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KINDEN HIFI WE-BNというベリリウム振動版を使用したヘッドホンのレビューです。Amazonにて9,340円にて販売されています。(Amazonのほうには密閉型オンイヤー ノイズキャンセリングと記載されていますが、開放のヘッドホンであり、かつノイズキャンセリング機能も当然無いので仕様はあまりアテにしないでください)
販売サイトはこちら
特徴等
・ローズウッド筐体を使用しており、ハウジングは非常に美しい。正直この見た目だけでもかなり満足度は高い
・ドライバーにはベリリウムコート振動版を使用
・ケーブルは片出しで取り外しが可能。ステレオミニ→ステレオミニのケーブルであれば大抵のケーブルは使用可能で自由度は高い
・装着感は中々良い、2枚目の画像のように穴が無数に空いているイヤーパッドを使用しているため蒸れにくく長時間の使用も問題無さそう
・開放ヘッドホンのため遮音性はほぼ無く、当然外での使用はやめたほうがいい
音質評価 □□□□■ 73点
・音質はなかなか良い。1万以下のヘッドホンとしては見た目の良さを考慮せずに音質だけでも見てもなかなか出来は良いだろう。
・音の大まかな印象は「キラキラとした高音域が目立つシャッキリとした全体的に明るい音。解像度がとても高く非常に明瞭な音が鳴るのが好印象。ただし低音は量感は十分なものの少し軽めの音でありデスメタル音源等では少し物足りなさも感じる」
・音の傾向は少し高音域寄り
・音場は少し広め
・全体的に高音域の鳴り方の癖等がベリリウム振動板を使用したイヤホン群の癖と似ており、Xiaomi Piston2や上海問屋のDN-13578の音を昇華させた物というとイメージは近いと思う。
・高音域は非常に明瞭で明るく軽快な音を鳴らす。ドラムのハイハット音等のような耳に刺さるような音はシャリシャリと結構強めに主張してくるのだが、開放構造のおかげか音自体は非常にシャープでありながらも耳に負担になる印象は無い。とても高音域の情報量は多い印象でオーケストラ音源では弦楽器の高音域の繊細な部分までしっかりと再現をしてくれる、一方音の余韻は結構サッパリと鳴らしてしまうので、クラシックの弦楽器等を鳴らすと高音域の余韻は少しサッパリとしすぎて物足りなく感じる場面もある。
・中音域は特に凹むことなく鳴る。ボーカルも特別な癖は少ないのだが、全体的に軽めでサッパリとした音造りである事からかボーカルも少し上ずったような音に聴こえる場面もある。
・低音域はサッパリとした歯切れの良い音を鳴らす。とても明瞭で分離が良くテクニカルデスメタル音源も全く問題なく音の被りを感じさせずに鳴らしてくれる。しかし低音域の量感はしっかりとあるのだが、重低音域の再現度は低い印象でありデスメタル音源等を鳴らしてみると低音域が軽く感じられてしまい、身体の芯に響くような圧のある低音は感じられず物足りなさも感じる。
・相性の良い音源はロック、ポップス、明るいジャーマンメタル、クラシック、オーケストラ音源等。全体的に明るめの音造りの音源相性が良い。クラシック音源に関してはサッパリと鳴らしすぎて余韻が物足りないと書いたが、解像度の高さはこの価格帯のヘッドホンとしてはかなり高い物を持っており沢山の楽器が鳴っている状態でも、繊細な音までしっかりと再現してくれるため相性は良いほうであると思う。
・相性の悪い音源はデスメタル、ハードロック、打ち込み系の音源等。重低音の再現度が低く全体的に軽い音に感じてしまうため、重みのある低音域を求めるような音源とは相性が悪い。

音のバランス
高音域□□□□□
中音域□□□□■
低音域□□□□

オススメ度□□□□ 73点
・非常に明瞭でサッパリとした音を鳴らし、高音域の鮮やかさは同価格帯ではかなり優秀であると思うが、低音域の軽さを考慮してこの点数。
・非常に綺麗な木のハウジングを採用しており、その点の満足度は非常に高いのだが。木のハウジングというと響きが美しい少しウォームな音を想像する人が多いと思うのだが(私はそう)そういった音とは真逆な音なので、そういう音造りを期待して買うのはやめたほうがいい。しかし、そういう先入観を抜きに見れば、非常に明瞭で軽快な音を鳴らすなかなか良いヘッドホンであると思う。
・明るい音く明瞭な音、ベリリウム振動板を採用したイヤホン群の音が好きな人にお勧めしたい機種。