Final E5000という現在2万9800円にて販売されているダイナミック1発構成のイヤホンです。(Finalダイレクトショップのお友達紹介割引を使いたい方は私のIDの「masterplan」をお使いください。)
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特徴等
・6.4mmダイナミック1発構成(E2000、E3000とは全く別のドライバ)
・ステンレス切削高剛性筐体
・ステンレス切削高剛性筐体
・MMCXリケーブル可能
・オリジナル高純度OFCシルバーコートケーブルが付属する(F7100用ではあるが同線材のMMCXケーブルは24,710円で販売されている)
・装着感はなかなか良いのだが、ケーブルが少し重めなため歩きながらの使用などでは少しズレやすいかも
・遮音性、音漏れ防止は一般的なカナルより少し悪め。MDR-EX90SL等のような極端に遮音性が低い機種ほどでは無いので特段気にするほどでも無いと思うが、電車内での使用などでは音量に少し気を付けたほうが良いかもしれない。
音質評価 □□□□□ 98点
・音質は文句なしに素晴らしいと言っていい。味付けのある音なので好みは分かれるとは思うが、個人的には非常に音楽的で上手い鳴らし方をするイヤホンという印象
・音の大まかな印象は「非常に上品な音を鳴らすイヤホンという印象。適度に広がりがある音で、抑揚の付け方が非常に音楽的で上手い。筐体の響きによる広い音場や音の響きを再現しつつ、音のバランスを崩さずない絶妙なバランスでまとめてあることが好印象」
・この価格帯のイヤホンとしては珍しいくらい機材の駆動力が必要な製品で、音量も取りずらく一般的なイヤホンより2、3割ボリュームを上げる必要がある。私の手持ちではQP2Rの直刺しでは素晴らしい音を鳴らしてくれたが、Aune M2PROの場合は駆動力不足からかボーカルが遠く感じられた。
・この価格帯のイヤホンとしては珍しいくらい機材の駆動力が必要な製品で、音量も取りずらく一般的なイヤホンより2、3割ボリュームを上げる必要がある。私の手持ちではQP2Rの直刺しでは素晴らしい音を鳴らしてくれたが、Aune M2PROの場合は駆動力不足からかボーカルが遠く感じられた。
・音場は広め。筐体の響きを生かした音場だが、上手く筐体の音抜けからも音場を構成している印象があり、金属筐体イヤホンにありがちな「小ホールのような音場」ではなく中、大ホールで聴いているような広大な音を奏でる
・音の傾向は少し低音寄り
・音の傾向は少し低音寄り
・高音域は抜けが良く非常に伸びやかで上品な音。ドラムのシンバル音のような刺激的な音は適度に主張しており鮮やかな音を奏でてくれるのだが、音の伸びが非常に良く明瞭でありつつ上品な質感を持った音を鳴らしてくれる。特に音の伸びの良さはクラシック音源等では際立って感じられ、金管楽器や弦楽器が非常に生々しく再生され「イヤホンでこれだけの音が出るか」と感じられるほどに素晴らしい音色を奏でる。
・中音域は少し膨らみのあるゆったりとした音を鳴らす。膨らみのある音というと癖の強い音を思い浮かべがちだが、筐体の響きによる適度の広がりのあるボーカルを再現しており、ホールで聴いているような響きのある音を鳴らしつつ、他の音域を邪魔せずにどんな音源にも対応出来る絶妙なバランスの音を鳴らしてくれる。特にバラード調の音源のようにボーカル帯域に重点を置いている音源では、この響きの心地良さが際立っており、音の伸びの良さも相まって聴き言ってしまうような音を鳴らしてくれる。イメージとしては同社のheavenⅥより少し響きの収束を早め、かつ音の抜けを良くした音という印象で本当に万能でありながら絶妙な艶やかさを持たせた上手いチューニングに感じる。
・低音域も少し響きのある音を鳴らすが、意外なくらい音の分離は優れており音源を選ばない。流石に広がりのある音なためスラッシュメタルのような音のエッジを際立たせる音源とは相性はあまり良くないが、デスメタル音源も全く問題無く再生出来る高い分解能を持つ。この帯域でも適度な音の響きが生きており、重低音の再現度も非常に高いことからリアリティのある深みのある音を再生してくれ、ジャズ音源やロック音源と非常に相性が良い
・音の分離はなかなか良く、一部のテクニカルデスメタルではほんの少し低音域に被りを感じたが基本的にはテクニカルデスメタル系も問題無く聴くことが出来る(Cryptopsy two pound torchでは音の被りを感じたがOrigin Finiteでは問題無く分離して再生された)
・相性の良い音源はクラシック、ジャズ、ポップス、アニソン、ロック、シンフォニックメタル、ジャーマンメタル、パワーメタル、バラード等。基本的にはどんなジャンルも上手く鳴らせる懐の広さがあるが、特にボーカルの美しい音源と合わせてあげると目を瞑って聴き入ってしまうような非常に魅力のある音色を体感できる。
・相性の悪い音源は、スラッシュメタル、テクニカルデスメタルなど。聴けない事は無く十分楽しく聴けるのだが、全体的に広がりのある音なため、音のエッジを際立たせたほうが楽しい音源とはあまり相性は良くない
音のバランス
高音域□□□□■
中音域□□□□□
低音域□□□□□
オススメ度□□□□□ 98点
・とにかく「音作りが上手い」という言葉に終始する機種だと思う。1つ1つの音の質だけで言えば同価格帯で飛びぬけて凄いというわけでは無いのだが、全体的な音作りの上手さから同価格帯ではトップクラスに素晴らしいと自信を持って言える機種に仕上がっていると感じる。私の中ではFinal社のカナルイヤホンとしては過去最高傑作ではないかと思っている。
・個人的には「Finalに期待していた音」の方向性が全て詰まっている機種である。同社は個人的に思い入れも強くあるのだが、heavenⅦ、Ⅷ、SONOROUS Xあたりは私の求めていた傾向とは外れていたのだが、今回のE5000で同社に期待していた音がそのまま製品として出てきたという印象で、少し贔屓目にはなっているかもしれないが聴けば聴くほど「素晴らしい」といえる非常に満足度の高い製品である。
・再生機材の駆動力は必要であるし、それなりに癖はある音なため人も選ぶだろうが、私としては文句なしに素晴らしい音であると言える傑作である。