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SIMGOT EK3という現在38,900円にて販売されている3BAイヤホンのレビューです。3つのドライバ全てにKnowles BAを採用しています。

販売サイトこちら In-Canal Earbuds Rankingはこちら 
特徴等
・3BAイヤホンですべてのドライバにKnowlesを採用。(Knowles 22955、Knowles 30017)
・スイッチで4種類の音に変化させることができる。
・筐体の造りは非常に良い。とても透明度の高い透き通ったクリアシェルで綺麗。
・装着感はなかなか悪くない。耳掛けケーブルタイプなのでそれが苦手な人には無理だが、耳にスポッとハマる丁度いい大きさで長時間の使用も問題無さそう。
・音漏れ、遮音性は一般的なカナルより少し良いか。電車や図書館などでの使用もまず問題ないだろう。

音質評価 93点
・音はかなり良い。やはりこのメーカーは鳴らし方が上手いなと感じさせてくれるイヤホンである。
・音質は一番好印象であった「バランスを強化」モードの音を基本として書く(上記画像の5つ目を確認)
・音の大まかな印象は「EN700PROが上手い味付けの名機だとしたら、EK3はモニターライクでありながら音の聴きどころを細部まで届けてくれる名機である。モニターライクな音でありながら、余韻や音の厚みをしっかりと再現し、音の魅力をしっかりと感じられるのがとても好印象。」
・音のバランスはかなりフラット、ほんの少し低域寄りか
・音場は広くも狭くも無くといった印象。特に窮屈感を感じさせずに楽しむことができる。
高音域はスッキリとしつつも強調感の無い、とてもナチュラルな音を鳴らす。曇り感の無い透き通った音を鳴らしつつ、ドラムのシンバル音のような耳に刺さる音は強調せず、それでいて煌びやかさを損なわない絶妙なバランスで鳴ってくれる。個人的には高音域のキラキラとした音はもっと強調したくれても良いのだが、刺さりが気になる人にはかなり良いバランスに仕上がっているのではないだろうか。
中音域は忠実にボーカルの質感を味付けをせずに鳴らしてくれる。音像の大きさが絶妙で、よくボーカルの聴きごたえのある機種は実際は味付けが強く「ボーカルの口がやたら大きく聞こえる」みたいな表現で違和感のある音として表現されがちである。しかし、この機種はボーカル帯域の音の余韻の美しさをしっかりと感じさせつつも、音自体の誇張感が無く、とてもモニターライクにあるがままの音を鳴らしつつ、要所の音の聴きどころを忠実に再現してくれることから、聴きごたえのある音をしっかりと耳に届けてくれる。
低音域は引き締まったタイトで力感のある音を鳴らす。とても制動のとれた音を鳴らしており、ヘッドホンのHD25のようにソリッドすぎるわけではなく、かと言って緩くも無い、非常に違和感の無い音を鳴らしてくれる。同社のEN700PROは良い意味で音像を拡大させ、低域の音の膨らみを音場の広さ、響きから楽しい音に変化させてくれる機種であったが、今回のEK3はとても忠実に味付けが無く、それでいて音の細部の魅力を再発見させてくれる。
・分離は良いものの、量感のある低音域なため極度に分離を要求するテクニカルデスメタル音源では音の被りを感じられた。一般的なテクニカルデスメタル音源は問題ない(CryptopsyのShag Harbour's Visitorにて確認)
・相性の良い音源はハードロック、パワーメタル、デスメタル、明るめのアニソンなど。基本的にどんな音源にも合うが、
・相性の悪い音源はあまり無いが、しいて言うなら音数が極端に多いテクニカルデスメタル等は相性が悪い。また、電子音のEDMなども、この機種よりもっとソリッドな音を鳴らしてくれる機種のほうが合うように思える。

以下、バランスを強化モード以外の音を簡単に記載する。
<重低音を強化モード>
・なかなか印象が良い、バランスを強化モードの次におススメのモードである。
・「バランスを強化モードから低音の量感を少し増やした音」と言えば簡単なのだが、こういうスイッチで音を変えるモデルは低音を増やすと大抵高音域が曇ってしまう。しかし、EK3は高音域が曇らず、純粋に低音の量感だけが少し上がる印象で、ここはかなり上手いチューニングをしているなと感心した。
・ただ、重低音を強化モードでの低音量の変化はそこまで大きくなく、あくまでモニターライクな音を維持したまま低音量が少し増える程度なため、過度に重たい低音を欲するような人には合わない。
<楽器の音を強調モード>
・バランスを強化モードから少しボーカルを遠くした音といった印象、悪くは無いのだが少し高音域が刺さりやすく神経質になる印象。
<ボーカルを強調モード>
あまりお勧めしないモードである。ボーカルの量感は確かに増すのだが、高音域が曇り、全体的に野暮ったい音になる。
SIMGOT EK3

音のバランス(バランスを強化モード)
高音域□□□□
中音域□□□□
低音域□□□□■

オススメ度92点
・音はかなり良く、スッキリとしたモニターライクな音のイヤホンが欲しいならかなり良い選択肢になるイヤホンである。スイッチによる音の変化も過剰ではなく、良い意味で微調整程度の変化をしてくれるため、殆どのモードが自然さを損なわない音になっていることも非常にポイントが高い。
・EN700PROは音の広がりを生かして上手く音の雰囲気を作ってくれる機種であったが、今回のEK3はモニターライクでありながら、音の細部までの再現度から聴きごたえのある音を鳴らしてくれる名機である。アプローチこそ違うものの、こちらも鳴らし方の上手い名機と言って間違いないだろう。
・癖が少ないイヤホンを探している方、モニターライクでありなが音の厚みも感じられるイヤホンが欲しい方におススメしたい機種。