HIFIMAN R2R2000 REDが発売になるということで、R2R2000 Blackとの聴き比べをしてみました。操作性等の基本的な部分はどちらも同様ですので音以外のレビューに関してはR2R2000のレビューにてご覧ください。R2R2000 REDはただの色違い機種ではなくDACチップが変更された弟分的立ち位置の機種となり、R2R2000 BlackはPCM1704KデュアルでR2R2000 REDはPCM1702デュアルとなっています。価格はR2R2000が2500ドル、R2R2000 REDが1200ドル前後を予定と約半額程度の価格になる予定です。
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R2R2000の音質はREDに比べて落ち着いた音色です。派手さは無いものの非常に綺麗な聴かせどころをわかっている音という印象で、高音域は主張は強くないものの非常に繊細で伸びやかな嫌味の無い音を鳴らし、中低域は非常に自然で適度な広がりを持たせた音で普通に聴いている分には非常に癖の少ない音を鳴らしつつ、要所要所でボーカル帯域の艶やかさ、スネアドラムの音の抜けの良さといった音の聴きどころの1つ1つの質の高さを感じられる、非常に良い意味で音楽的な魅力の高い音になっています。
R2R2000 REDは少しだけBlackより音量が取れません。ゲインを統一した状態でも体感でR2R2000よりボリュームを3くらい上げて同等の音量になるようです。音質はBlackと比べて少し音の輪郭がハッキリとした元気な音が鳴る印象です。元気な音といっても最近のDAPに多い輪郭を強調するほどのハッキリした音ではなく、Blackのような自然で聴きやすい傾向の音は受け継ぎつつも全体的に少し音のアタック感が強く出る音といった印象で、メタル音源なんかではこちらのほうが迫力がある音で楽しめる場面もある気がします。ただ空間表現や音の実像感はBlackのほうが上という印象があり、唯一無二感があるのはBlackの音という気もしますね。

結局HIFIMAN R2R2000 REDは買いなのか?というところですが、まず最初にこの機種は操作性とかで色々難のある機種なのでその点は予め承知しておいてください。そのうえでR2R2000 Blackと聴き比べた印象としては「音の方向性が大分違うので、REDはBLACKの代替にはならないが、非常的に魅力的な機種である」と言えます。BlackはPCM1704Kデュアルを積んだおかげなのか、非常に音楽的で空間表現の上手さや音の抜けの良さが魅力的であり、地味でありながらも非常に上品な音を鳴らしてくれます。それに対しREDは全体的な音の上品さではBlackに少し劣りますが、Blackよりハッキリとした元気のある音造りです。スピード感のある音源や輪郭のハッキリとした電子音等が多く入った音源ではBlack以上に魅力のある音を鳴らしてくれる場面があり、本当に弟分機種という先入観を捨て自分の好きなほうを買ってほしいと思えます。どちらも方向性は違いますが、それぞれ魅力的な音を鳴らしてくれますね。
これで操作性とかの面がもう少ししっかりしていたら本当におススメできる良いDAPなんだけどなぁ、、、(苦笑)という思いはありますが、何より音質が第一という過分に理解のある方には非常に魅力のある音を鳴らしてくれるDAPだと思いますので、是非1度試してみてほしい製品です。こういう最新DACを積まず、あくまで音造りとして古いDACチップを採用して魅力ある音楽的な音を実現するという「非常にオーディオメーカーらしいアプローチ」は個人的にかなり好感を持っていますので、HIFIMANにはこういうちょっと癖のある製品の路線を突き進んでほしいなと思いますね。
BlackもREDも色々難はありますが非常に魅力あるDAPであることには間違いありませんので、是非操作性等も含めて試してみてください。一聴の価値アリですよ。
コメント
コメント一覧 (3)
シングルエンドとバランスで音に違いはありますか?
また、この機種ファームウェアのアップデートといった概念はあるのでしょうか?
よろしくお願いします。
アップデートの概念はあるのですが、ファームは2019年以降出ていませんので今後のアップデートは期待できません