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TENHZ T5という現在18,000円にて販売されている5BAドライバイヤホンのレビューです。
初めに言っておきますがかなり低い評価になります。依頼を頂いたLS AUDIOさんに「販売店の信頼アップにも繋がると思うのでかなり低い評価になるが、ありのままのレビューを掲載して問題無いか」と確認したところ、全く問題ないとのことで今回のレビューを掲載しています。

販売サイトこちら In-Canal Earbuds Rankingはこちら 

特徴等
・5BA構成のイヤホンで、低域1、中域1、高音域3の構成
・MMCXリケーブル仕様
・シェルの造りは非常に綺麗で背面のラメも主張し過ぎずデザインや造りの面での印象は良い。
・遮音性、音漏れ体制はカナルイヤホンとしては平均的か少し優れるている印象、音抜け穴の無いBAのみのイヤホンなので音漏れ等は基本的には気にする必要は無いだろう

音質評価 □□ 20点 
・音質は正直ヒドイ、あまりに変な音なので故障を疑ったほど(確認としてもう一台を貸して貰いましたが、どちらもほぼ同じ音なのでこの音で正しいらしい)
・音のま大まかな印象は「ボーカルの違和感が全てを台無しにする音。簡単に言えばイヤホンジャックを半挿しにしたり、GND線が切れてしまった時の音にかなり近い。インスト音源等を聴くと個々の音域では質の良さを感じられる面もあるのだが、テレビ音声を聴くだけでも違和感を覚えるこの中音域の再現性は流石に好意的には見れない」
・メーカーとしては「今回はアーティストチューニングでわざと音場を後ろに調整した」とのことなので、あくまで意図した音造りとのこと(個人的にはかなり印象が良くないが)
・音場は広め、というより逆位相のような少し飽和気味の音。
・音の傾向は高音域寄り
高音域は透き通った綺麗な音を鳴らす。中音域が合わさると高音域も釣られて不自然な音に感じてしまうが、中音域の少ない場面では高音域のドライバが綺麗な音を奏でてくれていることがわかり、高音域単体の質感で言えば決して同価格帯と比較しても悪いものではない。音の刺さりも少なく、適度に鮮やかで煌びやかな音を鳴らしてくれ高音域の印象は個人的には悪くない。
中音域は非常に違和感のある音を鳴らす。簡単に言えば中音域のドライバだけ位相が反転していたり接触が間違っているのではないか?と思ってしまうような音が鳴る。ボーカルは非常に広い、というよりは無理やり広げて飽和しており、1人のボーカルなのに2、3人で歌っているような変なリバーブ、残響感がある。ボーカルはとても遠く、音量としては十分鳴っているのだがかなり遠くからメガホンを使って歌っているような非常に違和感のある音を鳴らす。この音の違和感は音楽を聴く時だけでなく、ただの会話音声を聴くだけでも非常に違和感を強く持つ音であり、テレビのトーク番組を見ているだけでも違和感を強く覚えてしまうほどといえば、どの程度強い違和感なのかを理解していただけるだろう。
低音域は広がりのある少し飽和気味の音を鳴らす。音の質としては非常に軽くバスドラムのドンという音がポンポンと力の無い音で鳴っている印象で、こちらも中音域同様違和感のある音になっている。低音域の迫力はまるで感じられない、というよりは低音域が鳴っているのかも怪しいというレベルである。中音域の違和感に釣られないようなインストの音源を聴いても低音域の違和感は強く、イコライザで低音域をカットしたかのような音が再生される。正直言ってこれは何が何やら、、、聴いていて少し混乱するレベルの音である。
・相性の良い音源は基本的に無いが、かろうじて言えばボーカルの無いインスト音源であればある程度聴けるだろう。
・相性の悪い音源は基本的に全部というほどだが、ボーカルの音域が一般的では無いおかげかデスメタル音源は他より違和感は少なく聴ける

TENHZ T5

音のバランス
高音域□□□□
中音域□□□
低音域□■

オススメ度□■ 10点
・ハッキリ言って全くオススメしない機種である。一応個々の帯域の質では悪くない場面もあるが、中音域の違和感が全てを台無しにする。メーカーとしては意図して作ったチューニングらしいので、合う人には合うのかもしれないが私としては全く評価出来ないレベルのイヤホンである。
・音の評価以前に故障を疑ってしまうレベルの音というのが私の印象を一番率直に伝えられると思う、正直確認用にもう一台を貸してもらい2台の音を確認してもまだ「2台とも壊れてるだけじゃ」と思っているほどである。
・TENHZのイヤホンは全体的に印象は悪くなく、好印象なイヤホンもいくつもあっただけに今回は「急にどうした?」と思ってしまうほどであった。
・個人的には申し訳ないが完全にチューニングミス、地雷としか言いようがない機種。