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SONCOZ LA-QXD1という現在20,800円で売られているES9038Q2Mを採用したDACのレビューです。今回は色々あってHIFIGOのマーケティングの人とTwitterで仲良くなって依頼をもらった形になります。HIFIGOはとても良い販売店なので、どこぞの検索障害なサイトとの関係を断ってほしいんですけどもね、、、w
ちなみにHIFIGOは最近日本Amazonでの販売を開始したようで、この製品もAmazonから輸入するのとほぼ変わらない金額で購入することができます。HIFIGOみたいな良心的な海外販売店がAmazonに進出することで、ボッタくっている一部の国内代理店をどんどん淘汰していってほしいなーと思っていたりします。

販売サイトはこちら 
良い点
・音はなかなか良い。安いDACにありがちな、高音域がピーキーになることがなく、とても落ち着いた余裕のある音が好印象。派手さはないが、堅実に味付けの少ない音を鳴らしてくれる印象。
・入出力が豊富。入力がUSB、光、同軸。出力がRCA、XLR、同軸となっている。このサイズでXLR出力が付いているのは嬉しい。
・デジタルボリューム機能があり、簡易DACプリアンプとしてパワーアンプと接続しての使用も可能。
・独立したUSB TYPE-C端子の電源入力ポートがあり、USB入力はバスパワーに対応していないため、バッテリーと組み合わせることで、簡単に電源部を拘ることができる。
・良い意味でとても地味な主張のしないデザインで個人的には結構好き。
悪い点
・USBバスパワー非対応なため、手軽さでは劣る。電源に拘らない場合でもPCにUSBを2本挿せば使えるのだが、スマートではない。(このおかげでバッテリー駆動が出来るので一長一短ではある。)
・簡易DACプリアンプとして使うようにボリュームの表示があれば尚よかった。
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1、音質はなかなか良い。安いDACにありがちな、高音域がピーキーになることがなく、とても落ち着いた余裕のある音が好印象。派手さはないが、堅実に味付けの少ない音を鳴らしてくれる印象。
音質はなかなか良い。USB入力にバッテリー駆動の状態で試聴をいているが、とても伸びやかで余裕のある音を鳴らしてくれる印象で好印象。こういう比較的安価なDACというのは、全体的に荒っぽく、ドンシャリ傾向の音のものが多い印象で、高音域の刺さりが強調されたり、音の輪郭を変に強調するものが多いのだが、このDACはあくまで落ち着いた音クセの少ない音を鳴らしてくれることが好印象である。高音域は伸びやかとまではいかないが、刺さりを強調せずに落ち着いた音で、それでいて明瞭さは損なわない聴きやすい音を鳴らしてくれるし、低音域もそこまで力感は無いが強調感の無い自然なモニターライクな音を鳴らしてくれてなかなか好印象である。
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2、USBバスパワーに非対応なため利便性は少し劣るが、1枚目の写真のようにバッテリー駆動でUSB DACとして使える利点がある。音質もバッテリー駆動で向上するので、個人的にはアリな仕様だと思う。
大抵の小型USB DACは、USBのポートが2つ付いている場合、1つがUSB入力、1つが補助電源という感じで、USBバスパワーで電力が足りない場合に使えるようになっているのだが、SONCOZ LA-QXD1は片側が完全に独立した電源USBポートとなっているためバスパワーでは使えない(PC3台で試したので多分合っていると思う)そのため、2枚目の画像のように使用時はケーブルの本数が多く、PC側にも2本USBを挿す必要があり正直スマートではなく利便性はイマイチである。
しかし、USBを独立した電源としていることからモバイルバッテリーとの接続が容易になっており、簡易的なバッテリー電源の据え置きDACとして運用できるのが非常に面白い。手持ちのモバイルバッテリーと、PCのUSBポートから電源を取ったときの音質を聴きくらべてみたところ、PCのときよりモバイルバッテリーのほうが音に落ち着きがあり、荒っぽさが抑えられる印象で1段階上の音質を奏でてくれる印象であった。電源の音質比較というとオカルトっぽいと思われそうだが、私はRCAケーブルを交換するより電源ケーブルを交換したほうが音は断然変わると思っている人なので、個人的にはバッテリー駆動での使用をおススメしたい。
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3、SONCOZ LA-QXD1、SMSL M300、LOXJIE D10の比較。
SONCOZ LA-QXD1(約2万円)、SMSL M300(約3万円)、LOXJIE D10(約1万円)で音質の比較をしてみた。電源環境はSONCOZ LA-QXD1だけバッテリー駆動、他2機種はUSBバスパワー駆動。ヘッドホンのHIFIMAN JADEⅡにRCA接続で繋いだ状態での比較試聴とする。
SMSL M300・・・SONCOZ LA-QXD1より全体的に音の輪郭がハッキリとしており、引き締まった音になっている。とても明瞭でスッキリとした元気な音を鳴らす反面、少し全体的に派手で少し荒っぽさを感じる面もある。
LOXJIE D10・・・3機種の中で良くも悪くも一番元気な音。高音域の刺さるような帯域もそのまま鳴らすし、全体的に結構聴き疲れはしやすい傾向の音ではあるが、とても楽しく聴ける音ではある。まぁ正直価格差なりに2機種には劣るなーというのが本音の印象。あくまでLOXJIE D10も価格の割には頑張ってるDACである。
SONCOZ LA-QXD1・・・明瞭さ、全体的な解像度の高さではSMSL M300に劣るが、しかし全体的に締まりのある音でリアリティはむしろこっちのほうが上かもしれない。全体的に良くも悪くも上記2機種よりは地味な音という印象であり、非常に落ち着いた余裕のある音で鳴らしてくれる印象である。
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4、とても堅実な音造りの、良い意味で余計なことをしないDACでなかなか好印象。入出力端子が豊富で、簡易DACプリとしても使えたり、非常に便利に使える小型DAC。
音質は良くも悪くも派手さの無い堅実な音造りで「余計なことはしない」という印象であり、個人的にはなかなか好印象だった。入出力端子が豊富で、DACプリとしても使用可能と幅広い用途に使えるし、音質的にもなかなか好印象であり、小型のデスクトップオーディオ環境を構築するときにかなり役立つ製品では無いかなーと思う。また、CDプレーヤーやネットワークプレーヤーをメイン環境として使っている人が「PCからの音もたまに出したいな」というときの、サブ機材としてのDACとしてもかなり有用ではないだろうか。
個人的には簡易的なバッテリー駆動のDACとして使えるのが地味にポイントが高かった。据え置き機材でも敢えて電源をバッテリーにして音質を向上させようという発想は、据え置きでは結構あり、ChordのHugoなんかもそういった思想の製品である。(Hugoは多くの人がポータブルとして使っているけど、元々は据え置きのための製品)この電源環境の違いによる音質比較は、是非この製品を買った人は騙されたと思って試して欲しい。

落ち着いた堅実な音の小型DACが欲しい人におススメしたい製品である。