
フジヤエービックさん主催の2018秋のヘッドホン祭に行ってきました。今回も快晴での開催となり、一時期の「フジヤのイベントは天気が荒れる」というイメージは払拭されたかなと思います(少し前は大雪やら台風やらでの開催のイメージが強かったw)
また、今回もうち主催でオフ会を開催しましたので、そのことについても最後に触れたいと思います。
毎回のことですが、あくまで試聴、しかも短時間かつイベント会場の騒音下での試聴ということで、基本的にアテにならない物と思って見てください 。


ATH-CK200tiとCM200ti
CK200tiはオーテクのチタン製品らしい、少し金属的で派手な明瞭サウンドで結構良かったのですが、ATH-CM200tiがどうもかなり微妙な印象でした。高音域はあまり伸びが無いし、全体的に音が軽めだし、何だか手持ちのCM700とかと大差無いなぁと思いながら聴いていました、久しぶりのインナーイヤー高級機ということで個人的にも非常に期待していただけに大分残念な印象。

ATH-AP200Ti
金属的で派手なキラキラサウンドで、良い意味でいつものオーテクチタン製品らしい音のヘッドホンでした。ATH-A2000系統よりも音の響きが適度に抑えられているおかげで、派手な音でありながら整理された嫌味の無い音に仕上がっているのが好印象。個人的には結構好き

ATH-L5000
全体的に濃いめの音で中低音域に厚みのある音でしたが、高音域の表現力はあまり良くは思えなかったですし、正直これで約50万円と言われてしまうと「うーん??」と思ってしまうのが本音。ATH-L3000もあまり良い音とは思えなかったし、このレザーハウジングに価値を見出せないのよね

ULTRASONE Edition11
可もなく不可も無く。UltrasoneのS-logicらしい癖があまり感じられなかったのですが、代わりにUltrasoneに感じられた独特の音場やキレの良い音も感じられず、良くも悪くも非常にふつーのヘッドホンだなぁという印象でした。ヘッドホンなのにリケーブル端子がイヤホンのカスタム2pinだったり、何か最近のUltrasoneの迷走っぷりを体現したような製品に思えました。

QUAD ERA-1
最初に17万円で販売されているヘッドホンだと聞かされたので、見た目はプラスチッキーで安っぽいし、音も高音域の伸びきらなさが気になるしかなり微妙だなと思っていたのですが、現地では599ポンド(8万8千円くらい)で売られているものだと後から知り苦笑い、、、w 正直599ポンド想定でもあまり良い印象は無かったですし、国内価格なら論外ですね

FPS F01B
FPSという平面駆動スピーカーのユニットを作っている会社のヘッドホンということで期待をしていたのですが、これがなかなかに残念。全体的に変に音が遠いですし、明らかに安っぽいプラスチッキーな変な音の響きが乗っていて「ドライバの制動が全然上手くいって無いんだろうなぁ」と聞きながら露骨に感じてしまう印象でした。これは今回のヘッドホン祭の中で一番ガッカリしたも製品。FPSのスピーカーユニットは音良いのに、どうしてこうなった、、、

Victor HA-FW10000
18万円前後とかなり高価なイヤホンですが価格が納得出来るくらいには良かったです。小型でありながら非常に広く感じられる音場と、明瞭でありながら嫌味が無くスーっと伸びていく高音域、ナチュラルでありながら要所で感じられる深みがあり情報量の多い低音域と、もっと長時間聴いていたいなと思える非常に良いイヤホンでした、、、これは結構欲しい

Wear Space
横の視界を遮ることで集中を高めるアイテムということで、完全なイロモノだと思っていましたし、正直プレスリリースが出た時は装着画像を見て相当バカにしていた側だったのですが、、、これが非常に良い。これを付けて製品のデモ映像を見て集中力の高まりを体感できるようになっていたのですが、予想以上に効果がありますし、ヘッドホン部もノイズキャンセルで外音を遮断してくれるため非常に快適、、、これは試してみないと良さが分からないタイプの製品ですね、悔しいけど予想外に良かったのでクラウドファンディングで出資してしまいましたw

Final E1000
E3000よりE2000に似た音造りで少しスッキリめの音で、かつ低音域にしっかりとした重みを感じられるバランスのとれたイヤホンという印象でした。正直E3000、E2000を持っている人が買い足す必要は全く無いと思いますが、音の出来自体は良かったので知り合いのプレゼントやイヤホン入門の1本目としては非常に良い選択肢になりそう。

Moondrop A8
非常にバランスの良いスッキリとした音でなかなか好印象でしたが、個人的にはもう少し高音域が煌びやかに主張してくれたらなーという思いもありました(moondrop liebesleidの高音域の主張の仕方が大好きだったので)8BAで600ドルくらいと結構いい値段のするイヤホンですが、十分その価値は感じられるものでした。

LZ A6
まんまLZ A5の正統進化という感じの音で、スッキリとした音でありながらLZ A5の音の派手さをもう少し抑えつつ、音の情報量を上げ細かい音のニュアンスまで更に感じ取れるようになったイヤホンという印象でした。背面のボタン部分はインピーダンスの調整で音が変えられるようになっているのも非常に面白いしLZ A5より少し高いくらいを想定と言われていたので、これは非常に期待


Kojoの真鍮イヤホン試作
全体的に音のキレを良くしようとし過ぎて人工的で変な音になっているなーという印象でした、何というかゼンハイザーのHD25をイコライザで無理やり音のキレを更に上げようとした音みたいな印象。まだ試作とのことなので今後に期待。関係ないけど試聴を待っている間にメーカーのTwitterアカウントのフォローを斡旋されるのはわかるけど、売り子として呼んでいるモデル?の個人アカウントのフォローまで斡旋されたのは正直意味不明でした(苦笑

ibasso DX120
癖の少ない聴きやすい音でDX200よりDX150の音の傾向に近くかなり好印象でした。駆動力もそれなりにありそうでしたし、操作性も良かったので4万円を切る価格を考えたらかなり良い選択肢になりそう。結構欲しい。
以上でヘッドホン祭で聴いたものの感想は以上になります。(他にもいくつか試聴したものはありますが、記憶が曖昧だったり印象が薄かったものが多いので)
最後にネガティブな話をしますが、今回のヘッドホン祭は最近のヘッドホン祭の中ではダントツに来場者、出展企業ともに少なく結構寂しい印象がありました。相当スペースが余っていたようで、各階に今まで設けられていなかった休憩スペースが設置され、そのうえに別途予備スペースが確保されていたり予想より大幅に出展が少なかったのは明らかなようでした。最近ではポタフェスに勢いで負けており、今回は出展価格を大分下げたという話も小耳に挟みましたし、ポタフェスとの勢力差が大分出てきてしまったように思い残念な限りですが、正直最近のヘッドホン祭をみる限り「そりゃ、そうなるわな」という印象は結構個人的にはあります。
色々な原因はあると思いますが、その中でもヘッドホン祭は今までにやってきた業界内の内輪ノリの空気をイベントとして推し出してきたツケが今この状況になっているのではないかと、私はどうしても思ってしまいます。Eイヤの女性店員のカラオケ歌唱をイベントとして企画したり、評論家とメーカー社長の「イヤホン漫談」なんて画像を作って公開したり、AK500Nを無理やり背負ってポータブル化した画像を業界関係者が喜んで拡散し合ったり、そういう何とも言えない内輪ノリの空気の積み重ねがヘッドホン祭の規模を狭めていったように私はどうしても思ってしまいます。実際Eイヤのポタフェスではそういったものは無く、非常に真面目に運営されている印象があり、私の中でも「硬派で真面目なヘッドホン祭」というイメージは完全にポタフェスの印象と逆転してしまいました。
個人的にはヘッドホン祭は昔からお世話になっていて思い入れもありますし、また以前のような硬派なイメージのイベントとして再起してくれることを期待しています。「毎回参加して楽しませてもらっている癖に何様だ」と思われる方も居るかとは思いますが、それでも今回は「再起」という言葉を使いたくなるくらいには今までのヘッドホン祭とは賑わい方が違っていた印象であり、色々思うところがあり記載をしました。


http://blog.livedoor.jp/headphone_metal/archives/52401911.html
今回のヘッドホン祭でもオフ会を企画してみました。
今回は初めてヘッドホン祭と同じ会場の中野サンプラザの54人定員の会議室を借りてみましたが、最終的に40~45名程度の方にご参加頂き非常に賑やかなオフ会となりました。




今回はヘッドホン祭会場から直結のオフ会ということもあり、NiceHCK、Kinboofi、S'NEXT、七福神商事、伊藤屋国際、HIFIMAN JAPAN、634EARS様にご協力頂き、企業から持ってきて頂いた試聴機だけでもかなり色々楽しめるオフ会になったと思います。
こうやって企業からの協力を頂き試聴機を置くことに賛否があることは知っていますが、こうやって試聴機を持っていただくことで、初対面の方と話すことが苦手な方が参加されても最低限メーカーの試聴機群だけは楽しめるといった安心材料になるかなと思っており、今回のように色々な試聴機を持ち寄って頂いていることに非常に感謝しています。



勿論企業の試聴機だけではなく、参加者の方々の持参品も色々聴くことが出来て私自身も非常に楽しませてもらいました。もっと色々なテーブルの様子を撮っておけばよかったのですが、何分来場者対応だけで地味に忙しくて、、、('д` ;)
次のオフ会の予定はポタフェスの12月15日 土曜日 16時~20時に秋葉原で開催予定になります。
まだ気が早いですが、早めに場所抑えておかないと予約取られちゃうので会場は既に予約済みです。(今回のヘッドホン祭オフ会は会場直結であったので色々な企業にご協力頂けましたが、次回のポタフェスオフ会はもっと小規模になる予定ですので、同規模のオフ会は期待しないでください('д` ;))
オフ会に参加して頂いた方々本当にありがとうございました。こういったオフ会は需要があるうちは可能な限り続けていきたいと思いますので、また予定が合えば是非参加を検討して頂けたら幸いです。