
LOXJIE A30という現在21,666円で販売さてれいる小型のDAC内蔵プリメインアンプのレビューです。お手軽なスピーカーを鳴らすためのアンプですね。スピーカーの市場は近年相当縮小されていると思いますが、そんな中こういったお手軽で手を出しやすい製品を出してくれる中華系メーカーは本当スピーカー好きとしては有難いなと思いますね。
販売サイトはこちら

注目ポイント
・MA12070というデジタルアンプICを採用し、小型ながら80W+80W(4Ω)、40W+40W(8Ω)の出力を確保。
→最近のスピーカー用のデジタルアンプICには正直疎いのですが、大型のデジタルアンプのTopping TP60でも出力は80Wですので出力自体は十分かと思います。
・低価格でありながらS/N比が108dBとかなり優秀
→S/N比は簡単に言えばノイズの多さの指標です。スピーカーアンプは結構高価なアンプでも無音時に結構ホワイトノイズが出たりすることがあるのですが、このアンプはほぼ全く気にならないレベルのノイズフロアになっています(ここはTopping TP60より優秀)
・USB DAC機能やBluetooth入力機能がありこれ1台で完結できる。
→スピーカーアンプ系は、DAC→プリアンプ→プリメインアンプと色々と用意する必要がある場合もありますが、このアンプは、アンプとパソコン、もしくはスマホがあれば音が鳴らせてかなりスマートです。(Bluetoothに関しては直輸入品ということで自己責任で)
良い点
・音はかなり良い。全体域不足無くなり、低価格のアンプにありがちな低音域の力感の足りなさ、腰高感が無くとてもバランスの良い音。
・APT-Xまで対応といいつつ、実際はAPT-X HDまで対応しておりアンプとスマートフォンのみでハイレゾ再生まで対応ができる。仕様には無いことなのでロットによって変更される可能性はありますが(Bluetoothに関しては直輸入製品のため自己責任)
・ノイズが非常に少なく、無音時にスピーカーコーンに耳を近づけてほんの少しホワイトノイズを感じる程度(スピーカーアンプは近づけないでもノイズがかなりわかる製品も少なく無い)
・消費電力が35Wと小電力なため電源をつけっぱなしにしても気にならない。
・とにかく手軽でありながら十分すぎる音質が担保されている。
悪い点
・APT-X HDまで使えるがLDACも対応してくれたら尚よかった(APT-X HDのほうが対応機材が少ない)
・Bluetoothに関しては直輸入のため自己責任になってしまう。
・スピーカーターミナルが小さく、ACアダプタの場所が近いのでYラグ端子を使うのはあまり現実的ではない。
・ヘッドホン出力は完全におまけ機能で一応音が出るだけレベル。
-------------------------------------------------------------------------------------

1、音質はなかなか優秀。低価格アンプにありがちな低音の不足感も無く、非常にバランスのとれた良い音が鳴る。
音は予想以上に良かったです。スピーカーはPENAUDIO CHARISMAを使い比較しました。ちょっと手持ちで比較できるアンプが無かったので、SPEC RSA-V1DT+SMSL VMV D1という価格差20倍くらいのかなり無謀な比較をしましたが、勿論音の差は結構感じますが、それでも「結構LOXJIE A30も良い音するじゃん」と思ったのが本音でした。一番の差となる部分は音の広がり方でSPEC RSA-V1DTは自然な抜けの良い音場を形成するのに対して、Lojie A30はストレートに音が自分に向かってくる感じで音場は少し余裕の無いように感じましたが、それ以外は音のバランスも優秀で低価格のアンプにありがちな低音の不足感も無いですし、高音域もしっかりとレンジの広さを感じられる鮮やかな音を鳴らしてくれます。2万円のオールインワンのDACアンプでこれだけの音が鳴って、文句付けるのは野暮ってレベルに感じるくらい予想外に良い音が出てくれました。

2、比較的鳴りやすいフルレンジ1発のスピーカーなら更に真価を発揮する。
最初はPENAUDIO CHARISMAというそこそこ駆動力を必要とする2wayスピーカーで鳴らしました。PENAUDIO CHARISMAでも予想以上に良い音で駆動をしてくれましたが、比較的鳴らしやすい1wayのフルレンジ一発のスピーカーだと更に真価を発揮します。写真のようにMarkAudioのAlpair6Pというフルレンジスピーカーユニットを使ったスピーカーを鳴らしててみましたが、Alpair6Pらしい高音域の鮮烈さがしっかりと再現され、低音域も全く問題の無い量感で鳴らしてくれ本当に文句の無い音を奏でてくれます。またSN比が高く、無音時に耳を近づけても、ほんの少しホワイトノイズを感じる程度なので、フルレンジ一発の能率の高いスピーカーでは本当に使い勝手が良いです。SNの低いアンプでも一般的な音楽を鳴らしているときは殆ど気にならないのですが、クラシックとかの音の強弱がハッキリ出るジャンルだと意外と気になるんですよね。


3、スピーカーターミナル部は正直小さくて少し使いにくい。Yラグは大型は無謀、小型Yラグなら問題は無いがACの位置が邪魔になるので基本バナナプラグを推奨。
スピーカーのターミナル部は正直小さくて使いにくいです。小型でYラグの場合は一般的な大きさのものではなく、小型のYラグでないと基本無理ですし、小型の物を使ったとしてもACアダプタの端子がターミナルのすぐ近くにあるので付けるのに苦労します(2枚目の写真はむりやり大型のYラグを付けています)このアンプを使う場合は可能であれば1枚目の写真のようにバナナプラグを使ったスピーカーケーブルを使うことをおススメします。

4、直輸入品のためBluetoothは自己責任になるが、APT-X対応といいつつAPT-X HDにまで対応しており、スマホとこのアンプだけでハイレゾ環境が完成する。
BluetoothはAPT-Xまで対応と言いながら実際はAPT-X HDまで対応しているため、このアンプとスマホがあるだけでハイレゾの再生環境が整います。(仕様には無いことなのでロットによって変更される可能性はあります)難点としてはAPT-X HDはLDACと比べて対応機材が少ないことですね。私の手持ち機材の場合 HUAWEI Mate 20 Proは対応していますが、Samsung Galaxy Note 20 UltraはAPT-X HDの対応がありませんでした。LDACだと現行のAndroid機はほぼ全て対応しているので文句なしの環境になるので、そこは少し惜しいところです。

5、ヘッドホン出力端子は完全におまけ。音楽鑑賞に使うのは厳しいが、スピーカーを使わないときに動画再生等で使うには便利。
ヘッドホン出力端子は完全におまけです。全然駆動力が無いですし、音のレンジも狭く本当に「一応音は出ます」レベルで音楽鑑賞で使えるレベルの音質ではありません。スマホ直刺しとかのほうが大抵良い音が鳴ると思います。ですが、ヘッドホン出力の出来が悪いというよりは、「2万円のスピーカーアンプのヘッドホン出力に期待するほうが間違い」と考えるのが正解かなと思います。ただ、この端子があるおかげでスピーカーを鳴らしにくい時間帯等にテレビ視聴のためにヘッドホンを使うなど、音楽再生以外の用途で使うことができるので便利ではあるかなと思います。


おススメ度 90点
6、非常に使い勝手の良い小型プリメインアンプ。スピーカー入門にもってこいのオールインワン製品で音も優秀。
使いやすいオールインワンのDAC内蔵プリメインアンプで、小型ながら出力も80Wと十分あり、しかもノイズも少なく、かつ音のバランスも良好と、入門機として文句なしに勧められる製品だと思います。特にSN比の優秀さは結構有難く、高級のアンプでもホワイトノイズが大きい製品とかは結構あるのですが、このアンプは耳をコーンに近づけてやっと少し聴こえるレベルのノイズしかないので使いやすいです。また消費電力も35Wとかなり低いので、電源を入れっぱなしにしていても全く気にらないですし、良い意味でデジタルアンプの良いところを詰め込んだような製品になっているかなと思います。
スピーカー入門にコストパフォーマンスの良いアンプが欲しい人におススメしたい逸品。