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Fiio Q7という現在749ドルで販売されているBluetooth対応のDACアンプのレビューです。
私は並行輸入で購入したため、並行輸入時に購入したHIFIGOのリンクを貼りつけていますが、並行輸入は色々なところが自己責任となりますので、あくまで個人輸入に慣れていて色々なリスクを理解している人のみHIFIGOからの個人輸入をお願いします。これを聞いて少しでも心配に思った人は国内で代理店経由で買いましょう。(内外差はそこそこありますけど、円相場が不安定すぎるので現状は仕方ないと思います)
販売サイトはこちら 
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注目ポイント
・フラグシップ ESS ES9038Pro DAC チップセット
→同社のFiio M17からDAPとしての機能を抜いてDAC、アンプ部だけを独立したような製品です。なので、DACチップも当然M17と同様にES9038proを使っています。(M17はES9038proを2基、Q7は1基搭載)
・デュアルTHX AMP回路による非常に強力な出力
→最近のFiioはこのTHX AMPを使った製品がかなり多いですね。個人的には押し出しの強い元気な音の製品が多くて好みは分かれるタイプだと思うのですが、駆動力が高くハキハキした音の製品が多いので個人的にはかなり好感持っています。

良い点
・音はメチャクチャ良い。手持ち機材の中で音の粒立ちの良さはトップかもしれない。
・非常に音の分離が良く、全体的に力感のハッキリとした元気な音。Fiio BTR7に音の傾向は似ていて、BTR7の音の傾向を究極に質を良くしたらこうなるのかな?と
・充電はACアダプタではなくUSB-TypeCのみで出来る。(ACアダプタは据え置きとして、バッテリー駆動をせずに使う場合に使用する)
・最初から質の良いケースが付いていて、買ってすぐ使える。
・2.5、3.5、4.4、6.3mmのヘッドホン出力に対応していて、どんな機材でもつながる。
悪い点
・クソデカイ
・クソ重い(620g)
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1、音はメチャクチャ良い。派手な傾向の音ではあるが、解像度が高く非常ハッキリとした音色がとても好印象。
音は非常に良いです。いや、これだけデカくて音悪かったら困るのですが、個人的には期待値を上回る音でした。音の傾向としては結構同社のBTR7に似ています、BTR7も結構派手な傾向の音でキレの良いハッキリとした音を鳴らしてくれますが、このQ7も同様に派手な押し出しの強い音で、キレの良いとてもハッキリとした音を鳴らします。ただ、決定的に違うのは低音域のかなり余裕のある音ですね。低音域がかなり重みがある力感のある音を鳴らしつつも、非常に分離が良くキレの良いスピード感のある音を鳴らしてくれます。これだけしっかりと重みのある音を鳴らしつつも、テクニカルデスメタルでも余裕で分離してしまう解像度の高さは、わざわざこのクソデカイ製品を持ち歩こうという気持ちにさせてくれます。
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2、ヘッドホンも余裕で鳴らせる抜群の駆動力。発熱もポータブルで使う分には全然気にならず、外使いも全く問題ない。
同社のM17と、このQ7は熱暴走対策のファン付きスタンドが付属していて、このせいで「熱暴走するような製品ポータブルで使えないだろ」と敬遠している人が多い気がしていて、凄く勿体ないと思うんですよね。Q7はバッテリー駆動で使うのであれば熱は殆ど持ちません、むしろポータブルアンプとして熱は比較的持たない部類だと思います。なので、外で使うつもりで購入する人も安心して購入してもらえたらと思います。
これだけデカイだけあって、駆動力は抜群でヘッドホンも大抵の製品は余裕で鳴らせます。押し出しの強いハッキリとしたサウンドなだけあって、手持ちだとUltrasone系のヘッドホンは特に相性が良く、手持ちのSignature Proで試してみたところ、Signature proらしい高音域の鮮明さがより引き立つ非常にハッキリとした粒立ちの良い音で鳴ってくれて、それでいて低音域も重みがありつつも分離性能が高い、余裕のある音で鳴ってくれるのが最高です。こういう押し出しの強い音でロックとか聴くと最高なんですよ、、、w
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3、基本的にクソデカイBTR7なので、操作性はイマイチ。でも、そんな細かい操作する製品じゃないしね。
この製品で最初に思ったことは「良い意味で中華らしい思い切りのいい製品だなぁ」というところです。笑ってしまったのは、これだけ巨大な製品でありながら液晶はBTR7とほぼ同じサイズの物を使っています。操作系も殆どBTR7と同じです。そう、基本的にはこの製品は「クソデカイBTR7」なのですwこういう思い切りの良い製品が出せるのが、良くも悪くも中華系メーカーの強みな気がしますね。正直一度スマホと接続してしまえば、細かい操作なんて滅多にすることはありませんので、個人的にこういう割り切った仕様はむしろ有難いですね。無駄にデカイ液晶とか積まれると、今度は割ること心配してラフに使えなくなってしまいますしね。
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おススメ度 99点
4、クソデカイことさえ許容できれば、現状1000ドル以下で一番おススメできるDACアンプ。頑張れば持ち運べるし、これだけの音が持ち歩けるなら頑張ってみようかと思える。

音は本当に素晴らしいです。ハッキリ言ってクセの少ない音ではありません、全体的に押し出しの強い派手めの鳴り方で好みは分かれると思いますけど、逆に言えば最近のFiioのTHX AMPを採用した製品の音色が好きな人は一聴して「何コレ、サイコーじゃないですか?」となるタイプの、本当に唯一無二なタイプの音だと思います。
このQ7は個人的にFiio M17が発売された時から狙っていて、M17が1,799ドルという価格だったのでM17のDAPとしての機能を無くしたモデルであるQ7は良くて1,399ドルとかで出てくるものだと思っていたのですが、予想外に749ドルと自分の想定より大分安く出てきて驚きました。しかも、音も良い意味で「今のFiioらしさ」が詰まった押し出しの強い力感がありつつ、解像度の高い粒立ちの良い音で最高にロック、メタルに合う音で本当に素晴らしいです。
500mℓペットボトルより重い620gという重量級の製品ではありますが、わざわざ持ち歩くだけの魅力は十分ある製品です。今可能な限り安く、ロックに合う押し出しの強い音を求めるのであれば第一に候補に入れてほしい製品です。