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HIFIMAN RE800Jのレビューです。無印RE800のMMCXリケーブル版として出た機種ですが、音質は完全に別物と思っていいです。
In-Canal Earbuds Rankingこちら RE800のレビューはこちら 販売サイトはこちら

RE800との違い
・MMCXリケーブル対応
・本体が艶消しの金色に
・遮音性が向上
・音質は全く別物で少し大人しめの音に

特徴等
・トポロジーダイヤフラムを採用した9.2mm ダイナミックドライバー1 発構成。トポロジーダイヤフラムはダイヤフラムの表面に特殊なメッキ処理をしたものとのこと。
・筐体は真鍮ハウジングに24K金メッキを施した物を使用。
・銀メッキ結晶銅ケーブルを使用。
・筐体はとても小さく装着感は非常に良い。
・遮音性や音漏れ防止は一般的なカナルと同等か少し優れているかというくらい(無印RE800よりは大分向上している印象)

音質評価 □□□□□ 88点
・音質はかなり良い、RE800の音の派手な音の部分の角が取れて自然な音になった印象
・音の大まかな傾向は「軽めのドンシャリ傾向で非常にスッキリとした解像度の高い音が印象的、音の傾向としてはRE2000に近づいた印象で適度にシャキッとした音でありつつも音のトゲが目立たない音の伸びの良さがある。RE800の派手な荒っぽさを抑えた音というとイメージしやすいと思う」
・音の傾向は軽めのドンシャリ、少し高音域が目立つ印象があるが帯域バランスとして違和感を持つようなことはない。
・RE800と同じくどんなものでも少し楽しい音で鳴らしてくれるタイプだが、その音の味付けが非常に自然で「違和感を感じさせずに音の楽しみを拡大させてくれる」ようなイヤホンであると思う。
・音場は特に広くも狭くもなくといった印象、RE2000はかなり広大な音場だったのに対しRE800Jはあくまで小気味の良いスッキリとした音を鳴らすためにチューニングしている印象がある。
・高音域は非常に明瞭かつ適度な刺激のある音を鳴らす。高音域のキラキラとした刺激はRE800と同程度にあるのだが音の伸びが向上したおかげで耳につく印象がなく、非常に楽しくドラムのハイハット音などの刺激的な音を聴くことができる。RHA CL1のような高音域のキレの良さを持ちつつも音に強調感を感じさせない非常に絶妙なバランスであるように思う。
・中音域は帯域バランスとしては一番少なめではあるが、特にボーカルが遠くで歌っているような印象は無い。ボーカルの音はウェットではなくサッパリとした音であまり味付けを感じさせない素直な音が鳴る。
・低音域はとてもタイトで分離の良い音を鳴らす。重低音域もきちんと再現されてはいるのだが印象としてRE800より重低音の主張が弱まっておりRE800よりサッパリとした音を鳴らす印象で、ここがRE2000とRE800Jの一番の違いに感じる。RE2000は非常に深みと広がりのある低音域を鳴らすのに対しRE800Jはあくまでタイトに小気味の良い低音域を気持ちよく鳴らしてくれる。この小気味の良い低音域がスラッシュメタル、デスラッシュといった疾走感を求める音源と非常に相性が良い。RE800Jの低音域は印象としてはHD25 ALUMINIUMの質感に近い。
・全体的な音の分離は非常に良く、かなり音の分離の難しいテクニカルデスメタル音源も余裕で分離して鳴らしてくれる。(CryptopsyのShag Harbour's Visitorにて確認)
・相性の良い音源はスラッシュメタル、パワーメタル、アニソン、ロック等。疾走感を求める音源や小気味の良い音で鳴らしたほうが楽しく聴ける音源と非常に相性が良い。本当に音のバランスが絶妙で自然さを保ったまま音の楽しみを拡大してくれるような、絶妙な音を鳴らしてくれる。
・相性の悪い音源は、比較的何でもサッパリと鳴らしてしまうので、深みや広がりのある低音域を鳴らしてくれる音源はサッパリと鳴らし過ぎる印象があり、ウッドベースの際立つジャズ音源等では物足りなさを感じる面もある。ただし生楽器の表現力自体は悪くないのでオーケストラ音源は結構上手く鳴らしてくれる。
音のバランス
高音域□□□□□
中音域□□□□
低音域□□□□■

オススメ度□□□□■ 85点
・個人的に音はかなり気に入っているのだが、82,080円とかなり高価なイヤホンなため少し厳しめに付けてこの点数。ただその価格にも納得出来る満足度の高い音を鳴らしてくれるイヤホンだと思う
・IE800やIE800Sとは違うアプローチで非常に楽しみのある音を演出してくれるイヤホンである。IE800は過去にレビューを書いてそちらもかなり良い機種ではあったが、この小気味の良いRE800の音は「メタルを聴くならこっち!」と言える気持ちの良い音であり、是非比較して検討してほしいダイナミックの最高峰の1つと言える素晴らしい機種になったと思う。
・RE800のレビューでは「ドンシャリで正直万人ウケするタイプの音造りではないと思うが、私のように荒々しい音源をメインに聴く人にはドンピシャでハマってくれるイヤホンではないかと思う。」という書き方をしたが、RE800Jは「楽しく聴かせる」という音造りは崩さずに音の癖やバランスを自然にした音になっている印象で、かなり幅広く勧められるイヤホンになったのではないかなと思う。
・このスッキリとした小気味の良い音はメタル聴きとしては「こういうのを待っていた」という人も多いのではないかと思える気持ちの良い音なので、ゆったりとした低音域が苦手なメタル聴きに是非検討してほしい機種である。