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SMSL M400という現在95,950円にて販売されている据え置きオーディオDACのレビューです。

販売サイトはこちら SMSL VMV D1のレビューはこちら

今回のこの製品は色々な意見があります。測定値が素晴らしいとする声があったり、出力インピーダンスが高すぎるだとか、高音域が切れているという意見もあったり様々です。他の方のこの製品のレビューには「測定では」「海外の他のレビューでは」みたいな意見が高確率で付いており、正直「これレビュー書くの気乗りしねぇなぁ、、、」と思っていたのですが、いつも通り「筆者のあくまで聴感上の感想であり、測定上正しいとか、他人の評価と違うなどの話は一切興味無い」ということを断った上でレビューを書かさせていただきます。

前置きが長くなりましたが、最初に今回のDACの良い点、悪い点を最初に簡単にまとめさせていただきます。

最初に良い点と悪い点を簡単にまとめておきます。
良い
・DACチップ旭化成の最上位AK4499EQを採用
・I2S接続に対応しており、HDMIケーブルを使い更に高音質を目指せる。
・MQAデコードに対応(USB接続のみ)
・音質はなかなか良い、とても解像度が高く分析的なハッキリとした音造り。
・音量は固定と可変が選べ、プリアンプ無しでパワーアンプに繋ぐことも可能
悪い点
・Bluetooth機能があるが日本の技適規格は通っていないため、そこらへんは自己責任で。
・音質はかなり分離のハッキリとした
好みの分かれる音に感じる。個人的には同社のSMSL VMV D1のほうが好みではある。(VMV D1のほうがこれより4万円ほど高価ではあるが)

では以下から詳細なレビューに入ります。

再生環境は
SOtM sMS-200(プレーヤー)→ GUSTARD U16(DDコンバーター)→ SMSL M400(DAC)→Glasstone HPA-30(ヘッドホンアンプ、XLR入力使用)→Final D8000(ヘッドホン)
以上を基本とします。
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1、音質は非常に解像度が高い分析的な音であり、好みは分かれると思うが個人的には結構アリ。
音質は非常にサッパリとした解像度の高い音を鳴らします。音の広がりなどを変に付加したりせず、淡々と高精細な音を鳴らしてくれる印象で、スピーカーで聴いても、ヘッドホンで聴いても「最近のDACは本当に細かい音を鳴らすな」と感心するほどです。ただ、正直音楽的に面白い音かと言われると微妙なところで、ここは好みが分かれそうな気がします。非常に高精細な情報量の多い音をDACとして出力してくれるため、音の味としてはアンプ部で上手く自分で加えていくという発想で使うといいのではないかなと思います。
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2、SMSL VMV D1との比較では、M400のほうが更に解像度は高いものの、VMV D1のほうが音楽的で余裕のある音であり好みが分かれる。

同社の約14万円のフラグシップDACであるSMSL VMV D1との比較ですが、まず最初に言っておきますが、個人的にはVMV D1のほうが音楽的な音の性格があり好みです。ただ、今回のSMSL M400は非常に高精細、高解像度を誇っており、この音の繊細や、細かさという面ではVMV D1を上回ると私の聴感上では感じられました。また、本機は高音域が落ちているなどの指摘もあるようですが、個人的な聴感的には高音域は非常に明瞭な明るくハッキリとした音で大変好印象です。
むしろ、個人的にVMV D1と差があるなと感じたのが低音域の質感と音の広がりです。VMV D1の低音域はクセの少ない音でありながらも、非常に力感があり、音源の音の自然な広がりを上手に再現してくれる印象がありましたが、今回のM400は低音域に余裕が無いように感じられ、広がりのある音も本来の音より少しサッパリとした音として鳴らしてしまう傾向があるように感じ、ここは懐の深い余裕のある音であるVMV D1に軍配が上がるかなという印象です。
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3、残念ながら技適の問題から確認はできないが、付属アンテナを接続することでBluetooth入力に対応でき、スマホから直接LDAC接続ができるなど利便性は高い。(自己責任)
ここは技適の問題からあくまで「自己責任」のところとして書かせてもらいます。私もBluetoothでの音質は確認できませんので有線との音質差に言及をすることはできませんが、単体でもなかなか良い音を鳴らしてくれるDACですので、本機とヘッドホンアンプやスピーカーアンプを繋げるだけで非常にシンプルで利便性の高い環境を構築することが可能です。据え置きのオーディオってどうも面倒なことを良しとする風潮があり、こういう無線接続などは「音質劣化するだろ」と毛嫌いされる傾向があるように思うのですが、個人的には最近のBluetooth技術はとても優れており、ヘッドホンなどで無線接続をして音質面に不満を持つことは無いですし、もっと幅広い人に普及させるためにも、こういう便利機能のある製品を歓迎して、国内でどんどん取り扱ってほしいなーと思っています。カジュアルオーディオ万歳です。(過去の「Bluetoothアンテナの接続は自己責任で」みたいな状態で国内で発売されたオーディオ製品もあったようなので、それと同じ扱いとして書かせてもらいます。)
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4、I2S接続に対応し、更に高い次元の音を目指せる。
I2S接続に対応しており、通常のUSB接続や同軸出力などより高い次元の音を目指せます。I2Sって何ぞやと思う方も居るかと思いますが、、、正直私もこれが同軸などの他入力より何が優れているのかは説明できるほど理解していないので「珍しい、スゴイ入力方法が使えるよ!」くらいに思って見て頂けたら幸いですw
I2S入力は一般的なHDMIケーブルにて行います。今回適当な安物のHDMIケーブルで接続してみましたが、音質は同軸より更に高精細さが上がったような、、、?正直ここを断言できるほど露骨な差があるわけではないのですが、逆に言えばそれなりに高級な同軸ケーブル(Wireworld Gold Starlight7)で接続したときと、安物のHDMIケーブルで接続した場合で遜色ない音を鳴らしてくれているように感じますので、それだけでも十分価値はあるのかなと思います。
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5、高解像度、高精細な音を求めている人におススメしたいDAC 
冒頭でも言ったように、個人的には同社のVMV D1を推したいところですが、4万円ほどの価格差がありつつも同社のフラグシップ機であるVMV D1を凌ぐほどの高精細、高解像度な音を鳴らしてくれる本機はなかなか面白い存在であると思います。個人的には分析的な音が欲しいならM400、音楽的な音を求めるならVMV D1という印象でした。

是非VMV D1とM400よく比較をしてご検討いただけたらと思います。