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TINHIFI P2という現在35,680円にて販売されている平面駆動イヤホンのレビューです。TINHIFIは結構好印象な製品が多く、音造りも一貫している印象があり個人的にも最近気に入っているメーカーだったりします。

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良い点
・音質は文句なしに素晴らしい。海外では酷評されているなんて話もあるが、個人的には大絶賛の音質。TINHIFIの過去製品の音が好きだった人は飛びついて良い音質。
・平面駆動ではあるが、そこまで鳴らしにくい印象は無い(音量はかなり取れない)。
・見た目的に音がかなり漏れそうだが、意外とそうでもなく音漏れは一般的なカナルより少し多いくらいで外でも問題なく使用可能。
悪い点
・装着感がイマイチ、私は付属のイヤーピースだとうまくハマらなかったのでAZLAのイヤーピースを使用している。
・付属ケーブルの端子が2.5mmのバランス端子になっており、付属で3.5mmアンバランス、4.4mmバランスの変換端子が付いてくるものの、装着するとかなりの長さになるため変換を常用は難しい。
・音量は大型ヘッドホン並みに取りにくい
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IMG_20201104_205559TINHIFI P2
音質評価 97点
1、音質は文句なしに素晴らしい。TINHIFIらしい明るい音造りで、高音域の煌びやかさが印象的でありながら、低音域の量感もかなりしっかりとしており聴きごたえのある音になっている。

音質はかなり素晴らしいです。35,980円という中華イヤホン系としては結構強気な値付けではありますが、音的には文句なしにそれ以上の魅力を持った製品と言っていいでしょう。音の傾向は今までのTINHIFIらしい一貫した明るくハッキリとした音造りであり、音の篭りだったり、緩い音が嫌いな人には「安心して試してくれ!」と言える信頼の音造りになっています。音の傾向は同社のP1に近いのですが、P1ほどは高音域の鋭さはなく、低音域の量感が増した印象で、今までのTINHIFI製品の高音域が鋭すぎると感じていた人にも受け入れられる音になっているのではないかと思います。分離が良く、音の抜けも良いため、明るくハイテンポな音源と非常に相性が良く、ジャーマンメタルの音源などを聴いているとボーカルのハイトーンが伸びやかな明るい音で再生されて非常に好印象です。
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音のバランス
高音域□□□■
中音域□□□■
低音域□□□□
2、高音域は明るくハッキリとしつつも伸びやかでキツさの無い聴きやすい音、中音域はとても伸びやかで明るく窮屈感の無い音、低音域は量感がありつつもしつこくない分離が良い音。
高音域は明るくハッキリとした音でありながら、とても伸びやかで刺さりなどの少なく音のキツさが少ない音を鳴らします。ドラムのシンバル音のように刺さりやすい帯域の音もハッキリと今までのTINHIFIらしい煌びやかで主張の強めの音を鳴らしますが、音の抜けがとても良いことから出音の割には耳に負担が少なく聴きやすい音になつていることが非常に好印象です。高音域の質感はこの価格帯としては屈指の実力と言っていいでしょう。
中音域は伸びやかで余韻まで美しいリアリティのある音を鳴らします、こういう軽いドンシャリ傾向のイヤホンはボーカル帯域がおざなりになる製品が多い印象ですが、このイヤホンのボーカル帯域はとても伸びやかでリアリティのある音を鳴らします。低めの男性ボーカルの味のある音から、ハイトーンボーカルの伸びやかなハイトーンまで、窮屈感の無いとても伸びやかな音で鳴らしてくれることが非常に好印象です。このイヤホンで聞くHelloweenのマイケル・キスクのロングトーンは最高です。
低音域は量感と重みのある力感たっぷりの音を鳴らしますが、とても分離が良くスピード感のある音源にも対応できる解像度を持っています。こういう軽いドンシャリ傾向のイヤホンにありがちな音として「低音の量感の割に音が軽い」ということがありますが、このイヤホンは重低音の重みまでしっかりと再現しているため、そういった心配は無用です。また、分離が良い低音域でありながら音の輪郭を変に強調することがなく、あるがままの音を力感を失わずにしっかり耳に届けてくれる印象です。変な強調感が無いため、ジャズ音源のウッドベースのような膨らみのある低音もしっかりと趣のある自然な広がりある音で鳴らしてくれます。
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3、装着感は微妙、付属の変換端子も使い勝手が悪いなど、正直使い勝手の面では詰めの甘さを感じる。
装着感は正直微妙です。ケーブルが2PINでの交換タイプになっているため、イヤホンの耳掛け部分が回らず固定されている影響で付属のイヤーピースだと私は上手く装着できずAZLAのイヤーピースを使って普段使っています。これがMMCXだったらケーブルが回るのでちゃんとつけられただろうにと思うと残念感がありますね(筆者は基本2pinが好きですが、このイヤホンに関してはMMCXのほうが合っていたと思います)
また、ケーブルは標準か2.5mmのバランス端子になっており3.5mmや4.4mmで使用する場合は付属の変換端子を使う必要があるのですが、画像のようにかなりの長さになり正直普段使いするには厳しいものになっています。Little Dot Cu KISも同じような変換方式でしたが、あまり長くなり過ぎないように工夫されていたので、ここはもう少し頑張って欲しかったところ。こんな感じで全体的な取り回し、使い勝手の部分では正直詰めの甘さを感じてしまいました。
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おススメ度 92点
4、音質は文句なし勧められる実力を持っている。今までのTINHIFIの明るいハッキリとした音造りが好きだった人には文句なしにおススメできる逸品。

取り回しの悪さなどから減点したためこの点数になりますが、音質は文句なしに素晴らしいと言える実力を持っています。特に私はTINHIFIの明るくキラキラとした高音域がアクセントとなる音がかなり好みにあっているのでとても気に入っています。このイヤホンは「今までのTINHIFI製品が好きだったら買うべきだし、そうでなかつたらやめておいたほうがいい」というのがわかりやすい評価になるかなと思います。過去のTINHIFI製品と比べて高音域の鋭さは多少抑えられてはいますが、それでも明るくハッキリとした高音域は健在ですし、音の傾向は今までのTINHIFIのイヤホンを正統進化させたような製品なので、今までの音が合わなかった人は多分合わないと思います。
逆に言えば今までの明るくハッキリとした音造りのTINHIFI製品が好きだった人は迷わず買って大丈夫かなと思います。正直中華イヤホン系のメーカーって音造りに一貫性がなく、良い製品が出来たときも「たまたまこの音になりました!」みたいな物が多い印象なのですが、このTINHIFIは一貫した明るい傾向の音造りで出してくれるので非常に好感を持っています。これからもブレずにこの傾向で正統進化した製品を出していってほしいなと思っています。明るくハッキリとした音造りのイヤホンを探している人や、分離が良く伸びやかな音を鳴らすイヤホン、ノリの良い音のイヤホンを探している人におススメしたい名機です。

余談になりますが、今回のイヤホンは海外では酷評されているらしく「このイヤホンを高評価しているのはおかしい!」みたいに言っている人が居るようです。もちろんその海外の方のレビューを否定する気はありませんが、音の好みは千差万別ですので、1つの物差しで見ず同じ製品にも様々な評価が生じることを当たり前のこととして認識してもらえたらいいなと思います。私個人の評価としては、このイヤホンは文句なしにおススメできる名機です。そして他人の評価なんか知るか!w