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HIFIMAN RE800という現在
82,080円にて販売されているダイナミック1発イヤホンのレビューです。今回はHIFIMAN JAPANさんからのレビュー依頼があり試聴機をお借りしてのレビューになります。(その後そのまま試聴機を買い取りました)
In-Canal Earbuds Rankingこちら

特徴等
・ポロジーダイヤフラムを採用した9.2mm ダイナミックドライバー1 発構成。トポロジーダイヤフラムはダイヤフラムの表面に特殊なメッキ処理をしたものとのこと。
・筐体は真鍮ハウジングに24K金メッキを施した物を使用。
・銀メッキ銅ケーブルを使用。
・筐体はとても小さく装着感は非常に良い。
・遮音性や音漏れ防止は一般的なカナルと同等という印象で特別優れている印象も悪い印象も無い。
音質評価 □□□□□ 78点
・音質はなかなか良い。10万円近いイヤホンという物を殆ど所持していないので価格に対してどうかは言いにくいが8万円という価格なら悪く無いのではないだろうか。
・音の大まかな印象は「高級イヤホンには珍しいドンシャリ気味の派手な音。高音域の金属的なキレのある鮮烈な音や、しっかりと重低音から再現された質の良い低音域が好印象。ただし全体的に刺激的で派手な音なため刺さる音が苦手な人には向かない」
・今回は1枚目の画像にあるようにに付属の1段フランジ?のイヤーピースの音を基準にしたレビュー。デフォルトの灰色の2段フランジのイヤーピースに変えると低音域が減り、高音域の明瞭さは際立つのだが低音域の重みや立体感が削がれる印象があった。
・音の傾向は少し低音域寄りのドンシャリ、灰色2段フランジを使用した場合は少し高音域に寄ったドンシャリ。
・音場は一般的か少し広めか、あまり演出的な音場の広さは感じないが金属筐体の響きにより適度で自然な音の広がりを感じる。
・高音域はかなり明瞭な音が出るが、金属的で少しピーキーな音なため好みは分かれそう。かなりサッパリと歯切れの良い高音域で煌びやかな音をしっかりと刺激的な音で鳴らしてくれる、そのためドラムのシンバル音等の刺さりがちな音も軽く刺さり気味に鳴らすため、そういう刺激の強い音が苦手な人には向かないが、個人的にはシンバル音等は実際の楽器も刺さる音なのでむしろRE800のような少し刺さる高音域のほうが自然に感じる。
・中音域は量的なバランスは少な目だが、音の分離の良さもあり凹んで聴こえる事は無い。ボーカル帯域は少し広がりがあり伸びの良い音を鳴らし、ボーカルのロングトーン等が余韻までしっかりと再現され気持ちよく聴くことが出来る。
・低音域は重低音の下支えのしっかりした聴きごたえのある音が鳴る。個人的にこのイヤホンで一番良く感じたのがこの低音域で、余計な音の膨らみを持たせず純粋に筐体の響きにより適度な音の広がりを持たせ音の窮屈さを感じさせず、それでいてしっかりと重低音からの下支えがありイヤホンとしては珍しいと感じるほど深く重みのある音を鳴らしてくれる。他の色々なイヤホンでもこの重低音の下支えがあるという表現は使ったが、ここまでしっかりとした重みのある低音は今まで聴いたイヤホンの中でも相当珍しい部類である。
・全体的な音の分離は非常に良く、テクニカルデスメタルのような音源も全く問題なく分離して再生される。(CryptopsyのShag Harbour's Visitorにて確認)
・相性の良い音源は、ハードロック、デスメタル、プログレ等。イヤホンとしては珍しいくらいしっかりと重みがある低音域を再現してくれるため、少し重めな音を鳴らすバンドサウンドと非常に相性が良い。
・相性の悪い音源はクラシック音源等の生楽器を主体とする音源は、全体的な音のバランスがドンシャリで少し演出的である事から、よく聴くと音の質感に少し違和感を覚えるところがあり聴けない事はないがあまり相性が良いとは思えない。
音のバランス
高音域□□□□
中音域□□□■
低音域□□□□□

オススメ度□□□□ 78点
・このしっかりとした下支えのある低音域はかなり貴重であり、こういう音はダイナミックドライバのイヤホンじゃないと出せないよなぁとダイナミックドライバの良さを再確認させてくれるイヤホンだと思うのだが、音造りとして全体的に派手で好みはかなり分かれそうな音である事からこの点数。もう少しドンシャリ具合が抑えられていれば個人的には完璧だった。
・同価格帯にはSennheiserのIE800があり、こちらもダイナミック1発で非常に質の良い低音域を鳴らすが正直かなりゆったりと膨らみのある低音域でメタル音源との相性は正直良く無かった。RE800はそういった荒々しい音源とも非常に相性が良く高級イヤホンとしては珍しい音造りであり、バンドサウンドをノリ良く聴くイヤホンとして非常に良い選択肢ではないかと思う。
・音のバランスはドンシャリで正直万人ウケするタイプの音造りではないと思うが、私のように荒々しい音源をメインに聴く人にはドンピシャでハマってくれるイヤホンではないかと思う。