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Binary Acoustics EP-1というシングルBAで通常価格146ドルと強気な価格のイヤホンです。いつも通り合言葉の「METAL」を伝えて頂くと120ドルにて販売して頂けるそうです。
販売サイトはこちら 割引方法はこちら In-Canal Earbuds Rankingこちら
特徴等
・オリジナル(カスタムモデル?)なBAドライバを使用
・筐体がとても小さく耳の奥まで入れる事が出来る。耳の奥に入れる事で音質が向上するとい考え方で、同じような考えの製品にFianl F7100やAAW Qといった製品がある。
・装着感は良好。ただし耳の奥までしっかりとハウジングが入るので、慣れるまでは他のイヤホンより違和感を覚えるかもしれない(私は最初の2日くらいは違和感があった)
・タッチノイズは大き目、外出先でも電車等で使用する分には問題無いが歩きながら使用する際には耳かけにて使用したほうが良い(4枚目の画像のように耳かけ用のイヤーハンガーも付属する)
・遮音性、音漏れ防止は比較的優秀。筐体に音抜け穴は小さい穴が1つしかなく、筐体は耳の奥まで入りしっかり密閉される事から、遮音性や音漏れが問題になる事は無いだろう。
・イヤーピースは音の出口の径が小さめの物と大き目の物が付属する。径が小さめの物のほうが音的に良いと感じたので今回は、径の小さいイヤーピースを使用しての音でのレビュー。 

音質評価 □□□□■
・音はなかなか良い、120ドルという価格なら満足度は高いだろう
・音の傾向は軽く中音域寄りだが基本的にはフラット
・音の大まかな印象は「良い意味で非常に音楽的なイヤホン。シングルBAらしい中音域の生々しさと、少し温かみのある音が特徴的で少し広がりのある音でありながら、しっかりとした分離の高さからジャンルを選ばず聴ける事が非常に好印象。FinalのHeavenⅤやHeavenCが好きだった人は気に入る人が多そう
・非常に雰囲気造りの上手い機種で、全体的に少し広がりがありゆったりめの音造りなのだが、しっかりと分離が良く 音自体はとても歯切れの良い音が鳴る。
・音場は広め、上手く筐体の響きを生かしている印象でイメージとしては中程度の大きさのホールで聴いているような音場の広がりがある。
・高音域はなかなか明瞭な音を鳴らす。シングルBAにしてはドラムのシンバル音のようなキラキラとした音がしっかりと鮮やかな音で再生されレンジの広さがが感じられる。そして音の伸びが非常によく、少し刺激的でキンつくような音がしっかりと刺激的な音のまま再生される割には、刺さって聴こえたり耳につく印象がなくスッと余韻として消えていく。鮮やかでありながら音に嫌味の無いとても上手い音のバランスに纏まっている印象。
・中音域は帯域のバランスとしては少し多めに感じられるが、変にボーカルが前に出てくる印象は無い。ボーカル帯域に関しても音の伸びの良さが生きており声の立ち消える余韻までしっかりと再現してくれる。そして、音の質としても非常に自然で生々しいボーカル帯域が、少し広がりのある音で再生され声に包まれるような非常に心地よい音が聴ける。
・低音域は少し広がりのある音でありつつも、分離の良い音を鳴らす。少し広がりのある音ではあるのだが、出音自体を加工しているわけでなく、素直な音を筐体の響きで上手く心地よい音にしている印象なため、音に変な癖は感じられない。そして全体的に優しめで広がりや余韻の良さが印象に残る音造りでありながら、デスメタル音源もしっかりと分離してくれ、テクニカルデスメタルも極度に音数を要求する物でなければしっかりと分離してくれる事には非常に驚いた。(Cryptopsy Shag Harbour's Visitorでは十分に聴ける音ではあったが、流石に少し音が被る印象があった)
・相性の良い音源は、歌謡曲、POPS、バラード、ジャーマンメタル、ピアノ等か。基本的にどんな音源でも上手く鳴らしてくれるのだが、ボーカル帯域の表現力が非常に高いのでしっかりと歌唱力の高いボーカルの曲を、しっかり腰を据えて聴くのに向いている印象がある。このイヤホンで聴くCHAGE and ASKAは本当に聞惚れるような良さがある。
・相性の悪い音源は、敢えて上げるならテクニカルデスメタルやスラッシュメタルだろうか、音の分離は良いため疾走感も意外とちゃんと得られるのだが、それでも全体的に優しめで広がりのある音造りなため、音のエッジの際立つような音源では物足りなさを感じるかもしれない。
音のバランス
高音域□□□□
中音域□□□□■
低音域□□□□

オススメ度□□□□■
・音は文句なく良いと言っていい。正直最初は「中華イヤホンで新興ブランド、それでシングルBAで100ドル以上」という事でちゃんと良い音鳴るのか?と思っていたが、非常に音楽的な上手い音造りで非常に好印象。
・金属的な響きによって、音の広がりや余韻の表現が上手いイヤホンというと私はFinalのHeavenシリーズやElecomのAquaを思い浮かべるのだが、このイヤホンはそれらよりも音の響き自体が少し短いため、音の広がりや余韻の良さはきちんと感じられつつも、色々な音源に対応しやすい歯切れの良さを持ち合わせた機種になっていると感じる。FinalのHeavenⅥのような強烈な個性のあるタイプのイヤホンではないが、どんな音源でも気持ちよく聴ける非常に上手い音造りとなっている印象。
・ボーカル帯域の生々しさを重視する人や、あまり刺激的な音ではなく優しい音造りのイヤホンが好きな人にお勧めしたい機種。