IMG_20201204_185314 
オウルテックのクラウドファンディングで販売されたKPRO01という完全ワイヤレスイヤホンのレビューです。通常の販売価格は23,980円を予定しています。このイヤホンは声優の「小岩井ことり」氏を開発チームのリーダーとして作られた有線でもワイヤレスでも使える2wayイヤホンというコンセプトの製品です。

先に言っておきますが、私はこの製品に対して最初から非常にネガティブな感想を持っていました。ネガティブな感想を持った上で「どうせこのイヤホンの出来が悪かったとしても、声優コラボということで発売されたらメディアも販売店もゴリ推しするんだろうなぁ」と思って、今回は敢えて気に入らない製品を文句言うためだけに中古で買っています。なので元々の購入動機が「悪意」であり、公平なレビューをする気は全く無いため、公平なレビューを求める人は見ないようにお願いします。まぁ私はいつも公平なレビューなんて心がけていないんですけどね。

ちなみにこのイヤホンは何度かネットで炎上したこともあり、既に中古の相場が1万円を切りそうなくらい暴落しています。また、このイヤホンは通常販売時には充電ケースが付属しますが、クラウドファンディング組には充電ケースは別売りとなるようですので、あくまで充電ケースが無い状態でも「完成品」の製品であるという前提でレビューをさせていただきます。
販売サイトはこちら 
良い点
・USB TYPE Cケーブルを繋いでの有線接続での音はそこまで悪くない。2万円以上出したいとは全く思わないが、低音域が強い重みのある音で好まれる人も多いと思う。
・デザインはスッキリとした青色で悪くない。造りはプラスチッキーで安っぽく、正直売り文句の「本格的なカスタムイヤホンのような外観!」というのは「どこがやねん」と思うが、色味の選定は良いと思う。
悪い点
・筐体が大きく完全ワイヤレスとしては装着感が悪い
・タッチパネルの面積がやたら狭く使いにくい
・ワイヤレス使用時のイコライザの仕様が意味不明で、片側だけ音量が下がることがしばしば
・ワイヤレス時の音は有線より2段階ほど下がる印象で価格を考えるとかなり厳しい。
・2Pinケーブルでの充電は壊滅的に使いにくい
・アップグレード用のシルバーケーブルはクラウドファンディング時は4,480円で売られており、しかも32%オフの表記があるが、とてもそんな値段のケーブルには見えないし音も良くない。というか銀メッキ線をシルバーケーブルとして売るな
・そもそも、ワイヤレスイヤホンと有線イヤホンを2つ持ち歩いても荷物量はほぼ変わらない。
----------------------------------------------------
IMG_20201204_185721KPRO01
1、有線時の音はそこまで悪くない。かなり低音が強いドンシャリサウンドだが、低音域は力感がしっかりと感じられる迫力のある音になっているし、高音域も埋もれがちではあるがきちんと聴こえる。
USB TYPE-C接続での音は悪くない。かなり低音域が強いドンシャリサウンドなため好みは相当分かれるとは思うが、もともとゲームをするようの製品として作られたものだったと思うので、これだけ低音域が強いバランスになっていることも理解できる。重低音域の質感はなかなか良く、打ち込み系のサウンドではベースラインの音がかなり力強く聴こえなかなか楽しい。高音域は曇りがちで低音域の量感に押されてはいるが、完全に埋もれることはなく極端に不満に思うことは無いし、23,980円出して欲しい音とは全然思わないが、あくまでワイヤレスにもなるイヤホンとして考えればそこまで悪い評価にはならないだろう。
IMG_20201204_185625
音のバランス 
有線時(usb type C)    無線時
高音域□□■       高音域 □□
中音域□□□       中音域 □□■
低音域□□□□    低音域 □□□
2、完全ワイヤレスとして使うと音質は二段階ほど下がり正直褒められたものでは無い。有線時に感じられた重低音の質の良さが吹っ飛んでしまう印象で露骨な駆動力不足を感じる。本体のイコライザの仕様も正直意味が分からない。
有線時の音は思ったより悪くなかったのだが、無線での音は正直褒められたものでは無い。有線のときに感じられた重低音域の力感が一気に吹っ飛んでしまう印象で、締まりの無い緩めの低音がダブついて再生されるためかなり音質としては厳しい印象。有線と無線で比較で聴いてみると露骨すぎるほど差があり、最初に試したときは正直苦笑いしてしまった。
また、このイヤホンには「本体の右側を3回タップするとイコライザがかかる」という説明書にも書かれていない隠し機能のようなものがあるのだが、無線イヤホンとして電源を入れた直後は左側の音が弱く、このイコライザ機能を弄ると左右バランスが整うという意味不明な状態になっている。私の個体が壊れているのかと思ったのだが、もう一台別の個体で試しても同じだったので、ここが壊れやすいのか、それともマッチングが取れにくい製品なのかイマイチわからない。
そして、このイコライザも3タップすると本体から「ポンポン」という音が鳴った後に音が変わるのだが、今が何モードの音になっているのかのアナウンスがなく、今どのモードのイコライザを使っているのか、そもそもイコライザがオンになっているのかオフになっているのかもサッパリわからない。現状アプリなども無いので確認する術は「3タップした回数によって何の音になっているか覚えておく」しかなく、正直この仕様は普通に欠陥品レベルではないだろうかと思う。
20210115_17463620210115_174503  
3、タッチパネルの使い勝手が非常に悪く、本体サイズが大きく装着感が悪いなど、完全ワイヤレス製品としての利便性は非常に悪い。
タッチパネルは1枚目の赤で塗りつぶした部分だけがタッチパネルとなっており非常に使いにくい。電源のオンオフは本体のLEDだけだと分かりにくいので耳につけた状態でやりたくなるのだが、耳につけた状態でこの部分だけのタッチパネルを長押しするというのは結構面倒くさく、触っているつもりでも触れていないことが結構ある。3タップでイコライザ起動などの設定もあるのだが、こんな小さいパネルを3タップ正確にするのが面倒であることは言わらなくてもわかるレベルであろう。装着感もイヤホン本体がかなり大きいため悪く、「本当に女性声優がつけて試したのか?」と言いたくなるくらいゴツく安定しない装着感になっている。
IMG_20201204_185541IMG_20201204_185513_1 IMG_20201204_185419 (2)
4、アップグレード用のシルバーケーブルは中華イヤホン好きの人はみんな「これ安物だろ」と思えてしまう、どこかで見た質感の製品で「4,480円(32%オフ)」の価値があるとは到底思えない。また、2pinケーブルでの充電は非常に利便性が悪い。
アップグレードケーブルとしてクラウドファンディングで4,480円で売られ、正式販売版では付属品に入っている「シルバーケーブル」は価格は4,480円で32%オフということで元値は6500円ほどを想定していたはずのケーブルだが、正直「正気か?」と言いたくなる品質である。中華イヤホン好きの人ならこのケーブルに見覚えがある人は多いのではないだろうか。一応見た目が似ているだけで本当はもっと凄いケーブルである可能性もあるので濁してはおくが、私には中華系イヤホンでアップグレードとしてよく売られている激安ケーブルにしか見えない。また、これを繋ぐと高音域が荒っぽくなって正直音的にも褒められたものではない。これが4,480円でも冗談みたいに高いと思うが、あくまでそれも32%オフの価格というのに驚きを隠せない。というより、そもそも「銀メッキ線」のケーブルを「シルバーケーブル」という名前で売るのは非常に誤解を招くし「そんなこと今時無名の中華イヤホンメーカーでもやらんぞ」と言いたくなる。
また、この2Pinケーブルでの充電はやはり正気とは思えない。非常に使い勝手が悪く、2pinのイヤホンを使ったことがある人ならわかると思うが、2pinは耐久性が低いので、そんなにしょっちゅう抜き差しをする構造は相当無理がある。箱に「ケーブルの2pinはとても繊細なので、取り扱いには注意してください」などと書かれていて「ならこんな仕様の製品作るなよ」と突っ込みたくなった。ヒドイギャグである。
20201222_19385620201222_193930
おススメ度50点
5、そもそも写真のように完全ワイヤレスイヤホンと有線イヤホンを2つ持ち歩いても荷物量はほぼ変わらない。そしてKPRO01は完全ワイヤレスイヤホンとしての利便性はかなり微妙とどっちつかずな印象で、これを勧める理由がほぼ見つけられない製品。
このイヤホンに関して「こんな革新的な製品なんだから、細かいところは文句言うな」みたいに言う人は結構いるのだが、正直「これのドコが革新的なんだ?」と言いたくなるのが本音である。完全ワイヤレスと有線が切り替えられるといっても、結局切り替えるためにはケーブルを持ち運ぶ必要があり、そのケーブル自体が小型のイヤホンと同等くらいの大きさがあるので、結局完全ワイヤレスのイヤホンと有線のイヤホンを2つ持ち歩いても、KPRO01を持ち歩いても荷物量はほぼ変わらない。それでいてKPRO01が完全ワイヤレスイヤホンとしても非常に優秀であるならまだ話は別だが、完全ワイヤレスイヤホンとしては利便性、音ともにとても褒められたものではなく、音質的にも利便性的にも、同じ予算で完全ワイヤレスと有線のイヤホンを2本買ったほうが有利であると思われる。ちなみに2枚目の写真はAnker Soundcore Liberty 2 ProとFinal E3000の組み合わせで、合わせて2万円くらいである。利便性は勿論、音質的にもこちらの組み合わせのほうがずっと有利であると思う。

このイヤホン、他にも色々言いたいことは沢山あるのだが、キリがないのでこれくらいで。私の評価としては「有線で使うならそこまで悪くはないが、無線で使うなら全く褒められない」製品となっている。小岩井ことりという声優が非常に好きな人以外には全く勧めないイヤホンである。

声優コラボということで発売されたらメディアも販売店もゴリ推しするだろうがね(苦笑)
このエントリーをはてなブックマークに追加