unnamed - 2021-11-25T230013.937 unnamed - 2021-11-25T230459.010
ikko OH2という現在9,004円で販売されているダイナミック1発構成イヤホンのレビューです。
パッケージの女性の絵はマグネットになっていて貼って使うことができます。絶妙にいらなくて笑いましたw
Amazon販売サイトはこちら HIFIGOの販売サイトはこちら 

注目ポイント
・Carbon Deposited Dynamic Driverを採用
→カーボン振動板というと、木をメインで使うようになる前のVictorがよく使っていた振動版ですね(今も使ってはいるけど)
・内部基板に24k金メッキを採用
→内部基板の回路部にも24kの金メッキ処理で拘っていますよということ。基板までの拘りを宣伝するイヤホンは結構珍しい気がします。
・IKKO’s Self-Developed SVAS Technology
→詳しくはイマイチわかりませんが、筐体を工夫して音を最適化するような仕組みのようです。

良い点
・音はメチャクチャ良い。1万円以下で間違いなくトップクラスの音。
・良い意味で非常にクセの無い普通の音。とてもタイトでスッキリとした音で誇張感の無い少し寒色系のモニターライクサウンド。
・とても分離性能が高く、機材の音質の違いに気が付きやすい。この値段でありながら、機材比較のリファレンスとしても使えるレベルの高い基礎性能とフラットさを持っている。
・筐体は非常にカッコいい。OH1Sでも思ったが宣材写真で損をしているメーカーだと思う、実機は本当良い色合いでカッコいい。
悪い点
・良くも悪くも普通で地味な音。
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unnamed - 2021-11-25T231633.490ikko OH2
音質評価 99点
1、音は文句なしに1万円以下でトップクラスの実力を持ったモニターライクなクセの少ないイヤホン。非常に分離性能が高く、音のクセも少ない基礎性能の高さが光る良い意味で普通の音。

音は文句なしで素晴らしいです。同社のOH1Sも素晴らしい音でしたが、結構高音域の刺激が強すぎて苦手という人も多く居た印象でした。このOH2はOH1Sより高音域の刺激は弱くなり、全体的な音の分離はそのままに、更にタイトで聴きやすい音になった機種という印象です。帯域バランスは非常にフラットでER-4S等を思い出させる非常にスッキリとタイトな音を鳴らします。良くも悪くも少し寒色なモニターライクサウンドなので、面白みの無い音と判断する人も居るかもしれませんが、分離性能、解像度の高さは文句なしに1万以下のイヤホンとしては現状トップクラスの実力があると思いますし、パッと聴きでは地味に感じるものの、じっくり聞きこむと「この価格で、こんなにクセの無い音出す??」とこのイヤホンの凄みがジワジワと感じられるのではないかなと思います。
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音のバランス
高音域 □□□□
中音域 □□□■
低音域 □□□■
2、高音域はスッキリとした伸びやかな音で刺激も抑えめな聴きやすい音。中音域は分離性能が高くボーカル1人1人の立ち位置までしっかりとわかりそうな定位のハッキリした音。低音域は非常にタイトで分離の良い音を淡々と鳴らす。

音のバランスはかなりフラット、厳密に言えばほんの少し高音域寄りという印象。イメージとしてER-4Sにほんの少し低音を増やしたようなバランスかなと思います。音場は広くも狭くも無く。
高音域は非常にスッキリとした聴きやすい音を出します。刺さりやすい帯域もそのまま鳴らしますが、OH1Sより煌びやかなシンバル等の帯域の音は抑え気味になっているので、比較的聴きやすく明瞭な音を鳴らしてくれると思います。曇りは無く、とても自然な質感で生楽器系の高音域の余韻までしっかりと楽しめる基礎性能の高さがあります。
中音域はクセの少なく、分離性能の高い定位のハッキリした音を鳴らします。個人的にイヤホンで定位というのは殆ど気にしないのですが、このイヤホンは音ごとの定位が非常に分かりやすい印象があります。低音が多い場面でもボーカルはしっかりと同じ位置と音像の大きさで鳴ってくれますし、こういうのが定位の良いイヤホンということなのかな?とこのイヤホンを聴きながら思いました。(数百本イヤホンのレビュー書いていますが、こういう重視していないポイントは沢山ありますw)
低音域はとてもタイトで分離の良い音を淡々と鳴らします。とても分離が良くスピード感のある音で、この寒色で淡々とタイトに鳴る低音域の質感はER-4Sを代表とするモニターイヤホンと同質のものを持っていると思います。この価格帯でこれだけ音の分離がハッキリしていて、タイトで強調感の無い自然な音を鳴らしてくれるのは驚異だと思いますね。また、このイヤホンはダイナミックドライバを使っている恩恵かわかりませんが、ER-4Sのようなタイトな鳴りぐあいでありつつも重低音の表現はそれなりにありますので、低音域の重さもそれなりに感じやすくなっています。なので、モニターライクな音のイヤホンの中でも、比較的ハードロック等の重みのある低音域もしっかり力感を感じやすいかなと思います。
相性の良い音源は、オーケストラ、ロック、パワーメタル、スラッシュメタルなど。とても分離が良く淡々とタイトな音を鳴らしてくれるのでスピード感のある音源や、クセの少ない鳴り方からオーケストラ等の音源とも相性は良いと思います。1万以下のイヤホンでまともにオーケストラを聴けるイヤホンは結構貴重かなと思います。
相性の悪い音源は、低音域はそこまで強くは出ないので、ゴアグラインド、EDM等の重低音の重みを重視するような音源はちょっと面白みが足りないかもしれません。
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3、非常に見た目の良い色合いのシェル。小型で耳の収まりも良く使いやすい。
同社のOH1Sでも思ったのですが、このメーカーは宣材写真で損をしていると思います。宣材写真では非常にプラ感満載で安っぽく感じるのですが、実機はこのメタリックな色合いが非常に綺麗で、とてもカッコよく所有感を満たしてくれるデザインになっています。個人的にも最近の同社のイヤホンのデザインは好きですし、カラーバリエーションも豊富で他人にも勧めやすいイヤホンだなと思います。筐体も小さ目で耳への収まりが良いですし、本当に使い勝手が良く普段使いをしたくなるイヤホンだと思いますね。
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おススメ度 99点
4、間違いなく1万以下でトップクラスの実力を持った名機。ジワジワと基礎性能の高さが感じられるスルメイヤホンでクセの少なさで選ぶならコレ!

音は正直地味です。パッと聴きではピンと来ない人も結構多いイヤホンかもしれないなと思います。ですが、このイヤホンの最大の魅力は「1万以下で、これだけクセの少ない普通の音が出せる」というところだと思います。仕方ないことではあるのですが、1万以下の所謂低価格、中価格のイヤホンはどちらかというと少し派手な音にして差別化を図っている製品が多い印象があります。そんな中でこのイヤホンの非常にフラットでモニターライクな音は1万以下としては結構異色かもしれません。ですが、1万以下でこれだけモニターライクで機材の音の微かな違い、音源の粗までしっかりと表現してくれる、分離の良さと自然な帯域バランスを持ち合わせたイヤホンは他にはなかなか無いんじゃないかなと思います。
ER-4Sとかのモニターライク傾向のイヤホンが好きな人におススメしたい名機です。クセの少ないイヤホンこそ、意外と一番飽きのこない音だったりします。こういうタイトな音が鳴る、良い意味で普通のイヤホンって大好きなんですよね。