになるのかなと思います(ほぼ製品版っぽいですが)Hidizsのレビューとなると、私のことを知っている人は「あれ?何で?」と思う人も居るでしょうが、今回はメーカーから直接のレビュー依頼を「直輸入推奨してもいいなら受けるよ」って話をつけて受けています(苦笑)
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良い点
・音はなかなか良い。良い意味で強調感の無い自然で聴きやすい音。69ドルでこの音なら文句ない。
・DACチップにES9281C PROを採用 (同社のHIDIZS DH80Sと同じ)
・ケーブルが柔らかいOFC線を採用しており使いまわしが良く、音質的にも安心感がある
・当然ハイレゾも対応しており、MQA 8X、DSD128、PCM32bit384kまで幅広く対応
・ファームウェアで音質の変更が可能で3種類の音の傾向の違うファームウェアが配信予定(現在試せないのでレビューには記載していません)
悪い点
・特に無いが、無理やり挙げるとしたらPAW S1やluxury&precision w1等の高価格帯製品と比べると機能面等で劣る部分は多い(値段3倍とかなので当たり前だが)
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1、音質はなかなか良い。とても落ち着いた聴きやすい音のバランスになっており、万人ウケするフラットサウンド。
音質はなかなか良いです。69ドルという価格のUSB DACアンプとなると正直ある程度音質に拘りを持ったDACアンプとしては最廉価の製品となっていますが、かなりしっかりとした実力があります。音質の傾向はかなりフラットな味付けの無い音になっており、高音域のシャリつくようなシンバル音を強調せず、それでいて曇り感の無い伸びやかでレンジの広い音に仕上げているのが好印象です。手持ちのDACアンプだとPAW S1はちょっと派手な音で、luxury&precision w1は落ち着いた音という印象で、どちらかと言うとluxury&precision w1に音の傾向は似ています(同等レベルという意味ではありません)全帯域で本当に強調感の無い、良い意味で万人ウケする音で受け入れられやすい上手い音造りになっていると思います。
2、ハイレゾ音源にも当然対応しており、Apple musicのハイレゾも問題無く再生可能。LEDでハイレゾかどうかの判別も出来てわかりやすい。
ハイレゾにも勿論対応しておりMQA 8X規格やPCMは32bit384k、DSD128まで対応と低価格ながら対応する音源の幅は相当広いです。まぁ32bit音源なんて現状ほぼ存在しませんけど、まぁ対応しといて悪いことは無いですからねw
今流行りのApple musicのハイレゾ音源にも当然対応しており、現在再生している音源のビットレートをLEDの色で表示してくれるので「本当にハイレゾで再生されているのか」というのも一目瞭然でわかるようになっているのが良いですね。お手軽でありながら、しっかりと機能面も担保されているところが良いです。
3、PAW S1、luxury&precision w1、AUDIRECT Atom2との比較。
単体の音だけ語っても何が何やらと思いますので、PAW S1、luxury&precision w1、AUDIRECT Atom2と比較していこうと思います。価格差もありますので、あくまで音の違いとしてわかりやすく比較をするものであって「~に近い」とか表現していても「安いけど匹敵する」ものではないと考えて見てください。
・PAW S1 (約170ドル)
この中で一番派手な音を鳴らす。ドラムのシンバル音のような煌びやかな音の主張は結構強めであるが、帯域レンジが広く伸びの良い音なので音の鮮烈さの割に耳につく印象は無い。4機種の中で一番鮮烈でハッキリとした音を鳴らすのが印象的。
・luxury&precision w1(約200ドル)
PAW S1より落ち着いた音のバランスになっており、特に高音域の刺激感はかなり抑えられ、全体的にしっとりとした自然な聴きやすい音になっている。帯域レンジの広さこそPAW S1より劣るもののの、良い意味で自然で違和感の無い音を鳴らしてくれる印象で4機種の中で一番音源を選ばないのが好印象。
・AUDIRECT Atom2 (約90ドル)
どちらかというとPAW S1に近い音造りで結構派手な元気系サウンド、PAW S1ほどの帯域レンジの広さが無いため、高音域は鮮烈で少し疲れやすくドンシャリ感は強めになっているが、非常にノリの良い元気な音で、楽しく聴けるバランスになっている。
・Hidizs S3 Pro (69ドル)
どちらかと言うとluxury&precision w1に近い音造りで、W1より少し明るい音造りになっている。W1は本当に落ち着いた音であったが、S3 Proはもう少しドラムのシンバルのような煌びやかな音や、低音のバスドラムのキック感といった刺激の強めの音も、力感のある音で鳴らしてくれる。印象としてはW1よりも少しロックとかも楽しく聴けるバランスで、W1は落ち着いたバラードとかを聴くのにより適しているという印象。
おススメ度 90点
4、69ドルという価格でありながらしっかりとした音質で音楽を聴かせてくれるDACアンプで、落ち着いたクセの少ない音に仕上がっているのが流石上手いなと思わせる製品。
なかなか良い製品だと思います。69ドルという価格なので正直「安いDACにありがちなドンシャリな派手、派手音のDACアンプなんじゃねーの?」と思っていたのですが、予想外に落ち着いたクセの少ない聴きやすい音でまとまっており、なかなか好印象でした。Apple Musicがロスレス、ハイレゾに対応したことで、こういった小型のDACアンプを探されている人も多く居ると思います。その際に是非検討してほしい、上手い音造りに仕上がっている製品です。ES9281C PRO使って、69ドルで、この音なら、まぁ文句はないでしょうw
Hidizs製品まともに聴いたのは初めてですが、結構ヤリますねw
youtubeの為だけにBTイヤホン持ち歩くよりこっちの方がDAPとイヤホン使いまわせるし便利そう
ありがたいなぁ