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Victor JVC HA-FW10000という現在173,016円で販売されているダイナミック一発構成のイヤホンのレビューです。

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特徴等
・ダイナミック1発構成で、ドライバの振動版にはカーボン+ウッドを採用
・ドライバの固定にはチタンを採用
・ハウジングは日本産の楓を削り出したもの
・装着感は個人的には悪くないが人は選ぶと思われる。ハウジングが大きめであるため耳の小さな人は要注意かも
・音漏れ、遮音性はあまり良くない。音漏れはそこまで無いが、遮音性は大分低くRE2000等と同等かそれ以下くらいの遮音性と思っていい、電車でそれなりの音量で聴いていても車内アナウンスが聞き取れるほどなので、電車内では本来の音では聴けてない印象がある(電車内で聴いていても十分良い音ではあるが)

音質評価 100点 
・音質はかなり素晴らしい。約20万円とかなり高価なイヤホンでありながら、全くその値段を高いと思わせない非常に満足度の高い音を鳴らす
・音のま大まかな印象は「非常にナチュラルで抜けの良い音を鳴らす。どんな音源を聴いても自然でクセの無い音を聴かせてくれ、どんな音源でも100点に限りなく近い音を鳴らしてくれる万能機。特に音の抜け、伸びの良さは特筆できるものであり、開放ヘッドホンを聴いているかのような伸びやかで窮屈感の無い素晴らしい音を鳴らす。」
・音場は広め、とても自然に伸びていく音場で大きさの制約の無い自然な音場を形成してくれる
・音の傾向はかなりフラット、厳密にいえば少し高音域寄りか
・このイヤホンの特徴は非常にナチュラルな音を鳴らしてくれるため、良い意味で音の特徴といったものはあまり感じにくいところ。厳密に聴いていけば各帯域の質感の良さが随所に感じられるのだが、そういった個々の帯域の特徴を忘れて純粋にトータルバランスとしての「良い音」を非常に自然な形で提示してくれる。
高音域は非常に伸びやかで綺麗な音を鳴らす。とても明瞭な音でありながら音の伸びの良さからドラムシンバルのような耳に付く音域も自然な嫌味の無い音で鳴らしてくれる。音の伸びやかさとナチュラルさから生楽器の演奏とも非常に相性が良く、オーケストラ音源での金管楽器や弦楽器の音の余韻の美しさが非常に生々しく強調感の無い音で再生される、イヤホンでここまでクラシック音源を聴きごたえのある音で再生してくれる物が出てきたということは非常に驚きである(基本的にオーケストラはイヤホンで聴くものでは無いと思っているほうなので)
中音域は高音域と同様非常に伸びやかで自然な音を鳴らす。ボーカル帯域で聴きごたえのある音というと、良くも悪くも音場を広くしたり、余韻を強調することで音のアクセントを強く感じられるようなチューニングをしているものが多いが、このイヤホンは味付けの無い純粋な音の解像度と音の質感の高さ等の総合的な質の高さから音の魅力を最大限に生かしている印象である。特に音の伸びやかさが素晴らしく、ボーカルの音がどうこうというよりは「このボーカルこんなに上手かったんだな」と音情報量の多さから音源の魅力を高めて再確認させてくれるようなクオリティの高さを体感させてくれる。
低音域は解像度が高く分離の良い音を自然な強調感の無い音で鳴らしてくれる。音の分離は非常に素晴らしくテクニカルデスメタル音源も全く問題なく再生してくれる。音の質感も非常に良く、深みのあるベースの音はしっかりと深みのある音で鳴らし、ソリッドなドラムの連打はソリッドな音で鳴らす音源に含まれた低音域の質感をあるがままに耳に届けてくれる。低音域で特に印象的だったのが、ハリのある音をしっかりと再現しており、今まであまり意識していなかったドラムやベースの音のバンドごとのの音造りの違いを意識せずとも感じ取れるような質感の高い音を鳴らす。
・相性の良い音源は基本的に何でも合うが、特にクラシック、オーケストラ等の生楽器系の音源では圧巻と言えるほどの音を鳴らしくれる。またボーカルの表現力も素晴らしいので、メロディックスピードメタル、パワーメタルやバラード音源とも非常に相性が良い
・相性の悪い音源は基本的に無いが、低音域の量感を強く求めるような音源は非常にナチュラルな音造りのこのイヤホンでは少し物足りなさを感じるかもしれない(質の高いイコライザで低音を持ち上げれば問題ないだろうけど)
HA-FW10000
音のバランス
高音域□□□□□
中音域□□□□□
低音域□□□□■

オススメ度 95点
・単純な音質で言えば100点を付けて良いくらいの素晴らしさのあるイヤホンであるが、遮音性の低さから電車等で使用する場合は魅力が減ってしまうことを考慮してこの点数。これで遮音性さえ問題無ければ本当に最強のイヤホンと言えたのだが、、、惜しい
・高級イヤホンを試聴して「何だこの程度の音か」と思うことが多かった人にこそ聴いてほしいイヤホンであり、20万円近い価格も高くないどころか安く感じるほどの魅力の詰まった機種である。このイヤホンの出現のおかげでクオリティの低い高級イヤホンの淘汰が進み、平均クオリティが一気に上がりそうな気がするほどの名機である。
・これより高い価格のイヤホンも含めて、現状の高級イヤホンの中で間違いなく頂点であると言える名機である。今までの高級イヤホンに首をかしげることが多かった人にほど聴いてほしい実力を持ったイヤホン。