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Dez No.7というベリリウムコート振動版を使った、Aiwaのパイプホンをオマージュした製品です。韓国の個人イヤホンビルダーの方のイヤホンで通常価格は400ドルを想定されているそうです。今回はうちのブログにわざわざメールにて連絡を頂き少し優遇して購入させてもらいました。
現在一般への販売は大々的にはされていないようなのですが、もし購入したいという人が居れば相談をしてくれれば私からその要望は製作者の方にお伝えしたいと思います。

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良い点
・筐体が素晴らしい造り。この筐体の造りの良さだけで工芸品として素晴らしいと言える。
・Aiwaのパイプイヤホンをオマージュするという着眼点がガチのインナーイヤーファンが作っている感がしてテンション上がる。
・音質はパイプのおかげか自然な広がりのある音でとても心地よい
悪い点
・音質は悪くは無いのだが、正直ドライバの限界を感じる。物凄く素晴らしいエンクロージャーに安価なユニットを積んだスピーカーのようなもどかしさがある
・中、高音域の間くらいの音域に少し金属共鳴による歪が出る場面があり、ボーカルで少し違和感を持つことがある。
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特徴等
・Aiwaパイプイヤホンのオマージュ作品で筐体の精度や美しさは本当に素晴らしい
・ダイナミック1発構成でドライバにはベリリウムコート振動版のものを採用
・ケーブルは柔らかくタッチノイズなども殆ど無い扱いやすいもの
・筐体は基本的には木と真鍮のチューブ部になっているが、耳に当たる振動版の前の部分はMX500などで使われているプラ部品になっている。

音質評価 82点
・音質は悪くないのだが、正直ドライバの限界を感じるなー、惜しいなーと思う面も結構ある。
・音の大まかな印象は「適度に広がりのある音と抜けの良いスッキリとした音が印象的な美音系イヤホン。高音域のスッと抜けていくような伸びやかな音が印象的で、自然に広がる音場の広さも相まってとても聴きやすい音のイヤホンになっているが、中、高音域の間に金属共振による歪を感じる場面があることが残念。」
・音場は一般的なインナーイヤーより少し広め
・音のバランスは少し中音域寄り
高音域はスッキリと伸びやかな音を鳴らす。ドラムのシンバルのような刺激的な音を強調せずに耳障りな音にならずに鳴らしてくれるところが好印象。
中音域は広がりのある趣のある音を鳴らす。こちらの帯域もとても素晴らしい伸びの良い音を鳴らしており、ボーカルの自然で強調感の無いホールのような広がりを感じられるのが素晴らしいのだが。真鍮ハイプによる共振なのか少し男性ボーカルの高めの音域で歪を感じることがあり、ここが少し残念である。
低音域は分離の良いサッパリとした音を鳴らす。デスメタルのような音源もしっかりと分離する性能を持っているが、音の輪郭を強調するわけでなく、それでいて広がりのある響き感のある音を鳴らしてくれるのがとても楽しい。正直メタルに向いている傾向の低音域ではないが、パワーメタル、ジャーマンメタルのようなミドルテンポの楽曲であれば非常に楽しむことができる。
・音の分離はなかなか優れているが、テクニカルデスメタルでは少し音の被りを感じる場面があった。
・相性の良い音源はPOPS、ロック、パワーメタル、など、ミドルテンポの楽曲やゆったりとしたボーカルの音源と相性が良い。
・相性の悪い音源はテクニカルデスメタル、スラッシュメタル、ゲームミュージックなど、基本的にゆったりとした抜けかの良い音を楽しむイヤホンだと思うので、スピード感を求める音源や電子音のものとは相性が悪い

音のバランス
高音域□□□□
中音域□□□□■
低音域□□□□
Dez No.7

オススメ度 84点 
・音質は中々良いし、筐体の精度は素晴らしいのだが、正直冒頭でも言ったように「音質は悪くは無いのだが、正直ドライバの限界を感じる。物凄く素晴らしいエンクロージャーに安価なユニットを積んだスピーカーのようなもどかしさがある」これに尽きるなという印象である。聴いていると本当に「惜しい、、、」と思ってしまうイヤホンである。
・今回はわさわざメールで当方のブログを読んでくれていて、是非試して欲しいと連絡をしてくれた方の製品なため評価が甘くなりそうであったため、何人かの知り合いに試聴をしてもらった感想も含めてのレビューになっていてるが、みんな「良いんだけど、、、惜しい」と声を揃えていた。
・どこかのいいドライバ供給メーカーと組んでくれたりしたら本当に最強のイヤホンを生み出せそうなポテンシャルを持った製品であり、このDez No.7も十分面白いイヤホンであるが、今後に期待したいというのが私の中で妥当な評価かなと思う。