
Daruma AudioのKEN01という2BA1D構成ハイブリッドイヤホンのレビューです。定価は17,200円 ですがミミゴトというクラウドファンディングサイトにて13,760円から購入することが可能です。
今回はダルマオーデイオさんから直接のレビュー依頼です。ダルマオーディオさんは過去にも音決めをしている技術者の方の名前を推しだした製品を出しており、今回は新しく採用した若手エンジニアさんの作品のようです。
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先に言っておきますが、少し厳しめの評価となります。

要約
「非常に元気な良くも悪くもハイブリッドらしいドンシャリの派手な音。楽しく聴ける音造りではあるが、正直一聴して2BA1Dという構成がわかるくらいで面白味はあまり無い」
良い点
・非常にノリが良く元気な音
・ハイブリッドらしい低音域の力感のある音
・筐体が今までのダルマオーディオの中では小さめで装着感が良い
悪い点
・高音域が結構刺さり聴き疲れしやすい
・良くも悪くも2BA1Dと聞いて「でしょうね」と思う、わかりやすいハイブリッドっぽい派手な音

音質評価 80点
1、全体的に音の輪郭のハッキリとした明るく元気な音。低音域の力感の強さがありつつ、音の分離性能が高いのは好印象だが、ドンシャリ傾向が強いので好みが分かれる。
音は悪くは無いですが、一言で言ってしまうと「ハイブリッドらしい音だよね」というのがわかりやすい印象で、正直あまり独自性を感じないのが本音だったりします。
音の傾向としてはドンシャリ傾向が強めで、ダイナミックの低音がガツンと耳に来つつ、全体的に音の輪郭がしっかりとした明るくノリの良い音になっています。ただ、傾向としてドンシャリが強く、高音域のシンバル帯域やボーカルの歯擦音が刺さり気味に再生されます。基本的に私は刺さりに大して寛容なほうなのですが、それでも気になるのでここは好みが分かれると思いますね。

音のバランス
高音域 □□□□
中音域 □□□
低音域 □□□□■
2、音のバランスは低音域寄りのドンシャリ。全体的に明るく派手な音で、音の輪郭の強調感がそれなりにあるのが好みが分かれそうだが、とてもノリが良く楽しく聴ける音
音のバランスは低音域寄りの強めのドンシャリ傾向。音場は広くも狭くも無く。
高音域
非常に明るくハッキリとした音ではありますが、ドラムのシンバル帯域が結構ピーキーに鳴る印象があり刺さりは感じやすいです。低音域の量感が強いバランスでありながら、高音域も全く埋もれることなく非常に煌びやかに鳴ってくれはするのですが、刺さりをあまり気にしない私でもそこそこ気になるくらい刺さりは強めなので、ここは好みが分かれると思います。
中音域
中音域は音のバランスとしては全体の中では少ないですが、音の分離は全体的に良いので埋もれることはありません。ボーカルの質感は、変に音像を拡大させることなく適切な定位で鳴ってくれて、変なクセもそんなに無いのが好印象なのですが、ボーカルの歯擦音が刺さりとしてそこそこ気になります。
低音域
低音域は量感がありつつ、全体的に引き締まった非常に力感のハッキリとしつつ分離の良い音を鳴らします。非常にロック、メタル系のスピード感のある音源と相性が良いノリの良い音で楽しく聴けるのですが、全体的に音の輪郭を強調した感じがそれなりにあるので、良くも悪くも音に演出感はあります。

おススメ度 79点
3、悪いイヤホンでは無いが、正直わかりやすいドンシャリでもっと尖った音だったり、独自性のある音でも良かったのではと思ってしまうのは本音。
悪いイヤホンではありません。2万円を切る価格帯のイヤホンとしてはノリが良く楽しく聴ける音色としては悪くないです。ですが、なんというか一聴して「うん、わかりやすい2BA1Dの音だね」と思ってしまうような、割とありきたりな音なので、せっかく技術者の名前を出してやるなら、もっと尖った音だったり、このイヤホンにしか出せないような独自性のある音のほうが面白かったんじゃないかなというのは本音です。実際同社のTonyチューニングとかは良くも悪くも独自性のある音を出してくれるものが多いですしね。
ちょっと厳しめに書きましたが、ダルマオーディオの音をチューニングした人の名前を大々的に出して売っていく戦略自体は結構好きなので、応援したいと思いますし、この方のチューニング製品も今後の発展に期待したいです。