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HIFIMAN TWS600という13,800円にて販売予定のHIFIMAN初の完全ワイヤレスイヤホンのレビューです。Twittweのほうを見てくださっている方はご存じでしょうが私はHIFIMANさんとはそれなりに仲良くさせて貰っており、オフ会などでもいつも協力していただいているのですが、それはそれ評価は評価としたいタイプの性格なのでいつも通り好き勝手書いていきます。
販売サイトはこちら 

最初に良い点と悪い点を簡単にまとめておきます。
良い点 
・トポロジーダイヤフラムのドライバを採用
・本体のみで5.5時間の再生が可能、バッテリーケースを含めると38時間とバッテリーの持ちは良い
・音の途切れは少なく比較的優秀
・IPX4防水でジムなどでの使用も問題なし
悪い点
・音は正直良いとは思えない、ドライバ自体の音は悪くなさそうだが筐体が台無しにしている印象
・今時この価格帯の完全ワイヤレスで対応コーデックがSBC, AACしか無いのは致命的。最低でもAPT-X以上対応していないと他社製品と比較して無謀としか思えない。AACだけでも音が良ければまだそれなりに評価するが、音も良くない

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1、使い勝手は良い、バッテリーの持ちが良く音の途切れ等も少なく優秀
使い勝手は中々良いです。本体のみで5.5時間、バッテリーケース込みで38時間と長時間使用できますし、Bluetooth5.0対応のおかげか音の途切れも少なく非常に快適です。装着感もなかなか良く長時間の使用も問題ありませんし、IPX4防水ですので軽い汗くらいで壊れることも無くラフに使えるでしょう。バッテリーケースに大きくバッテリー残量のLEDインジケーターが付いているのもわかりやすくていいですね。さて、褒めるパートはここで終わりです。
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2、対応コーデックはSBC、AACのみとかなり今更感が漂う
対応コーデックはSBC、AACのみとなっており、APT-Xなどの高音質規格には対応していません。1、2年前の完全ワイヤレスが出たばかりの頃であれば、このスペックもネックにはならなかったでしょうが、今は1万以下の完全ワイヤレスでもAPT-Xに対応した機種が沢山出ており、しかも音的も結構完成度の高いものが多くあるので「AACでもうちのイヤホンは圧倒的にスゴイ音が出る」というくらいのアドバンテージが無いと相当キビシイわけですが、、、肝心のその音質もパッとしません。
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3、音質はハッキリいって微妙、というか普通に悪い
音は控えめに言って微妙、素直に言えば普通に良くないです。エージング時間がそれなりに必要ということでエージングも試しましたが無駄でした。まず採用しているドライバの素の音自体は悪くなさそうです、高音域の煌びやかな音はしっかり出ているし、全体的にスッキリとして良さそうな音が出ています。ただ筐体の響かせ方、音の伸びが結構致命的です。まずボーカル帯域は音を大きめにするとかなり歪みます、それもパッと聴きでわかるレベルの歪み方で女性ボーカルの高めの音程のロングトーンなんかは大きめの音だと聴いてられないというレベルの歪み方で耳に変な刺さり方をします。
次に音の響き方が非常に安っぽいです。いかにもダメなプラスチックの響き方だなぁという制動の取れていない安っぽい響き方をします。またこの制動の取れなさのおかげで、低音が変な逃げ方をしている印象があり、出音的にドライバからは確実に質の良い低音が出ていそうなのに、実際に耳に届いている低音はかなり腰高な軽い音です。ドライバの音自体は良いんだろうなぁと感じられる質感を持っているだけに、聴けば聴くほど勿体ないなぁと思ってしまう製品です。
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4、申し訳ないけど酷評するしか無いレベルの製品
HIFIMANの製品は好きですし、お世話にもなっているのでそれなりに思い入れもあるのですが「それにしたって、これはムリだろ~」と思ってしまう製品です。何より今更SBC、AACにしか対応していない1万円超えの製品という時点で相当厳しいのに、HIFIMANの売りである音質面でもこれじゃあ、どう足掻いても酷評するしかありません。正直おススメは全くできない製品です。