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ikko ITM01という現在8,500円で販売されているUSBスティックDACのレビューです。最近はこういった小型のDACアンプの製品が充実していますね。

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注目ポイント
・3つの表現モードを選択可能
→Music、Movie、Gameの3モードから好きなモードを選択できます。側面のLEDの色でモードがわかるのもなかなか綺麗で良いです。
・DACチップにESS9298を採用
→ESSのDACチップのようですが、この機種以外での採用例は検索してもヒットしません。最近こういう省電力用のDACチップは数が多くてわかりませんね。
・マグネット方式のUSBケーブルを採用(恐らく独自端子)
→USB-TYPE CとLightningが選べますが、DACとの接続部はマグネットで独自端子で接続となっています。マグネットなのでケーブルをひっかけたりしてもすぐに外れて安全。

良い点
・音はなかなか良い。1万以下のDACアンプの中では駆動力も高く、ハッキリとした解像度の高い音を鳴らすのが好印象。
・1万以下でボリュームボタンが本体に付いている。1万以下だと結構付いていない製品が多いのですが、個人的にはあったほうがいいです。真ん中のボタンで曲送り等の操作も出来るので使い勝手は良いです。
・マグネットケーブルはケーブルをひっかけたときの対策として安心感がある。
悪い点
・マグネット方式のためケーブルは独自ケーブルで互換性はない。
・接続が切れた時や、モードの変更時に結構大きめのポップノイズが乗る。
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1、駆動力の高いカッチリとした音で、低音の力感もあり音はなかなか良い。
音質はなかなか良いです。個人的に1万以下の小型DACアンプ系ではトップクラスの音質だと思います。音の傾向はかなりカッチリとした分離の良い音で、とても見通しの良い音を鳴らします。カッチリとした音でありながら、低音域の力感、重低音の重さをしっかりと再現してくれており、駆動力も比較的高そうなのがかなりポイント高いですね。USB DACアンプ系は、どうしても駆動力不足な製品が多くてパっと聴きは綺麗な音がしているものの、よく聴くと重低音が結構軽いことに気が付く製品が多いのですが、このイヤホンはしっかりと迫力のある音を鳴らしてくれます。(あくまで比較的であり、流石に大型ヘッドホン等を鳴らすような過度な期待はしないほうがいい)
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2、マグネット方式のケーブルはケーブルをひっかけた時の安心感はあるが、独自端子であることから好き嫌いが分かれそう。また、接続が切れた時やモード変更時の大き目のポップノイズが気になる。
マグネット方式のケーブルは好みが分かれそうですね。マグネット方式にした結果として端子が独自のものになってしまったので、汎用性は全然ありません。汎用性の高さと、マグネット方式による安全さのどちらを重視するかというところになりますが、個人的にはUSB Type C方式でも引っかかったら外れてくれる気がしますし、汎用性の高いType Cのほうが有難かったのが本音です。(マグネットのほうがより安心ではありますが)
また、接続が切れたときや、モードの変更時に結構大きめなポップノイズが乗ります。大抵のイヤホンであればそこまで問題にならないのですが、能率の良いシングルBAとかのイヤホンだと、少し不安になるくらいの音量のポップノイズが鳴るので、ここは結構残念です。
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3、アップグレードケーブルでより滑らかな音を目指せる。
国内で販売されるかはわかりませんが、この製品は39ドルほどでアップグレードケーブルを販売しています。音の印象としては、プラシーボかもしれませんがアップグレードケーブルのほうが中音域の量感が上がって、全体的に落ち着いた上品な音になる印象です。ノーマルケーブルのほうが少し荒々しさのある音なのでハードロックとかを聞くのであればむしろノーマルのほうが楽しいかもしれませんが、一般的なポップスなどを聴くのであればアップグレードケーブルを検討してみてもいいかもしれません。まぁ、ノーマルケーブルでも十分音良いので、あくまで追加で余裕があればって感じのアイテムかなと思います。
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4、ikko ITM01、Beam 2se、Atomの比較。
こういう製品は単体のだけレビューしても何が何やらだと思いますので、価格帯も近いAudirect Beam SE、Audirect atomと比較していこうと思います。
Audirect beam2SE
3機種の中で一番音の輪郭がハッキリしており、音場は狭め、低域は一番力感があるかも。低域のアタック感、スピード感がとても気持ちよく、全体的に力感がありスピード感のあるメリハリサウンド。メタル、ロック等のハッキリとした音造りの音源で活躍しそう。
Audirect Atom
3機種の中で一番落ち着いた音。大きさの制約がかなりある製品なため仕方ない部分もあるが、駆動力で他2機種より劣る印象があり音の輪郭は甘め。ただ、比較しなければ十分楽しめる音を鳴らしており、音に強調感が無いので聴きやすい音になっている。
ikko ITM01
beam2SEほどではないが明るく元気な音。元気な傾向の音ではあるが、Beam 2SEより音の輪郭の強調感は少ないため対応できるジャンルの幅は広く自然さは上な気がする。Beam 2SEは低域の力感が強かったがITM01は2SEより高音域が強めでノビの良さはそこまで無いが明瞭でスッキリとした高音域が魅力的。低音の量感も十分にあり良い意味で楽しく聴けるノリの良い音を鳴らす。
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おススメ度 82点
5、難点は少なくはないが、音質は価格を考えたからかなり優秀。ボタンでの使い勝手も良く、1万以下のDACアンプとして有力な選択肢。

正直難点は少なく無い製品です。独自端子のマグネットケーブルは正直いくら安全性は高いとはいえ不便に感じますし、大き目のポップノイズが鳴るのも正直微妙です。ですが、音質はこの価格帯の製品としては間違いなく優秀で、この値段で本体側にボリュームや選曲で使えるボタンがあり利便性は高いですし、総合的に見れば結構おススメしやすい製品かなと思います。こういうある程度難点が見つかる製品ほど音は他より良かったりする現象何なんでしょうね、、、w
低価格のUSB DACアンプ系の製品を探している人で、比較的駆動力が高くカッチリとした音を好む人におススメしたい製品です。