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Final A8000というダイナミック1発構成で198,000円のイヤホンのレビューです。ちなみにDunu LunaとこのFinal A8000がどちらも「世界初のベリリウム振動版」と謳っており、本当のところはどうなの?とFinalの社長に聞いたところ「わからない、そこまで重要視していないので別に世界発じゃなかったらなかったでいい」ということでした。まぁ結局はスペックじゃなくて出音ですからね~。
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特徴等
・ベリリウム振動版を採用したダイナミックドライバを使用。ベリリウムというと他社のは殆どが「ベリリウムコート」の振動版であるが、このイヤホンは完全にベリリウムのみで出来た振動版。
・ケーブルは同社での定番となっているシルバーコートケーブルを採用。
・装着感は悪くない。角ばった金属の筐体なので合わない人も居そうだが個人的には全く問題無く直時間の使用も問題ない。
・遮音性はなかなか高い。20万円近くのイヤホンだとHIFIMAN RE2000、Victor FW10000があるがどちらも遮音性は低いので、ここは強いアドバンテージになりそう。電車での使用では結構ハッキリと遮音性の違いは感じられる。

音質評価 99点 
・音質は素晴らしい。こんな高いイヤホンなのに製品発表会で試聴してその日に注文してしまったくらいに魅力の詰まった音である。
・音の大まかな印象は「最上級の分析的な非常に解像度の高い音。癖が少なくどんな音源でも過不足なく鳴らしてくれ、一聴するとそこまで凄さを感じられないのだが、1つ1つの音のクオリティが高く平均点が限りなく100点に近いような音。特に音の分離の良さは特筆できるもので、どんなに音数の多い音源でも余裕で分離してくれる。解像度が高く良い意味でモニターライクな音」
・音のバランスはフラット、厳密には少し高音寄りか
・音場は少し広め、適度に筐体の響きを生かした自然な広がりのある音を鳴らしてくれる。
高音域は煌びやかなハッキリとした音を鳴らす。刺さりのある音を強調することは無く、金属的な音は金属的に誇張の無く、それでいてリアリティのある音を鳴らしてくれる。音の伸びも良くかなり派手なドラムのシンバル音を連打するような音源でも、耳への刺激はしっかりと届けてくれつつも、聴き疲れせずに聴くことが出来る。音の粒立ちも素晴らしく1音1音がハッキリと聴こえ録音のノイズも逃さずに耳に届けてくれる。(ここは好みが分かれそうだが、個人的にノイズは誤魔化さずに鳴らして欲しい派なので好印象)
中音域は癖の少ない伸びやかな音を鳴らしてくれる。ボーカルの帯域は窮屈感の無い伸びやかな音を鳴らしてくれており、音の余韻までしっかりと伝えてくれる。特に味付けは無く淡々とした音を鳴らすので、中音域に膨らみを持たせたような音が好みの人には物足りないかもしれない。
低音域は非常に硬質で分離の良い音を淡々と鳴らしてくれる。音のバランス的には一番少ないのだが、重低音までしっかりと再現した音を鳴らしてくれるため低音の量感に不満はない。音の分離の良さは素晴らしいと言うしかなく、どんなテクニカルデスメタル音源も「試すまでも無い」と言い切れるほど余裕で分離してくれる。そのためこのイヤホンでスピード感のある音源を聴いている時の気持ちの高揚感は言葉で言い表せないものがある。
・相性の良い音源は、基本的に何でも合うのだが圧倒的な分離の良さによりスピード感を出せるイヤホンなのでテクニカルデスメタル、メロディックスピードメタル、メロディックデスメタル等と非常に相性が良い。一般的にポップス、アニソン、ロック、ハードロックなど、どんな音源でも最上級に分析的で解像度の高い音を鳴らしてくれる。
・相性の悪い音源は、基本的に誇張無くあるがままの音を鳴らすので、EDMなどの低音をブーストしたほうが楽しいような音源とはあまり合わないかもしれない。
Final A8000
音のバランス
高音域□□□□■
中音域□□□□
低音域□□□□

オススメ度100点
・文句なしにおススメ出来るイヤホンである。198,000円とイヤホンとしては冗談のように高価なイヤホンではあるが、下手に色々なイヤホンを買うより最初からこのイヤホンを1本買ったほうが安上がり、かつ近道な気がする。イヤホンを何百本も買っている私が言っても説得力は無いだろうが、、、w
・HIFIMAN RE2000、Victor FW10000といった同価格帯のライバル機と比べて遮音性が高く確保されているのは非常に強いアドバンテージになると思う。実際音質面ではこれらの機種は好みの差レベルであるが、電車で最もイヤホン本来の音を楽しめるのは間違いなくFinal A8000であると断言できる。
・全体的に良くも悪くも「普通の音」を「最上級の品質」で鳴らしてくれるイヤホンである。正直そこまで使い分けとして面白みがある音ではないのかもしれないが、日常的に使っていて、ここまでどんな音源でも不満無く鳴らしてくれるイヤホンはあまり無いのではないかなと思う。色々な癖の強い音のイヤホンに浮気をしても、結局はこのイヤホンに戻ってくる、そういった基準になれるイヤホンではないかなと思う。
・とりあえずスピード感のある音源を好む人には間違いなく試して欲しいイヤホンであるし、メタル聴きは「さっさと試聴して買え」と言える実力を持った機種である。基本的に手放しでおススメできる名機である。(筆者は同社のファンなのである程度贔屓目が入っている可能性も否定できないが、少なくともそれを考慮してもおススメ出来るイヤホンであることは間違いない)