
Tempotec V6というDAPのレビューです。この製品は300ドル以下でKickstaeterにてクラウドファンディングでの出資募集という形で販売される予定の製品となっています。今回は縁があって一足早く試させてもらっています。こちら輸入のみの製品で現在国内版は予定されていない製品かつクラウドファンディング商品のため諸々自己責任でお願いします。(クラウドファンディング製品なので、付属品や仕様等が変更されることとかもあり得ます)
メーカーサイトはこちら Kickstarterはこちら

大まかなスペック
・DAC:AKM AK4493SEQ x2
・OS: Android 8.1
・CPU:Snapdragon 425
・RAM:2GB
・ROM:16GB
・ヘッドホン出力:4.4mm、3.5mm
・ラインアウト出力:4.4mm、3.5mm
・オペアンプ:OPA1612×2、2OPA1688 ×4
・TIDAL、Spofity、Qobuz、Deezer、Apple music対応(ただしAndroidバージョンが古いので自己責任)
・Bluetooth:LDAC、AAC、UAT、APTX、APTX-HD、SBCの送受信対応
注目ポイント
・AKM AK4493SEQ x2を積んでいながら300ドル以下とかなり安い。
→AK4493SEQ x2となるとAstell&Kern SE180 SEM4と同等になります。他だとShanling M6 UltraがAK4493SEQ×4積んでいますが、個人的にデュアルより上積むのはそんなに意味あるのかなぁと懐疑的。
・ラインアウト出力が3.5mmと4.4mmが独立して付いている。
→4.4mmのラインアウト出力が独立して付いているというのは結構貴重で、Cayin A02やibasso AMP12BL等のアンプカードが交換できるDAPでオプションとして購入するものが殆どで、300ドル以下のDAPでというのは他には無いかなと。
良い点
・音は非常に良い。非常にハキハキとした分離の良い解像度の高い音でありながら、中低音域に厚みのある良い意味で音楽的な音。
・4.4mmと3.5mmの独立したラインアウトは貴重で、ラインアウトの出力も聴感上優秀
・全体的に質感が高くビルドクオリティが高い。
・最初から質感の高いケースが付属しておりケースを買う必要が無い。
・BluetoothがLDACやAPTX-HDで受信ができる。(ibassoのDAPみたいにLDACは送信のみとかいうことはない)
・Android端末としては化石スペックだが、オフラインでDAPとして使う分にはレスポンスの問題はなくサクサクと使える。
悪い点
・Android製品としては化石スペック
・Androidバージョンが古いのでWIFIに接続しての使用はあまりおススメしない(DAP界隈は古くてもOKって風潮ありますけど個人的には無し)
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1、音は非常に良い。全体的に解像度が高く分離のハッキリとした音で、それでいて中低音域に厚みのある良い意味で音楽的な鳴り方の音。
音は非常に良いです。全体的にカッチリとした分離の良いハッキリとした鳴り方なのですが、音の輪郭に強調感は無く純粋に高解像度な引き締まった音という印象があります。それでいて、中低音域がなかなかに厚みがあり、バーブラウンのオペアンプを採用した製品に多い深みのある中、低音域が非常に音楽的で楽しい音を鳴らしてくれます。最近のDAPというと、どちらかというとDACチップの進化もあり「物凄い高解像度だけど、ちょっと味気ない」ようなサッパリした音を鳴らす製品が結構多いのですが、このDAPは高解像度でありながらも、中、低音域の厚みと深みのある音が鳴ってくれるので、楽曲を選ばない汎用性の高さを保ったまま、適度に音楽的な味のある音が鳴ってくれるのが非常に好印象ですね。

2、3.5mmと4.4mmのラインアウト端子が独立して付いておりポータブルアンプでの使用で便利。ラインアウトの質も音を聴く限り良さそう(ポリューム可変可)
このDAPの一番の魅力は個人的にラインアウト端子が4.4mmと3.5mmで独立したものが付いていることです。ラインアウト端子というのは最近はそんなに珍しくないのですが、ヘッドホンジャックと兼用で切り替える方式だったり、3.5mmしかないのようなケースが殆どであります。4.4mmラインアウトは現状だとCayin A02やibasso AMP12BL等のアンプカードが交換できるDAPでオプションとして購入する必要があることが大半で、そこまで揃えると10万円以上はしてしまうことが殆どなのですが、このDAPは300ドル以下でありながら4.4mmと3.5mmのラインアウトに対応しているため、最近人気があるうつせみワークスさんのSound Tiger等のような4.4mm入力ができるポータブルアンプと組み合わせることができます。
私は4.4mm入力に対応したポータブルアンプを所持していないため、今回はDgE. Digi-gen EngineeringさんのDGEHPA-001というアンプに3.5mm入力をして試してみましたが、ラインアウトの質感も非常に優秀で、ヘッドホンアンプとは少し違う方向性のとてもクセの無い解像度の高い音を、タイトに伝送してくれる印象があり、背景の音がとてもクリアで全体的にレンジの広いとても質感の高い音を鳴らしてくれます。ラインアウトを使う前提で、比較的安価なDAPを探すのなら現状コレ1択といって良いくらいに魅力がある製品だと思いますね。

3、化石スペックではあるものの動作は軽快。ただAndroidのバージョンが古いのでWIFI経由でのサブスクの運用は正直おススメはしない。LDACやAPT-HDといった高音質Bluetooth規格の送受信に対応しているので、そちらをおススメ。
Android 8.1、Snapdragon 425、RAM2GBと正直WIFI接続をするAndroidの端末としてはお世辞にも褒められたものではない化石スペックです。Androidのバージョンが古いこともあって、正直WIFIでのサブスクの運用は一応は動くものの個人的にはおススメできません。
しかし、オフラインでSDカードの再生をする用途で使う、もしくはBluetoothの入力でLDAC、APTX-HD等を入力して使うには特に問題なく軽快な動作をしてくれます。動画を見てもらえればわかるように、オフライン時であればストレス無いレスポンスで動作してくれますので、そちらでの使用をおススメします。Android積んでるのに古いOSじゃ意味ないやろーと思う人も多いと思いますし、正直私もそれは正論だと思うのですが、DAPにおいては化石スペックでもOKって風潮がオーディオではありますからねぇ(苦笑


4、300ドル以下という価格でありながら、最初から質感の高いケースが付属しており、液晶保護フィルムも貼られた状態で届くのが有難い。
300ドル以下で販売される製品でありながら、最初から付属品に質感の高いケースが付属しており、液晶保護フィルムも貼られた状態で届くのが地味に有難いです。こういうケースと保護フィルムって、別と購入すると5000円くらい、下手したら1万円近く取られてしまうので、300ドルで最初から付属しているのはかなり有難いかなと。あと、液晶保護フィルムが最初から貼ってあるのは好みが分かれそうですが、不器用で保護フィルム貼るの苦手な私としてはかなり有難い、、、w



おススメ度 87点
5、音は非常によく全体的な質感も高い。オフラインで使う場合やBluetooth接続で使う製品としては非常にレベルの高い製品。4.4mmのラインアウトが付いている製品はかなり貴重で重宝する製品。
音はとても良かったですし、何よりこの価格でラインアウトが3.5mmと4.4mmに対応しており、ラインアウトの質感も高いというのが非常に好印象な製品でした。最近は個人ビルダーやガレージメーカーのポータブルアンプの人気が再燃してきており、色々と面白い製品が出ていますので、そういった製品と合わせる用途で買ってみるのはかなりアリな気がしますね。4.4mmの独立したラインアウトがあって、これだけ安い製品って殆ど無いので。ただ、2枚目の画像のように「好きな刻印入れられるよ!」と言われてTwitterのアカウント名を入れてもらったところ、非常に主張の強いDAPになってしまいましたので入れる場合は注意しましょう、、、w