



HIFIMAN ANANDAという現在105,840円にて販売されている平面駆動ヘッドホンのレビューです。こちらはレビュー依頼を受けてもレンタル品になります。
販売サイトはこちら
特徴等
・平面駆動ヘッドホンでNEO supernano Diaphragmという非常に薄い振動版を採用している(そのおかげで駆動力は平面駆動の割には必要としないらしい)
・着脱ケーブルは3.5mm端子を採用
・装着感は非常に良好で長時間の使用でも問題無い。重量が399gと据え置きヘッドホンとしては平均的な重さであり、重さのバランスも良いので重さによる首への負担はあまり感じられない。(HIFIMANは昔の機種はかなり重たく装着に難アリだったため非常に進歩したなと思う)
・音漏れ、遮音性は開放ヘッドホンなので当然悪い。
音質評価 97点
・音は非常に良い、10万円と決して安いヘッドホンでは無いが、この価格も全く高くないと感じさせる実力のある機種である。
・音の大まかな印象は「解像度の高いスッキリとした音で非常の音の粒立ちの良く1音1音の情報が耳に飛び込んでくる。出音の自然さに加えて音の立体感の表現が非常に上手く、ヘッドホンで聴いていることを忘れさせるような実像感のある音である。
・駆動力は勿論きちんとしたヘッドホンアンプ環境はあったほうが良いのだが、平面駆動の割には結構鳴らしやすいほうだと思うのでDACのヘッドホン端子等の単体ヘッドホンアンプ以外でも事足りることが多い気がする(平面駆動は鳴らないやつは本当極端に鳴らないのでw)
・駆動力は勿論きちんとしたヘッドホンアンプ環境はあったほうが良いのだが、平面駆動の割には結構鳴らしやすいほうだと思うのでDACのヘッドホン端子等の単体ヘッドホンアンプ以外でも事足りることが多い気がする(平面駆動は鳴らないやつは本当極端に鳴らないのでw)
・HIIFIMANのヘッドホンはHE-6、HE-500といった旧世代は中、低音域が濃く重みのある音の物が多かったが、最近のHIFIMANは非常に解像度が高くスッキリとした音でありながらナチュラルな嫌味の無い音を鳴らしてくれる機種が多い気がして、このANANDAもそういった傾向のヘッドホンである。
・音の傾向は非常にフラット、厳密にいえば少しだけボーカルは少な目かもしれないがバランスとしては私の聴感上はかなり自然と言える。
・音の傾向は非常にフラット、厳密にいえば少しだけボーカルは少な目かもしれないがバランスとしては私の聴感上はかなり自然と言える。
・音場は広め。小ホールのような制限のある音場ではなく、制限の無い広い音場の中に音が浮かび出るようなイメージで、あまりヘッドホンでは感じた事が無いような実像感のある音を鳴らす。
・高音域はサッパリと綺麗な音を鳴らす。一聴して解像度が高くスッキリ見通しの良い音が鳴っていることがわかるが、よく聞くと音の情報量も非常に多く、ドラムのハイハットや、音の表情の付け方といった今まで気が付かなかった工夫の1つ1つまで感じ取れるような非常に精密な解像度と情報量を持った音である。高音域の質感は少しHD800等と似ているように思うが、HD800より少し高音域の強調感は抑えられており自然な音を保っている印象。
・中音域は癖が無く自然な音をあるがままに鳴らしてれる。ボーカルの表現は誇張の無い自然な音でありながら、情報量の多さと解像度の高さから音の余韻までキッチリと感じられる非常に質の高い音を鳴らしてくれる。良い意味で味付けが無さすぎて特にいう事も無いという感じ。
・低音域はかなり分離が良く粒立ちの良い音を鳴らしてくれる。音の分離が非常に良くテクニカルデスメタルのような音源も余裕で分離してくれるのだが、音の輪郭に強調が無く、自然に粒立ちの良い1音1音が耳に飛び込んでくる非常に快楽性の高い音である。音の傾向としては少しサッパリめの音であり、一部の重低音を強調するタイプでは無いので重低音の深みをしっかりと聴かせるような音源では少しサッパリしすぎるように感じる面もあるが、重低音の表現力自体は十分優れているので量感で不満が出る可能性以外は全く問題ない。
・相性の良い音源は、基本的に何でも上手く鳴らすヘッドホンだが音の粒立ちの良さからテクニカルデスメタル、メロディックデスメタル等では特に音の気持ちよさを感じられる。また明るいアニソン、ロック、パワーメタルといった明るい音調の音源もサッパリとした音の傾向のヘッドホンであるため相性が良い。
・相性の悪い音源は、基本的にはあまり無いのだが、厳密にいえば全体的にサッパリとした音の傾向のためドゥームメタル、ブラックメタル、ジャズ等といった余韻の良さや深みのある低音域を強調する音源とは比較的相性が悪い。

音のバランス
高音域□□□□□
中音域□□□□■
低音域□□□□□
オススメ度 98点
・非常に解像度が高く、音の粒立ちの良さや高音域の見通しの良さが一聴してすぐに感じられ、聴き始めてすぐに「なかなかええやん」と思わせてくれる説得力のある音である。10万円という価格は安いものではないが、同価格帯のヘッドホンと比較して10万円という価格が全く高くないと断言できる魅力の詰まった機種である。
・HIFIMANのヘッドホンは良くも悪くも「マニア向け」という印象があり、実際旧世代のヘッドホンは装着感に難があったり、音は良いものの癖のある音のものが多かったのだが、最近の同社のヘッドホンは非常にスッキリと見通しが良く癖の少ない人に勧めやすい製品が多く非常に進歩したなと思える。装着感も良いし正直聴いていて不満に感じることが無く、昔のHIFIMANヘッドホンのイメージが頭にある自分としては少し不思議な感覚であるw
・解像度の高いヘッドホン、音の粒立ちの良いヘッドホンが欲しいひと。そして単純に10万円クラスで出来るだけ質の高い音のものが欲しいという人に勧めたい逸品である。この粒立ちが良く情報量の多い音は「ヘッドホンの高級機って凄いんだな」と感じさせてくれるのに十分な説得力と魅力を持った音である。